映画プリキュアオールスターズF メインで活躍するプリキュアたちをざっと解説してみる。

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今こそ、プリキュアの出番です!

このブログはあなたが視聴済みであることを前提に、割と躊躇なくネタバレします。

 今回の映画では「プリキュアとは何か?」という問いが非常に重要な意味を持ちます。

 それならとりあえずメインで活躍したプリキュア16人についてざっと紹介してみるかと思って漫然と記事を書きはじめたら、なんか1万字を越えてしまったので映画の感想文本文から一旦切り離そうと思った次第。

 映画の内容にはそこまで深く斬り込んでいないはずですが、さりとてまだ映画を観ていない人向けに書いたわけでもないのでほんのりネタバレは混じっていると思います。
 シリーズ作の重要ネタバレはゴリゴリ入りまくっています。

SKY TEAM

 やたらバカテンションな3バカトリオとクールなプリムのコントラストが際立つチーム。これでもこの子ら出典元では主人公なんですよ。
 今作の劇中では“プリキュアとは何か”の問いにぶつかります。主人公なだけにプリキュアの本質に斬り込んだ経験をしてきた3人。とはいえ、彼女たちの思いをプリムが理解できるかはまた別のお話なのですが・・・。

キュアスカイ / ソラ・ハレワタール

活躍した作品ひろがるスカイ!プリキュア
口上「無限にひろがる青い空! キュアスカイ!」
出自人間(異世界スカイランド生まれ)
初変身の理由「泣いている子どもを絶対に見捨てない」理想のヒーローになりたかったため
大切にしていること今まで知らなかった世界や価値観を見せてくれる友達との絆
かわいいところ人懐こく好奇心旺盛で野山を夢中で駆けまわる、大型犬みたいな性格

 今作で大暴れしていた3バカの一角。幼少のころからずっとひとりでヒーロー修業に明け暮れていた甲斐あって、今では生身の正拳突きで大岩をも砕くトンデモ身体能力を誇ります。
 自分が正しいと信じたことは何としてでもやりぬく信念の人で、見ず知らずの赤ちゃんが怪人に連れ去られようとしているのを見て異世界まで追いかけました。やっていることは完全にヒーロー。ただし内心は等身大の女の子らしく不安も恐怖も感じています。
 ヒーローになりたいといつも口にしていますが、彼女にとって“ヒーロー”とは最強の力とか正義の執行者とかのイメージではなく、もっと総合的な、憧れられる立派な人くらいの認識です。
 13歳にして初めて友達(ましろ)ができたとき大きく世界がひろがった感覚を得て、それ以来いろんな人の価値観の相違や多様性にひときわ柔軟になりました。だから3バカにも一瞬で染まってしまうんだ。

キュアプレシャス / 和実ゆい

活躍した作品デリシャスパーティプリキュア
口上「あつあつごはんで、みなぎるパワー! キュアプレシャス! おいしい笑顔で満たしてあげる!」
出自人間(定食屋の娘)
初変身の理由いつも笑顔をくれる、ごはんの妖精が泣いていたから
大切にしていることごはんでみんなを笑顔にしていたお婆ちゃんの言葉
かわいいところ人一倍、いや十倍、百倍ごはんを食べるところ

 今作で大暴れしていた3バカの一角。生まれも育ちも完全にごく普通の中学2年生のはずなのですが、何故か生身でロープを引きちぎれるほどのすさまじい膂力を秘めています。劇中で高い崖を登ってみせたのはギャグ補正ではありません。
 頭の中身も見事に脳筋で、プリキュアとして戦うときはいつもとりあえず真っ直ぐ突っ込んでいって力いっぱいぶん殴るバトルスタイルです。だからしょっちゅう敵の罠に引っかかっています。見た目は少女マンガ然とした可憐な女の子なのにどうしてそうなってしまうのか。
 その一方で、街の顔役として頼られていたお婆ちゃんの薫陶を受けており、精神的には歴代プリキュア屈指に成熟していた一面も持ちあわせています。「ごはんは笑顔」を座右の銘とし、みんなが幸せそうにごはんを食べているのを見るのが好きという温厚な性格。・・・本当になんでゴリラなの、この子。

キュアサマー / 夏海まなつ

活躍した作品トロピカル~ジュ!プリキュア
口上「ときめく常夏! キュアサマー!」
出自人間(離島育ちのおのぼりさん)
初変身の理由目の前で人が襲われているのを見て「今、一番大事なことをしよう」と心に決めた
大切にしていること将来後悔することがないよう今を全力でがんばる、楽しむ
かわいいところひとりで突っ走っていそうな顔して実は意外と周りの意見を聞くタイプ

 今作で大暴れしていた3バカの一角。今回ギャグアニメみたいな描写になったのは明らかにこの子の出典作のノリが原因ですが、意外とこの子自身はそこまでエキセントリックな性格ではありません。ただし、身体能力のほうは出典作でもちゃんと野生のサル並みでした。
 幼いころ海で知りあった友達の名前を聞きそびれ、そのまま二度と会えなくなってしまった後悔がその後の人格形成に大きく影響し、絶対に後悔を残さないよう毎日を全力で生きるパワフルガールに育ちました。
 人格形成の根本が後悔から来ているだけあって意外に繊細なところもあり、普段から友達によく気を使い、周りの反応をよく観察しているという、配慮の細やかな一面も持ちあわせています。「今、一番大事なことをしよう!」のスローガンとともに友達の新しい挑戦をいつも応援している子です。

キュアシュプリーム / プリム

活躍した作品映画プリキュアオールスターズF
口上なし
出自ネタバレ
初変身の理由ネタバレ
大切にしていることネタバレ
かわいいところネタバレ

 何から何までネタバレまみれで語ろうにも語りようがない謎の人物。この子について語るなら映画自体の感想を語るのが一番手っ取り早い。そういうキャラクターです。

PRISM TEAM

 ローラ以外は優等生ぞろいのチーム。ろ、ローラも黙ってさえいればいい子だから・・・。
 それぞれ特別な絆で結ばれたパートナーがいる4人。誰かを信じるということのステキさを知る彼女たちは、謎の妖精のプーカと道をともにし、自己嫌悪に苛まれている彼の心を優しく癒やします。

キュアプリズム / 虹ヶ丘ましろ

活躍した作品ひろがるスカイ!プリキュア
口上「ふわりひろがる優しい光! キュアプリズム!」
出自人間(両親と離れて暮らしている)
初変身の理由恐怖に身を震わせながら戦っているヒーローを隣で支えるため
大切にしていること誰かのためになれることならどんな苦労も厭わない
かわいいところツッコミを入れながらも場の空気にはちゃっかり適応するタフな性格

 ソラの大切な友達。「友達が傷つくのが怖いから一緒に戦わないでほしい」と言われたときそのお願いを正面から突っぱね、友達だから一緒に戦うんだと言って譲らなかった相当なガンコ者です。優しい子なんです。そして一度その優しさを行使すると決めたなら何が起きようと絶対に最後までやりぬく、タフな精神の持ち主でもあるんです。
 誰よりも普通の日常に根ざした子であり、それでいて誰よりも精神的にタフだという安定感が、たびたびソラの心を救ってきました。
 ソラと初めて出会ったとき、彼女が恐怖で身を震わせ、肉体的にも精神的にもボロボロになりながら、それでもエルちゃんを守るために戦いぬいた勇姿を見て以来、彼女のことをヒーローとしてずっと尊敬しています。普段のましろのスタンスから見ても、あれこそがましろにとって完成された理想像だったのでしょう。

キュアラメール / ローラ

活躍した作品トロピカル~ジュ!プリキュア
口上「ゆらめくオーシャン! キュアラメール!」
出自人魚(海底王国グランオーシャンの次期女王候補)
初変身の理由大切な友達が傷つけられていたから
大切にしていること自分が認められるためならいくらでも努力する
かわいいところすぐ調子に乗って威張りちらすが、そのくせ友達や家族への愛は深い

 人魚の国を救う手段を探して人間の世界にやってきた人魚。母国の危機への対処に褒賞をせびり、何も知らない一般人を目的のために利用するという、明らかに性悪なトラブルメーカーなのですが、本人もちゃんとやることやったうえで図に乗っているので怒るに怒れないという厄介な人物です。自身がナチュラルに努力家なぶん友達にも日常的に努力する子を好む傾向があります。まなつとか。
 ちなみに打算的な性格かというと全然そんなことはなく、むしろ情は深くて、ウジウジしている人がいたら見捨てるのではなくキレぎみにアドバイスするタイプです。
 仲よくなったまなつたちと一緒に同じことをしてみたいという個人的な理由だけで人間の足を手に入れました。そういう経緯なのでプリキュアに変身したときも好んで足技をよく使います。さすが人魚姫。

キュアフィナーレ / 菓彩あまね

活躍した作品ひろがるスカイ!プリキュア
口上「ジェントルにゴージャスに、咲き誇るスウィートネス! キュアフィナーレ! 食卓の最後を、このわたしが飾ろう」
出自人間(一時は洗脳されて悪の手先になっていた)
初変身の理由一度は諦めかけた幼いころの夢、パフェみたいに誰もを笑顔にできる人になるため
大切にしていること生真面目すぎて融通が利かない自分を見守ってくれる、周りの人たちからの信頼
かわいいところふたりいるお兄さんから溺愛されすぎて困っている

 プリキュアには珍しく「正義」という言葉をよく使った人物です。
 元々生真面目で責任感が強い性格だったところ、洗脳されて悪の手先になってしまうという理不尽な不幸に見舞われたせいで、罪の意識に長く苦しんだ子でもありました。
 彼女の心を救ったのは周りの人たちの温かさ。やたら率先して苦労を背負い込みたがる彼女の周りには心配してくれる友達や家族が大勢いてくれました。あとはあまね自身がそれに気づくだけ。そして自分を許すだけ。
 正義は正義でも、彼女が口にする正義とは正しさと悪さとで物事の評価をばっさり切り分ける二元論。頑迷で潔癖な唯一性の価値観。彼女はそういうひとつの尺度だけでは救われない人がいることを身をもって学んだわけです。

キュアグレース / 花寺のどか

活躍した作品ヒーリングっどプリキュア
口上「重なる二つの花! キュアグレース!」
出自人間(長いあいだ入院生活を送っていた)
初変身の理由病気から救ってくれたお医者さんのように、今度は自分が誰かを救える人になりたかった
大切にしていること他人だけでなく、みんなが大切に思ってくれる自分のことも大切にする
かわいいところいつもにこにこ、ふわふわほのぼのしている

 とても理不尽な理由から長いあいだ病気に苦しめられていた悲運の少女。それでいて、そんな不幸のさなかでも心折れることなく人生の糧を拾いあげてきた強かな戦士。
 ただ病気を治すだけでなく、苦しいときの心の支えにもなってくれたお医者さんに憧れました。その結果、本来なら大人が子どもに向けるからこそ許される無制限の献身を、子どもの身でありながら身のまわりのあらゆる対象に向けようとする少し危うい子になってしまいます。最終的には自分に対しても優しくならなければならないことを理解し、バランスが取れるようになるのですが・・・。
 映画作品出演の際は手厳しい現実から解放され、彼女の本質である底抜けの優しさ、救いを拒絶する人にそれでも手を差しのべようとする芯の強さを素直に発揮できるようになります。

WING TEAM

 冷静に振りかえると道程の大半をはーちゃんの魔法が支えていたチーム。お城の最奥到達一番乗りだったあたりその機動力の高さが窺えます。(お城突入は一番遅かったはずだけど / さては窓から侵入したな?)
 “夢”について一家言ある2人と、“友達”について特別な思い入れがある2人(+エルちゃん)。だけどいざ語ってみれば、お互いどちらの思いもよくわかったりして。

キュアウィング / 夕凪ツバサ

活躍した作品ひろがるスカイ!プリキュア
口上「天高くひろがる勇気! キュアウィング!」
出自プニバード族(異世界スカイランドの鳥種族)
初変身の理由護衛の自己犠牲を許さなかったせいで捕らえられてしまったプリンセスの気高さに報いたかった
大切にしていること夢叶えたあとも冷めることのない知的探究心
かわいいところ普段は紳士的なのに子ども扱いされるとすぐムキになるところ

 プニバード族という、人間の姿に変身できる代わりに空を飛ぶことができない小鳥の男の子です。主要キャラクターとしては史上初の男子プリキュアですね。
 「自分の力で空を飛びたい」という夢を持ちながらストーリー半ばでその夢を叶えてしまうという、珍しい展開が進行中です。種明かしするなら、ひとつの夢を叶えたあとでも次の夢を叶えるためにこれまでの努力はムダにならない、という話をするためのストーリーではあるんですけどね。現在次の夢を模索中の身の上なため、今回の夢語りには参加しにくい難儀な立場になってしまいました。
 全体的に献身的な活躍が目立つプリキュアです。エルちゃんのナイトを自称している割にこっちは将来の夢に繋げる気配が無いあたり、つくづく自然体で影から人を支えるのが好きな子なんだと思います。

キュアアンジュ / 薬師寺さあや

活躍した作品HUGっと!プリキュア
口上「みんなを癒やす! 知恵のプリキュア! キュアアンジュ!」
出自人間(大女優の娘)
初変身の理由なりたいものがはっきりと思い描けない自分の将来を、それでも応援してくれた友達を助けるため
大切にしていることいろんな人が自分に向けてくれる期待に精一杯応える
かわいいところやたらと多趣味多芸で、変なところにオタク的な深い思い入れを発揮する

 ストーリーが進むにつれてどんどん変なキャラ付けが増えていく傾向にある青いプリキュアのなかでも際立って変人だった子。(最初から変だった子は除く)
 ずっと自分の将来に悩んでいた子でした。お母さんがとても有名な女優で、最初はその後を追うように芝居の道に進み、自分でもちゃんと手応えを感じていたのですが、あるときお医者さんの仕事を見学する機会があって憧れるようになり、そのまま路線変更しました。誰もが羨む複数の才能の間で揺れ動き、悩みつづけた子。おそらくは女優とお医者さん以外にもたくさんの職業について情報収集していたのでしょう。気がついたらなんか変なところに反応してひとりで興奮する、雑食オタクみたいなキャラになっていました。
 あとバリアがすぐ割れることでもよく語り草になっていた子でもあります。

キュアフェリーチェ / 花海ことは

活躍した作品魔法つかいプリキュア!
口上「あまねく生命に祝福を! キュアフェリーチェ!」
出自赤ちゃん妖精(地母神マザー・ラパーパの力の継承者)
初変身の理由育ての親である他のプリキュアたちと一緒に戦いたかったから
大切にしていること大好きな人たちとの楽しい毎日をくれた世界に感謝し、今は自分が世界中みんなを祝福している
かわいいところ見た目よりも中身はさらに幼く、いつもニコニコ元気いっぱい

 生まれつき自在に魔法を使いこなすことができた天真爛漫な女の子です。最初「はーちゃん」という名前をもらい、後付けで「ことは」と名乗るようになりました。
 現シリーズの『ひろがるスカイ!プリキュア』同様、プリキュア同士で家族のような深い絆を結んでいました。彼女たちの場合は様々な事情から常に引き離されてしまう危機に晒されていて、そのたびに「ずっと一緒にいたい」という思いを訴えて周りの大人たちからの協力を取り付けていました。
 そんな大人たちのたくさんの優しさ、言い換えるなら祝福を受けられたことに感謝し、彼女はやがて神にも等しい力に目覚めてから、今度は自分がみんなに祝福を与える側に立つようになります。自分たちのいる世界がたくさんの人の優しさによって守られている、子どもたちはみんな幸せに生きることを望まれている、そういうことを誰よりも深く実感しているプリキュアです。
 ちなみにこっちのバリアは歴代でも屈指の高耐久です。

キュアフローラ / 春野はるか

活躍した作品Go!プリンセスプリキュア
口上「咲き誇る花のプリンセス! キュアフローラ!」
出自人間(名門校に入学した一般人)
初変身の理由友達の夢を奪い、愚弄する悪党から夢を取り戻すため
大切にしていること「プリンセスになりたい」という叶うはずのない夢を本気で叶えようとしている
かわいいところ褒められたら素直に顔に出して喜ぶところ

 今作の監督でもあるタナカリオンがシリーズディレクターを務め、要所要所でとても見応えのあるアクションシーンを盛り込んでいた『Go!プリンセスプリキュア』の主人公。パンチしてもキックしても花びらが舞い上がります。
 プリンセスというモチーフにそぐわず泥臭いまでに努力する姿を前面に押し出した作風でもありました。はるかの夢である「花のプリンセス」というのは愛読書の主人公のこと。普通に考えたら叶うはずがありませんが、彼女はこの夢を本気で叶えようとし、そのためにハイソサエティな私立女学園に単身入学、プリキュアにまでなって、まさしく全人生を賭けて自分を磨きつづけることをライフワークとしました。「夢は、君の全部なんだね」という名ゼリフがそのまま彼女の全てを言い表しています。
 努力してきた自負があるから誇り高く、努力に見合った成長をしつづけ、ともに努力する姿を見てきたからこそ仲間と深い信頼関係が結ばれる。なんというか、マッシブな少女です。

キュアマジェスティ / エルちゃん

活躍した作品ひろがるスカイ!プリキュア
口上「降り立つ気高き神秘! キュアマジェスティ!」
出自一番星に遣わされた救世主(スカイランド王家の養子)
初変身の理由誘拐された自分を救出するため家族が傷つけられるのが嫌だった
大切にしていること家族でありヒーローでもあるプリキュアたちに強く憧れている
かわいいところ赤ちゃんながらオシャレには人一倍こだわりが強い

 外見年齢最年少記録を大きく更新した1歳児プリキュア。(実年齢だと0歳0ヶ月がいる)
 スカイランドのプリンセスということでこの年齢にして聡明かつ慈愛にあふれ、プリキュアとして覚醒する前から苦しい戦いのたびにソラやツバサたちの心を支えてきました。反面、日常生活では見た目通りの赤ちゃん。ワガママを言ってみんなを困らせることもたくさんあります。動物や幽霊に物怖じせず心通わせられる感受性の高さも特徴のひとつ。
 古から伝わる伝説によると、どうやらスカイランドを破滅の危機から救うため天から遣わされてきた存在らしいですが、そういう世界の都合なんてどこ吹く風。エルちゃん自身はあくまで自分の家族を守るためにプリキュアに変身します。ロールモデルももちろん家族。
 子どもらしからぬ王者の風格と、子どもらしい等身大のスケール感。その二面性が彼女らしさです。

BUTTERFLY TEAM

 一応全員何かしらの意味では大人なはずのチーム。だけど最強の保育士さんに歴代の問題児たちをまとめて押しつけたような構成のチーム。このメンツで割と平気そうな顔をしていたあげはの器の大きさはおかしい。
 プリキュアだってときには失敗もします。そして、失敗からこそ得られるものだって、あるんです。

キュアバタフライ / 聖あげは

活躍した作品ひろがるスカイ!プリキュア
口上「アゲてひろがるワンダホー! キュアバタフライ!」
出自人間(成人した専門学校生)
初変身の理由最強の保育士を目指す身として、小さな子を泣かせる悪党を退治したかった
大切にしていること人生には辛い瞬間が不可避だと知っているからこそ、子どもたちの日常に寄り添い笑顔を増やす仕事がしたい
かわいいところ一生懸命な年下の子を見つけるとかわいがらずにいられない

 日本国の成人年齢が18歳に引き下げられたことにより、主要キャラクターとしては史上初の成人プリキュアだと話題になりました。ちなみに以前までの最年長記録は17歳だったので、記録の更新幅はそれほどでもありません。
 スチャラカでアゲーな言動に反して大人らしい責任感と思慮深さ、面倒見のよさがあり、年下のプリキュアたちにもよく信頼されています。最強の保育士さんを目指しているだけあって性格はきわめて穏やか。子どもたちにワガママを言われて感情的になったことがありません。
 大の子ども好きでもあるのですが、これは小学生くらいのころひとりで泣いていたとき、自分よりもさらに年下のましろに慰めてもらったことがきっかけ。単純な庇護欲ではなく、子どもに対する畏敬の念も合わさっているわけですね。

キュアミルキー / 羽衣ララ

活躍した作品スタートゥインクルプリキュア
口上「天にあまねくミルキーウェイ! キュアミルキー!」
出自宇宙人(13歳から大人と見なされる惑星サマーン出身)
初変身の理由劣等感の強さからすぐ諦めがちだったところ、友達からの叱咤で自分のやりたいことに素直になった
大切にしていること自分を認めて自信をつけさせてくれた人たちへの感謝、友情
かわいいところ「オヨー!」「ルン?」など、口癖がいちいちあざとい

 あざとかわいさの塊ながら、性格的にいろいろと苦労が多かった宇宙人の女の子。ぶりっ子ではありません。むしろ固すぎるくらい生真面目です。それでいてドジっ子。
 優秀なお兄さんがいる関係で劣等感が強く、背伸びしてことさらに大人ぶろうとする悪癖があります。勝手に自己評価を低くして、勝手にひとりで落ち込んでいくタイプの苦労症。ちゃんと胸を張って前を向いていればお兄さんにも負けないポテンシャルがあるのですが。
 型にハマらないタイプの人全般と相性が悪く、よくキーキーと口やかましく怒っていますが、これは相手のことを心配している気持ちの裏返し。基本的にお人好しで情が濃く、しかもみんな独り立ちしていて当たり前な文化の惑星で育ったため、ちゃんとしていない人を見ていると不安な気持ちでいっぱいになるんですね。

キュアマカロン / 琴爪ゆかり

活躍した作品キラキラプリキュアアラモード
口上「美しさとトキメキをレッツ・ラ・まぜまぜ! キュアマカロン! できあがり!」
出自人間(学校内にファンクラブがあるお姉様)
初変身の理由万能の天才ゆえ日々にむなしさを感じていたが、一筋縄ではいかない友人と本気になれる趣味に出会い、守りたいと思った
大切にしていること臆病な自分にグイグイ距離を詰めてきて、心の壁を壊してくれた友達との関係
かわいいところ真剣なのかふざけているのかわからない飄々とした態度

 一言でいうならノラ猫の擬人化。それもノラなのに妙に毛艶よく、撫でようものなら爪を出して引っかいてくるタイプ。プリキュア史上でも屈指の面倒くさい性格をしたお姉さんです。
 心許せる友達はごく少なく、そのなかでも悩みをうち明けられる相手はさらに限られ、主人公のいちかとヅカ系王子のあきらだけ。輪をかけて面倒くさいことに、この2人になら自分から積極的に悩みを相談しにいけるというわけですらなく、単にこの2人の場合はゆかりが口を割るまで許してくれないから正直にならざるをえないだけだったりします。そういう友達がいるおかげでちゃんと本人も救われているというのがまた・・・。
 ひとりで黙って泥沼に沈んでいく悪癖にさえ目をつぶれば、万事ソツなくこなすホンモノの才女であり、冷静沈着、心の機微にも聡い、誰もが憧れる超然とした人物です。彼女と対等に向きあうつもりなら過干渉なくらいでちょうどいい。押せ押せ。

キュアアース / 風鈴アスミ

活躍した作品ヒーリングっどプリキュア
口上「時を経て繋がる二つの風! キュアアース!」
出自地球の意志によって生まれた風の精霊のような存在
初変身の理由生まれて初めて獲得した感情に突き動かされ、生まれ持った使命よりも大切な人の希望を優先した
大切にしていること最初に学習した人間らしい感情、「大好き」
かわいいところ落ち着きがあり一見大人びて見えるが、情操面は0歳児

 プリキュアの追加戦士はみんな大なり小なり特殊な事情を抱えているものですが、彼女はそのなかでも特に変わり種。ヒーリングアニマルのラテを保護するためだけに生み出され、最初はそれ以外に興味も、関心も、感情さえもありませんでした。過去作に存在したアンドロイドのプリキュアですら自分の意志を持っていたのに対し、彼女の創造者はその点徹底していたのでした。
 護衛対象のラテに自分の安全よりもプリキュアと一緒に戦うことを優先したいと抵抗されて、アスミという存在は自己矛盾を起こします。このときアスミが頼った“使命以外の”判断基準が、ラテへの愛着。自分の使命遂行よりもラテの希望を優先した彼女の心に、このとき「大好き」という初めての感情が芽吹いたのでした。以後、彼女は「大好き」の心地よさを下敷きにしてひとつずつ他の感情も理解していきます。

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