ゼノブレイド2 黄金の国イーラ プレイ日記 その1「二人を結ぶもの」

君のことは俺が守る――。

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※ 注意:本編最終話までを含むネタバレに関して、このブログは一切配慮しません。
※ そのくせ本編での描写がところどころ頭からすっぽ抜けている可能性もありますが、それはそれです。

(主観的)あらすじ

 世界<アルスト>は荒廃していました。飽くなき戦乱が続き、さらには天の聖杯を名乗る強大なブレイド・メツが大地<アルス>を灼き――、何より、人の心が荒んでいました。
 この日、シンとラウラが傭兵稼業で訪れるつもりだった村の惨状もまた、この世界においてはごくありふれたもの。
 村は野盗に焼かれ、屍肉の味を覚えた獣たちが見境なく人を襲っていました。シンたちに救うことができたのは少年ひとりだけ。その少年――サタヒコもまた、口減らしに売られて来た孤児でした。この世界は荒んでいます。

 ラウラはサタヒコに対し、家族になろうと呼びかけました。彼女はこの荒廃した世界において自由でした。しがらみから逃れ、荒みゆく人の心に抗い、それでも、と、シンとふたり身を寄せあって善を行うために戦っていました。
 けれどそのシンも出自は宝物庫から盗み出されたイーラ国の秘宝。もしその素性が誰かに知られてしまったら・・・。ラウラの自由もまた、薄氷の上に辛うじて成り立っているにすぎないのです。

 翌日、シンとラウラの前にイーラの第四王子、アデルが現れました。彼はメツの対となる天の聖杯・ヒカリのドライバーであり――、そして彼もまた、自由な魂の持ち主でした。為政者に連なる立場でありながら、彼はシンと同調したラウラを罰しませんでした。代わりに無邪気な顔でシンたちをメツを倒す旅に誘ってくるのでした。

 世界の荒廃に抗う若者たちの、ひとときの夢のような冒険譚が幕を開けます。

システム面のよしなしごと

 待ちに待った大型DLC・『黄金の国イーラ』です。
 シーズンパスを買ったときは予想だにしていなかった超大型の外伝作です。
 うん。外伝作だよねこれ。DLCって規模じゃないよね。バッカじゃねーの。モノリスソフトバッカじゃねーの。マジありがとうございます。

 とりあえず2時間ほど触ってみましたが、戦闘ルールがすっごいブラッシュアップされていますね。

 特に操作キャラを変えるときに発動する「スイッチアーツ」が良いです。どうせ最終的には操作キャラを取っ替え引っ替え間断なくボタンを押しまくっては次々アーツを繰り出すせわしないゲームになるのはわかりきっているのですが、このスイッチアーツが追加されたことで操作キャラの交代操作すらも実質的にアーツ扱いになりました。これによって戦闘中どのボタンを押してもほぼ全てが何かしらの攻撃動作になるということに。なにこの脳筋仕様。超アグレッシブ。
 しかも全てのスイッチアーツにダウンやらスマッシュやらのリアクション効果が付いています。トラじゃなくても1チームでドライバーアーツを完遂できます。1キャラあたりのコンボパーツが増えた分、割とテキトーにやっててもなんとなく最後までつながったりして、初心者にも安心。さすが天乱剣の使い手。(ただし威力は抑えめ)

 それから「タレントアーツ」もいいですね。やっぱり効果の大きな補助アーツがあった方がキャラクターの個性付けとしていい味が出ますね。
 特にラウラのタレントアーツが“HPを犠牲に自身の全アーツを即時使用可能にする”というものになっていて、キズナリングの埋まっていない序盤からいちいちオートアタック待ちしなくてもザコ戦をサクサク処理できていい感じです。(終盤まで使い道が残るかどうかは知らない)

 つまりは序盤から全体的にバトルのテンポがアグレッシブになっているんですね。

 他にも採取ポイントにレアリティ表示がなされていたり、ポーチアイテムの調達手段がクラフトになったおかげで1アイテムあたりの重みが増していたり、そのクラフトの素材にモンスタードロップを要求されるのでザコを狩りにいく意義が出ていたり、あと草とか・・・色々とよく考えられた改善がたっぷり目白押し。
 詳しくはヨソのブログを参照するか、直接自分で触れてみてください。私はこういうのを解説するのヘタクソなので!

 いいんだよ。ウチは攻略ブログじゃなくて感想ブログだから。
 扱う対象は基本的にストーリーとかキャラクターとかそっちだから。

ラウラ

 というわけで本題。

 「守ってくれるんでしょ? 『君のことは俺が守る』 この17年間、一日だって忘れたことないよ。カゴのなかの私を大空に羽ばたかせてくれた日だもの――」
 開始10分でいきなりこの重たい女っぷりよ。
 さすがはシンに500年の孤独を選ばせた人なだけはあります。この人がシンと並んでメインキャラクターを務めると知ったときからずっと楽しみにしていました。正直なところ本編時点ですでにホムラ並みに好きなキャラクターでした。

 「シンのこと・・・。ダメだよね、やっぱり」
 そのくせ変なところで諦めが良くて。
 「この僕に君を斬れと?」
 「それは――」

 しかも自分で切り出しておいて、実は覚悟が決まっていない。何がしたいんだキミ。
 いいなあこの子。メンドクサイなあ。生っぽいなあ。これはもう破滅する瞬間まで守ってあげざるをえない。

 しかも貧乏属性かつ貧乳お姉さん属性ですと? 私のフェチズム狙い撃ちじゃないですか。
 ついでいうと瞳の色がレックスと同じですね。ついに何かしら語られるんでしょうか。性格がレックスと似ているのはむしろアデルの方なんですが・・・ああいや、甘えん坊って意味では案外ラウラにも似ていることになるのか。はてさて。

 「少し改善が必要だな。この戦いかた、たしかに互いの力は倍加するが守りに弱い。剣が俺の手にある間、君は無防備だ」
 プレイヤーとしての使用感はむしろこっちの方がいいんですけどね。
 設定上、レックスたちのようなバトルスタイルが一般的になるのは後年のことだといいます。単純に戦術として洗練されていった結果かと思っていましたが、どうやら他にも理由があるようですね。

 「人との歴史において、少しずつだがブレイドの気質――いや、感情といってもいい。それは変わってきている。より人に近く。寄り添うように」
 神様のつくった記憶のエコシステムはやはり正しく機能しているようです。ブレイドはこの世界に生きる全ての人々の意志を集積し、総括し、還元します。そのためのブレイドです。
 ブレイドたちの感情が変化しつつあるというなら、それは人々がこのクソッタレな世界を良く思っていない、変えたいと願っているということです。
 ブレイドたちが思いやり深くなっているということは、それはこの世界の人々がブレイドに優しくしてあげたということです。
 「少し改善が必要だな。この戦いかた、たしかに互いの力は倍加するが守りに弱い。剣が俺の手にある間、君は無防備だ」
 ならばつまり、この物語より後年にブレイドたちが戦いかたを変えたのは、彼らが今以上に自分のパートナーを守りたいと強く願うようになった結果なのでしょう。そしてこんな時代をつくってしまってもなお、この世界の人々の本質は実は優しかったということでしょう。
 ――守りたい。
 本編時点のブレイドたちは本当に人なつっこい子ばかりでした。いっそ忠犬みたいでした。
 だったら、このサッドエンド確定みたいな前日譚にだって、ちゃんとレックスにつながる意味はある。無駄なものは何もない。なあおい、シンよ。500年後のシンよ。

 守りたくもなりますよね。ラウラみたいに向こうから寄りかかってきてくれる子を傍で見ていたら。

自由な魂を抱く者たち / 自由な生き様に憧れる者たち

「いいよ、君。最高だ! いやあ嬉しいよ僕ぁ。大好きだぞ、僕は! 君たちが!」
 アデル。レックスのまっすぐさ柔軟さと、ジークの聡明さ愛情深さを兼ね備えたようなこのバカ王子。
 なにそれサイキョーじゃね?
 しかもどうやらこのナリで意外にもちゃんとマジメに教育を受けてきたらしく、物腰の端々に優雅さまで見て取れます。ムカつくなコイツ。

 どうやらこの人、目下さしあたってヒカリに人間らしさを教え込みたいご様子。
 「素直なのさ」
 「素直? 誰が?」
 「君が」
 「私?」
 「彼はそう言ってるんだよ」

 シンは本編でもブレイドが人間のために存在していることに苦悩していましたね。自分が500年も人間のために生きながらえてきただけに。いや、この苦労症ぶりは根っからだったんだな。
 そういう意味で「思いやりに欠ける」ヒカリのことを珍しいと言いました。ブレイドらしからず人間の都合に縛られていないと。何者にも束縛されない自由な魂を持っていると。
 つまりシンにとってはこのうえない褒め言葉だったりします。「思いやりに欠ける」って。実は。
 ・・・初対面のくせになんで理解できるの? このアデルとかいうバカ王子。

 「縛られたくないの。何者にも縛られず、自分が信じたこと、信じた人の手助けができる。どこも自分たちが生きるのに精一杯でしょ? イヤなんだ。そういうの」
 どうやらこの物語において“縛られない”とは重要なキーワードのようです。
 まあね。ラウラの言うとおりですよね。世界が現状ですでにこのうえなくクソッタレなんですから、それに甘んじていたらトコトン底なしに悪くなっていく一方ですからね。
 神様なんかここまでクソッタレになるよりももっと早い段階でとっくに世界を見限って、マルベーニが天の聖杯を持ち去るのを黙認しちゃいました。結果、現在サイアクです。すでにサイアクですが、放っといたらもっとサイアクになるでしょう。災厄だけに。(言っちゃった)

 状況だけを見るなら、たしかにブレイドのような他人に従順な気質ではこの惨状を打開できないでしょう。今求められているのはラウラやアデル、ヒカリのような、このクソッタレな世界の都合に縛られることを良しとしない自由な意志。
 なるほど。つまりこの物語は本編でレックスが示した、過去から未来へひとつづきにつながっていく絆に対する対論になっているんですね。

 ラウラは不幸な身の上を脱し、誰かの役に立てる自由に手を伸ばしました。
 アデルは七面倒くさい王族の義務に背を向け、自分のすべきことだけを見据えられる自由を望みました。
 ヒカリはマスターブレイドとしてこの世界のどうしようもなさを熟知していながら、それを他人事として自分は自由にふるまうことを選びました。
 ・・・実態はともかくとして。
 そんな自由な彼らの傍で、ただのブレイドとして自由になれずにいるシンはこれから何を思うのでしょうか。

 なあに。プレイヤーは悲観していないさ。
 だってあなたは500年後に知ることになるんです。
 「そのためにあんたたちがいるんじゃないか。そしてそれを一緒にやり遂げるのはオレじゃない、誰かだ!」(本編第9話)
 ブレイドもまた、この世界を良くしていくための大切な一要素であることを。
 あなたが生きたことに、無駄はひとつもありません。

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