みんな大事! 大好き! エルも――、守る!!
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「大変身! キュアマジェスティ!!」
大きな出来事
メインキャラクター:エルちゃん
目標
もう一度キュアマジェスティに変身する。
課題
一度はプリキュアに変身できたはずのエルちゃんだが、ソラたちにお披露目しようともう一度変身を試みてもなぜかうまくいかない。
エルちゃんはあげはに付きあってもらって変身するために必要なものを探すことにした。
解決
エルちゃんが変身するための鍵は「大好きなみんなを守りたい」という思いだった。
自分だけのミラージュペンを手に入れたエルちゃんは再びキュアマジェスティに変身し、ソラたちのピンチを救った。
バトル
苦戦
アンダーグエナジーを注ぎ込まれ操られたミノトンが相手。アンダーグ帝国はエルちゃんを誘拐するのではなく、倒すように方針転換したようだ。
苛烈な攻撃を次々繰り出してくる敵に対し、ソラたちは力を合わせてエルちゃんを守った。
勝利
ソラたちの「守る」思いを見て大切なことに気づいたエルちゃんがキュアマジェスティに変身、満身創痍のソラたちに代わってミノトンをノックアウトした。
ピックアップ
キュアマジェスティ
近年のプリキュアとしては珍しくほぼ単色だけでカラーリングされたシックなデザイン。体つきもソラたちより少し大人なのに、表情だけ子どもっぽくてなんか楽しそう。耳にやたらごっつい金色イヤーカフがついているのは、髪をかき上げたときチラリと見せることで意外性を表現するイタズラ心だろうか。
変身バンクにも優雅な所作のなかに隠しきれないプリキュアになれたことへの喜びが表れている。お転婆お姫様はしゃいでるな!
総じて、未就学児の「もし自分がプリキュアに変身できたら」という夢に全力で寄りそった、憧れをテーマとする『ひろがるスカイ!プリキュア』らしいプリキュアだといえる。
初登場と新技披露の間にシリーズ構成以外の脚本を挟んだのは、せっかく追加戦士がこの時期までズレ込んだわけですし、一番盛り上がるエピソードを秋映画のタイミングに合わせてみようという狙いでしょうか。どっちに転ぶか予想できませんがなかなか冒険的なスケジュールだと思います。私が子どもだったら絶対映画を見たいとせがむでしょう。
そういえば秋映画。今年はなにやらオッサンオバサンファンにとって居心地が悪くなる話題が相次いだようです。映画館に行くなら例年以上に清潔感に気を使って、身ぎれいにして行きましょうね。
子どもにとって不潔な見た目や匂いはあなたが想像しているよりもはるかに不快に感じられます。
伝説のプリキュア
「カイゼリン様。ついにあのキュアマジェスティが降臨しました。まだその強大な力を使いこなせぬうちに消し去らねば」
「チッ・・・。よかろう」
「全てはこの私めにお任せを」
今作初めての悪役会議。今回限りのような気もします。今話みたいにプリキュアがいない場でしか語れない情報ってあんまり無いですし。
「ついに」「あの」と、スキアヘッドたちがキュアマジェスティのことを以前から知っていたような口ぶりなのは、おそらく第5話で出てきたプリキュアの伝説を彼らも知っていたからなんでしょうね。
ちなみにあの伝説はスカイランド側ではとっくに廃れてしまっていて、ハイパースゴスギレジェンド名誉博学者であるヨヨお婆ちゃんですら改めて調べなおさなければ突き当たることができないものでした。
スキアヘッドが「知識の宮殿」とかってシャレた言いまわしをする学者キャラに設定されているのもこれが理由のひとつなのかもしれません。単純に前回の侵攻当時からずっと現役なだけの可能性もありますが。
「闇の世界の魔物がスカイランドに攻め込んできた。空は暗い雲に覆われ、絶望的な戦いが始まった。スカイランドの姫は祈った。ヒーローが現れて、青い空とみんなの笑顔を取り戻してくれますように、と。姫の祈りに応えるように、勇敢な戦士が現れた。その名はプリキュア」(第5話)
「その子は運命の子。滅びの運命にあるこのスカイランドを救ってくれるでしょう。あなたたちの手でこの子を育てるのです」(第24話)
前話、エルちゃんは両手を胸の前で合わせて祈りました。すると新しいプリキュアが現れてソラたちを救ってくれました。
「スカイランドの姫」自身がプリキュアになったのだという種明かしは少し意外でしたが、さておき前話において歴史はおおむね在るべき姿で繰り返したようです。キュアマジェスティは前回のアンダーグ帝国の侵攻の折にも一番星から派遣されていたんでしょうね。
「ま、まさかここまで追ってくるとは・・・! さてはお前もこの子の力が欲しいのねん?」(第1話)
「プリンセスはお前らなんかに渡さない!」
「もはや我らはプリンセスを連れ去ることにこだわってはいない。ここで貴様らもろとも消えてもらう」
アンダーグ帝国がエルちゃんを狙っていたのは単騎で侵略戦争の戦況を覆しうるキュアマジェスティの覚醒を未然に食い止めるため。カバトンの口ぶりからすると、あわよくばエルちゃんの秘めた力をアンダーグ帝国側で逆に利用してやる腹づもりもあったのかもしれません。
ところがそれは失敗に終わってしまいました。カバトン、バッタモンダー、ミノトンと派遣した戦士たちが揃いも揃ってどうでもいい護衛兵力にばかり固執し、ただ誘拐だけしとけば大局的に勝ちだということをきちんと理解していなかったせいですね。
カイゼリン様、指示伝達がヘッタクソな典型的コミュ障上司かもしれません。ヘタならヘタでもう少し部下とのコミュニケーション機会を増やせばまだ取り返しがついたでしょうに。色々小器用で素直な性格だったカバトンあたりは指示さえ的確ならちゃんと仕事したと思いますよ。「チッ・・・」じゃないですよ。完全に「誰かのせいにしたいが自分の顔しか思い浮かばない」ってやつじゃないですか。マネジメントが貧弱だから自律判断できる古株しか活躍できない職場になっちゃってるんですー。部下のメールアドレスご存じですかー?(日頃の鬱憤)
思い返せばソラたちにプリキュアの力をくれたのもエルちゃんでした。
スキアヘッドがソラたちをそこまで脅威と感じていない様子だったあたり、前回はいなかったイレギュラーなプリキュアなのかもしれませんね。
今のところ歴史は繰り返しているようですが、さて、ソラたちがプリキュアになったことでエルちゃんの運命は今後どう変化していくのか。
ちょっとした慢心
「ごめんね。少し焦げちゃった。昨日のこといろいろ考えちゃって」
「無事に戻ってきたからいいものの、プリンセスを守ることができなかった」
「スキアヘッドは恐ろしい強さです」
「うん・・・。これからのことを考えると心配だよね」
消沈しているソラたちを尻目に、今日のエルちゃんはひとりご機嫌な様子。
エルちゃんは年齢不相応に賢い子です。傍にいるソラたちの気持ちを察することができない子ではありません。いつもならこういうとき一緒に不安げな顔をしているはずなのですが・・・。
「エルだよ! エル、キュアマジェスティなの!」
今回に限ってソラたちの不安な感情を共有していないのは、単純な話、エルちゃんだけスキアヘッドを脅威と感じていないからなのでした。
自分が変身すればどうとでもなる。
スキアヘッドはひとりで倒せるし、ソラたちのことももう傷つけさせない。家族と離ればなれになることもない。
ここにキュアマジェスティがいる。だから、ソラたちが不安に思っているような未来は絶対に訪れない。
そういう自負が、エルちゃんをご機嫌にさせています。
最後のましろのように、そもそも小さい子どもが戦うというのはどうかと思う向きは当然あるでしょう。
ですが、エルちゃんはソラたちを守るために自ら望んでプリキュアになったんです。ソラたちを守ることこそが彼女の本意で、喜びで、自己実現なんです。本人にしてみれば当然、その戦いに悲壮感なんかありません。
プリキュアとは夢の前借りです。子どもの自分ではまだできないことを、いつか大人になった自分に似た夢幻を身にまとい、仮初めのうちで実現してみせる。そういうものです。
だからエルちゃんにはソラたちのことを守れる自信があるし、守らせてほしいと思うのです。せっかくそういう力を願ったからには。
ましろ以外のメンバーが意外とすんなりエルちゃんを仲間に加えようとするのも、彼女たちはプリキュアになって夢を叶えたいという思いが理解できるできるからですね。
だからキュアマジェスティの正体もあっさりうち明けます。
だって別に秘密のヒーローごっこがしたいんじゃないんです。エルちゃんの夢はソラたちを自分の手で守ることでした。そのためには、むしろソラたちにも正体を知っていてもらったほうが都合がいい。どうか心から安心してほしい。守るから。
「ひーろーがーるー・・・チェーンジ!! ・・・える? プリキュア! プリキュアー! エル、変身。つよいの。ウソないの!」
なのに、さて本題です。どういうわけか今回はうまく変身できないわけですよ。
そりゃあ悔しいでしょうね。困った、困った。
エルちゃんのミラージュペン
エルちゃんはまだ赤ちゃんで、プリンセスで、運命の子。本来ならソラたちに守ってもらうのが当然の立場です。
なのにエルちゃんはその反対、自分の手でソラたちを守れるようになることを夢見ました。
「ひろがるチェンジ! ひろがるチェンジ・・・! エル、変身。つよいの・・・!」
「否! 否。否。否。否! 食らうがいい、最強となった我の攻撃を! ムダだ、ムダムダ! 諦めろ! 貴様らにプリンセスを守ることなど叶わん!」
そんなエルちゃんに対するはミノトン。
ミノトンは頭の堅い人物です。自分の価値観に沿う相手のことしか認めず、それ以外の価値観はどんなものであろうと否定しにかかります。
武人らしさこそ全て。最強であり、誇り高い生き様こそが最上。
かつてエルちゃんの気高さを賞賛したことがありました。けれどそれは赤ちゃんらしからぬ勇気をふりしぼったからこそ。赤ちゃんとは本来脆弱で泣き虫なもの。守られて当然の存在。まさか反対に大人を守る側になれるだなんて思っていませんし、それに適う力を持ちうるだなんて少しも信じません。
エルちゃんごとプリキュアを攻撃します。
プリキュアはなかなかの強者であり、実際何度か彼を打ち負かして見せたことがありました。それでもミノトンの評価は改まりません。最強とは自分のことであり、プリキュアはあくまで格下。飛行機で逃げようとしたり、砂を盛って偽りの肉体を誇示したりする卑怯者が、誇り高い自分よりまさか強いはずもなく。
何が起きようと、ミノトンのなかで最初に定まった評価は覆ることがありません。
最強のこの一撃でプリキュアもエルちゃんもまとめて消し飛ぶはずでした。
「あきらめたりなんか、しない! そうです! エルちゃんは、プリンセスは、私たちが絶対に守る!」
それでも、そう。
ミノトンが自分より強いとはあくまで認めようとしないプリキュアは、今回も彼に抗ってみせました。
エルちゃんの大好きなプリキュアの勇姿です。
いつも守ってくれる人たち。
いつも優しくしてくれる人たち。
いつも愛してくれる人たち。
だから、いつも安心させてくれる人たち。
「まも、る――?」
自分の手でソラたちを守れるようになることを夢見ました。
本来ならソラたちに守ってもらうのが当然の立場でありながら。
普通に考えたらあべこべなのかもしれないけれど。
大好きだから。
ずっと一緒にいたいから。
なにより、いつかあんなふうに強くなりたいと憧れたから。
「エルちゃん!?」
「いけません!」
みんな止めるでしょう。当たり前です。エルちゃんはまだ子どもで、誰かに守ってもらうべき存在です。こんなの普通じゃありません。
それでも。エルちゃん自身はそれじゃイヤなんだと叫ぶのです。
「イヤ、イヤ! みんな大事! 大好き! エルも――、守る!!」
小さなこの身のままでは絶対に叶わない願い。
いつか今よりずっと大人になったときようやく手に入れられる、かもしれない強い力。
ただの子どものワガママにして、奇跡の体現を成さしむる真心からの祈り。
冷たい現実法則をねじ曲げる夢の魔法。
「エルちゃん、すっごくがんばったんだよね。でも、なかなかうまくいかなくて悲しくなっちゃったんだよね。エルちゃんにはエルちゃんだけのミラージュペンがあるはずだよ。――それはエルちゃんにしか見つけられないものなんだ。でも、きっとエルちゃんになら見つけられる」
ソラは幼いころ憧れたヒーローのように子どもを守れる人になりたくてペンを掴みました。
ましろはひとり恐怖に震えて戦うヒーローの心を傍で守りたくてペンを掴みました。
ツバサは勇ましいプリンセスを最後まで守れるナイトになるためにペンを掴みました。
あげははどんなに辛いときでも大切な人たちを守れるようになりたくてペンを掴みました。
それぞれに叶えたい夢があって、憧れる人がいて、守るべき譲れない思いがありました。
エルちゃんにとってそれは何だったでしょうか?
答えはいつも身近にあり、そしてエルちゃん自身いつもならよく自覚していたことでした。
叶えたい夢も、憧れている人も、守りたいものも全部、ソラたちのこと。
前話、エルちゃんはソラたちを守るためにキュアマジェスティに変身しました。
ところが今話、この力があればソラたちを守れるとわかっているにもかかわらず、不思議とうまく変身できなくなっていました。
「守りたい」――。エルちゃんがそう思ったそもそもの理由が、いつも守ってくれているみんなへの愛と憧れによるものだったんだということを、少しの間だけ忘れていたからなんですね。
エルちゃんの夢と、憧れと、守りたいものは本来全部ひとつところに結びついています。
守ってくれたから守りたいし、大好きでいてもらえるから大好きだし、カッコよかったからカッコよくなりたいんですよ。きわめて単純な話。
「あのペンは自分のなかの気持ちがかたちになったものです」
歴代のプリキュアのなかでも最もあどけない子どもの思い。
それがキュアマジェスティを生み出しました。
「降り立つ気高き神秘! キュアマジェスティ!」
名乗り詐欺にもほどがある。
あなた現時点ですでにそういうキャラじゃないでしょうが。
ちなみに彼女の出現はこのように予言されていたんですけどね。
「スカイランドの姫は祈った。ヒーローが現れて、青い空とみんなの笑顔を取り戻してくれますように、と」(第5話)
「その子は運命の子。滅びの運命にあるこのスカイランドを救ってくれるでしょう」(第24話)
ぜーんぜん違う。今代のキュアマジェスティはスカイランドを救うためではなく、自分の家族のマネをしたいがために現れました。
王族のもとで育てさせようとした一番星の目論見大失敗!
コメント
>居心地が悪くなる話題
こういうとき「プリキュアに対して恥ずかしくないのか」的なニュアンスの言葉と、それに対する反論をよく見かけますね。
個人的にはそういう言葉に違和感は覚えませんが
プリキュアってかなり道徳的ニュアンスの強い作品なので、そもそも『社会人としてあるべき姿』と『作品内で語られる美徳』が似通うのはあるのかなと。
>本編の話
「ヨヨさんが語ったおとぎ話は、実は遠い未来で作られたもの。各初変身回及び最終決戦時点のキュアスカイたちのことが、色々省略されて伝わった」
とか思った時期もありましたが、当のプリンセス本人も変身したとあっては少々考え直す必要がありそうだなと。
来週のマジェスティクルニクルン入手に際し、新しい情報が入ることに期待です。
……まあそもそも最終決戦で、本当にスカイランドが滅亡の危機に遭うか知りませんけどね。何気にカイゼリン様の目的自体ははぐらかされ続けてますし。
恥ずかしいと思わない人だからやっているんだって結論ありきの発言ですよねあれ。実際彼らは恥ずかしくないんだと思います。
で、わかりきっているうえで発言している以上、その手の発言をする人も大抵最初から無関係な一般ファンを中傷する意図でやっているんですよね・・・。
最終的に何かしらの危機は訪れるんでしょうが、今のところ歴史を繰り返さずうまく迎撃できている感はありますね。
伝説でスカイランドが闇の軍勢に一方的に蹂躙されていたのって、たぶんアンダーグエナジーを浄化できなかったからというところも大きいでしょうし。(第15話のバッタモンダーがやったアレ)
アンダーグ帝国側はキュアマジェスティに手痛くやられた歴史を風化させることなく記憶しているようなので、エルちゃん誘拐以外にもまだ策は用意しているでしょう。
今日は3週間ぶりに自宅のテレビで視ることが出来たひろがるスカイプリキュアでした!!☆☆♬
ひろがるスカイのプリキュア達がシックリ着たセリフを発しました!!☆☆♬
「エルちゃんが」→「キュアマジェスティ」
「プリンセスが」→「キュアマジェスティ」
私はキュアアイドルギャンブラーが女子寮の寮長をすることになる女子に対して
「○ッ、○○さんが」の直後に「女子寮の寮長」と周りの生徒が言い出します
だから数割プリキュア的に感慨深いですね!!☆☆♬
>で、プリキュアとは完全に無関係なことで言いたい雑談は
岡山県久米郡久米南町の中島ブロイラーに行って、串(焼き)はすぐ固くなるのが残念ですが、やっぱりまた食べたくなるような不思議なスパイスが効いていました!!☆☆♬
音声情報って意外とスムーズに頭に入ってこないものなので復唱・連呼は大事。
お決まりのセリフ回しにはお決まりになるだけの効果があります。
スカイランド再侵攻を目論むカイゼリン陛下とスキアヘッド卿にとって、唯一にして最大の脅威は「ヴァージョンアップしたキュアマジェスティ」。他のプリキュアは物の数ではない雑魚。進化形キュアマジェスティさえ潰してしまえば後は“赤子の手をひねる”ようなもの。
ところが……そのキュアマジェスティがどこから現れるのか見当がつかん。もしどこかでいつの間にか出現し、いつの間にかヴァージョンアップを済ませていたら、もはや手のうちようがない。
そこで、プリキュア召喚者プリンセス・エルを危険な目に合わせ、さらに雑魚プリキュアを痛めつけて、初期型キュアマジェスティが出てこざるを得ない状況を(かませ犬三匹使って自らは手を汚すことなく)作り出し、辛抱たまらず初期型キュアマジェスティが出てきたところを叩く……てぇ目論見だったんじゃないですかね。「打たせて取る」「犠牲バント」「肉を切らせて骨を断つ」みたいな。
そんなアンダーグ陣営にとって、プリンセス・エル自身がキュアマジェスティに変身することは予想外であったらしい。おそらくいにしえの戦いで活躍した先代キュアマジェスティは先代プリンセスとは別人で(博学者ヨヨ殿が調べあげた伝承からもその様にうかがえる)、それゆえ当代のプリンセス・エルもプリキュアに変身することはないと判断していたんでしょうね。
だとすると、何故プリンセス・エルは自らがキュアマジェスティとなった(なれた)のか?――――というより、何故先代プリンセスはプリキュアにならなかった(orなれなかった)のか?
そしてこの新旧プリンセスの生き様の違いは、あの一番星陛下が狙って仕込んだものだったのか、あるいは一番星にとっても想定外の事態が発生しているのか……?
どうにも2023年のソラシド市とスカイランドを舞台に行われている戦い、スキアヘッド卿と一番星陛下の腹の探り合い・先手の取り合いが火花を散らす“チェス”の様であり――――そのチェスの“駒”キュアマジェスティやキュアスカイ達(それとカバトン達かませ犬共)が、自らの“意志”を以てスキアヘッドや一番星ら世界を牛耳る“棋士”の思惑を踏み越えていくとき、誰も知らない見たこともない新たなる時代が始まる――――みたいな決着になりそうな……でもそうじゃなさそうな、はてさて。
人選的にはスカイランドが敵対戦力を認識していない時期→スパイ戦術と敵地浸透が得意なカバトン投入、王城の近衛戦力がエルちゃんを守る→社会不安の扇動が得意なゲリラ屋バッタモンダー投入、少数精鋭のプリキュアが24時間体制で護衛→正面からの正規戦を好むミノトン投入といった流れなので、アンダーグ帝国としては交戦を最小限に最大の戦果を上げたかったのかなあというのが私の印象です。このあとの本格侵攻に向けて軍団戦力は温存しておきたかったでしょうしね。
カイゼリン様の指示不足で現場がエルちゃん誘拐という最大目標を頭からすっぽ抜かしていたのが何もかも悪い。
エルちゃん生後1歳でもうアンダーグ帝国が動きだしたあたり、一番星もエルちゃん自身がプリキュアになる展開は想定していなかったように感じますね。そういえば伝説にあるお姫様とプリキュアって髪型違うわ。
もしくは帝国の諜報部門が優秀でエルちゃん降臨を早期から察知していたのか。
予言と起きた事実の乖離というのは、まさに、歴史小説と真実起きていた事実との関係と軌を一にしていますね。
ノストラダムスの大予言とやらで騒がれていた1999年、特に剃れど何ということもなく過ぎてしまいました。そして翌2000年2月の岡山大学二次試験の国語の現代文評論で、「予言のメカニズム」という題の文が出題されました。
そこで、「本文によれば予言者になるにはどのようにすればよいか、60字以内でまとめよ」という趣旨の記述代がありました。
その模範解答の大まかな内容は、
どうにでも解釈できることをいくつも行っておき、当たったことを強調して相手に印象付けるといった趣旨だったと記憶しています。
エルちゃんがプリキュアになる予言、確かに実態には必ずしも合っていないようですが、ここでのテキスト(文)を読む限り、第三者の目からして当たっていると思わせるには十分であると思われます。
視聴者の私たちより、むしろ登場人物たちの間において。
西洋の古代の叙事詩にしても、真実たる事実と描かれた事実の間には、相当な乖離があって、それが作者、それ以上に良く語られるべき者にとって都合の良い事実であるという嫌いは、当然あるでしょう。
それは司馬遼太郎や山岡荘八各氏の近代日本の人物、例を挙げれば「落日燃ゆ」で描かれた広田弘毅と実在の広田弘毅の関係もまた同じ。
運命の子として現れたエルちゃんことキュアマジェスティの伝説での描かれ方と実在のエルちゃんの変身ごっこ?のエピソードの乖離も、先の広田弘毅の例とまた同じ。
そういったことを肌身で知れるテキストとして、今回のプリキュアもまた、いい教材になっているように思われます。
バーナム効果ってやつですね。
昔、友達が手相を見てもらっているのを横から見たことがありますが、8割方「誰でも当てはまるだろ」と「本人と私の様子見たら予想つくだろ」って感じでした。残り2割は軽く踏み込んだことを言って外してたら撤回するやつ。
伝説だとプリキュアを呼ぶお姫様はもっとずっと成長した姿ですもんね。少なくとも赤ちゃんではない。
まあ、歴史書って各時代の写本家のクリエイティビティに晒されているので、どこまでが元の記述でどこからが創作なのか判然としないものではありますが。なんならそれこそ司馬遼太郎が書いたような小説作品を底本に歴史書を書いちゃう人もいますし。
そもそも赤ちゃんがプリキュアを呼んだのだとその子個人の神聖性にはハクがつきますが、王家の権威としてはあんまりカッコよくない絵面ですから、最初から歪曲されている可能性もあるにはある、かもですね。
私も予想していましたがミノトンの後任はもしかしたらバッタモンダーよりも更にヤバい奴かなと想像していましたが、スキアヘッドを見たら案の定予想通りだと思いました。
同じ冷酷な作戦でも自分の味方の命を弄んだ時点でバッタモンダーどころではありませんよね?ましてやミノトンはアンダーグ帝国の面子の中で唯一性格良かったからなおの事怖かったです。
私の場合は相手が敵か味方かよりもどういう思いでそれを行ったかに注目していますね。私怨だとか粛正だとか。
というか、そもそもどっちが上かとかそういうことは普段あんまり考えないかもしれません。
どういう思いかと言われたら、やはり大好きなカイゼリンの望みを叶えるためだったそうです。3人とも
間違えました💦上の続きです。3人とも忠誠心薄かったからね…(笑)
敵か味方か上か下かをあまり深く考えない方が良いですね。