キュアップ・ラパパ! みんなが早く大切な人と会えますように!
Side PUCA
大きな出来事3
メインキャラクター:プーカ
目標
何もない。
課題
プーカはシュプリームがプリキュアを考察するために生み出した擬似妖精である。しかしそのシュプリームに気に入られず、プーカは自身が存在する理由を一瞬で失ってしまった。シュプリームに分け与えられえた破壊の力は触れるもの全てを壊してしまい、プーカにとっては非常に不便なものだった。万一シュプリームに見つかることがあれば殺されてしまうだろう。
今プーカのもとにあるのはことごとくネガティブな要素ばかり。何かをしようと思える動機すら持てず、プーカはただ自分を振りまわしつづける運命の流れに身を委ねていた。
解決
プーカの力を恐れず手を握ってくれる優しい人たちがいた。
プーカの言葉もわからないのに思いやってくれる人たちがいた。
プーカが何度迷惑をかけても笑って許してくれる人たちがいた。
彼女たちはプリキュアだ。シュプリームがこの世で唯一興味を持ち、そして今、シュプリームに再び滅ぼされようとしている。
彼女たちのため、彼女たちの世界を元に戻すため、そして彼女たちとともにシュプリームに挑むため、今、プーカにはできることがあった。
プーカがプリキュアに変身すると、不思議なことにその姿はキュアシュプリームそっくりだった。プーカはそれで自分が何をしたかったのかようやく理解した。
プーカはそれでも、シュプリームと手をつなぎあいたかったのだ。
壊れるものばかり
「お前、ボクの力を分けてやったはずなのになんで戦わないの? 弱くて、臆病で・・・。もういいや」
プーカが己の存在意義を喪失した瞬間でした。
プーカはプリキュアの妖精を模してつくられた存在でした。
パートナーとなるべきだった相手はキュアシュプリーム。しかし、彼はプーカが気に入らなかったようです。もう一緒にいることはできません。このままここにいては殺されてしまう危険すらありました。
プーカが生み落とされた世界は実験場でした。
シュプリームがプリキュアを理解するためだけに創造した壮大なシミュレーション環境。従って、この世界で“使命”と呼べるものを持ちあわせているのは唯一、キュアシュプリームだけ。
多くのプリキュアの場合、戦う理由は妖精によってもたらされます。重要な使命を帯び、それでいて戦う術を持たない妖精がプリキュアを頼る。そこから物語が始まります。
しかし、プーカとキュアシュプリームの間において使命を持っているのはキュアシュプリームのほうで、戦うのもキュアシュプリーム。プーカの存在意義は最初からここに存在していなかったのでした。
なぜ生まれてきてしまったのでしょうか?
どうすれば疎まれずに済んだのでしょうか?
プーカにはわかりません。何も教えられていません。
そしておそらくは、創造主(シュプリーム)自身にも深い考えはありません。
ただのお試し。
実験の一環。
検証すべき数多の可能性のうちのほんのひとつ。
プーカがこの世界に生まれてきた理由なんて、きっとその程度のものでした。
さあ。どう生きましょうか?
あなたは自由です。
生まれてきた理由はなく、果たすべき使命もなく、負うべき責任もなく、足どりを合わせるパートナーもなく、頼るべき仲間もいなく、助けを求める声はなく、進みたい道などなく、何かを為すための力もなく、目指すべき未来も何も見えない。
あなたは自由です。
なぜならあなたはこの世界に不要な存在だからです。
どこに行ってもいい。何をしてもいい。ただし、どこで何をしようと、どうせあなたは何者にもなれません。
冷たい目をしたキュアシュプリームの顔が思いだされます。
蔑むような、失望したような、あるいはひどくつまらないものを見るような。
それが、プーカがこの世に生を受けてから唯一、自分以外の誰かから与えられたものでした。
ありがとうより深いキモチ
「すごい・・・」
「あなた、いったい何したのよ」
「だから手をつなぎたがらなかったのか」
それから、プーカは偶然出会ったプリキュアたちと一緒に旅をしていました。
彼女たちは優しかったから。
キュアシュプリームのように何かを求めてくることはなく、無闇に事情を聞きたがることもなく、言葉が通じないことすら気に留めない人たちでした。
シュプリームの不興を買ったプーカはアークの手先に狙われています。けれど喜んでいいものかどうか、キュアシュプリームと同じプリキュアという存在である彼女たちもまた、最初からアークの手先の攻撃対象でした。その意味ではあまり迷惑をかけずに済みます。役にも立てないけれど。
旅の途中、ひとりの妖精と合流しました。ラビリンという名前だそうです。プリキュアのひとり、花寺のどかにとっての特別なパートナー。
プーカたちが電車に飛び乗るときラビリンは勇気ある活躍を見せました。ひとり遅れ気味だったのどかのためとっさに飛び出し、手をつかみ、みごと彼女の体を電車のなかまで引き込みました。
涙を浮かべながら再会を喜びあうラビリンとのどか。彼女は必要とされる存在でした。誰かにその存在を望まれるだけの理由を持っていました。・・・プーカと違って。
フラッシュバック。
気がつくとプーカたちは線路の上に転がっていました。どうやら普段何の役にも立たない破壊の力がこういうときに限って暴走してしまったようです。
普段何の役にも立たない、だなんてまるきり自分の存在そのもの。役に立たなくても迷惑もかけなかったから辛うじて邪険にされなかったんです。それなら――。
「どうやらワケアリのようだな」
「私たちだってワケアリよ」
・・・それでも、彼女たちはプーカを見捨てませんでした。
まるで気にするようなことなど何も起こらなかったかのように、全くの自然体で、プーカのもたらした災難をさらりと受け流していました。
誰のため?
きっとプーカのため。
何のため?
それはわからない。だって、なんのお返しもしてあげられない。「ありがとう」の一言すら伝えられないのに。プーカは何もできない存在なのに。
これがプリキュア。これが本物のヒーロー。
これが、シュプリームが目指しているもの。
「――大丈夫。大丈夫って、言ったでしょ。事情はわからないけど怖かったんだよね」
信じられないくらい優しい人たちでした。
どうしてこんなことができるのでしょうか?
わかりません。わかりません。わかりません。意味がわかりません。
シュプリームが研究したがるわけです。それだけのことがある不思議な人たち。
だってこんなの、知りたくなる。
もっとずっと、近しくなりたくてしかたなくなる。
どうしたらこの人たちみたいになれるんだろう?
どういうふうに生まれたら、どんな使命を持っていたら、誰と出会っていたら、何を目指していたら、あるいは、どんな力を持っていたら・・・?
「よろこびを、きらきら。抱きよせて、ひらひら。はじめての愛をつかむような気持ちで」(エンディングテーマ『うれしくて』)
もし、仮に、もしかしてだけど、いつか自分もこの人たちみたいに暖かくなれるとしたら。そのためにプーカにはいったい何ができるでしょうか?
わたし達はひとりじゃない
「そっか――。それだよ。何故かはわからない。でも、理由がある。理由があるから戻ってこれたんだよ」
プリキュアたちは一度消滅させられました。だけどどういうわけかもう一度この世界に復活しました。
それはプリキュアが諦めなかったからこそ起きた奇跡だったのかもしれません。
あるいは、創世者たるシュプリームが無意識にその存在を渇望していたのかもしれません。
それともあるいは、彼女たちがこの世界に必要とされていたから・・・?
ここにいることには何か理由があるんだそうです。
その理由が何なのかは誰にもわかりません。ただ、今ここにいるという現実があるだけです。
プリキュアも。
そして、プーカも。
きっと、みんな必要だからこの世界に現れたのでしょう。
「――この力は嫌いプカ。でも、この力で誰かを助けることもできるって、やっと気づいた!」
さあ。どう生きましょうか?
あなたは自由です。
生まれてきた理由はなく、果たすべき使命もなく、負うべき責任もなく、足どりを合わせるパートナーもなく、頼るべき仲間もいなく、助けを求める声はなく、進みたい道などなく、何かを為すための力もなく、目指すべき未来も何も見えない。
あなたは自由です。
何のしがらみもなく身ひとつでこの世界に生まれてきました。
だから、そういう難しいの全部、自分で決めちゃっていい。
「なんでもできる、なんでもなれる。自分を信じて!」
みんなを応援する元気のプリキュア、キュアエール / 野乃はな。彼女が一番最初に応援したのは自分自身でした。
学校でいじめられて、友達も味方も全部失って、もう自分の正しさすら信じられなくなって。逃げるように別の学校に転校してきました。彼女にはもう一度立ち上がる勇気が必要でした。自分はまだがんばれるんだって、今からでも自分を誇れる大人っぽいイケてるお姉さんになれるんだって、なるんだって! 信じて背中を押してくれるエールが必要でした。
だから、フレフレ私! がんばれがんばれ私!
転校先でもみんながみんなはなの応援を好ましく思ってくれる人ばかりじゃなくて、応援さえしていれば何でもできるようになるわけでもなくて、再スタート後にもたくさん傷つく出来事はありました。それでも同時に、はなの応援を喜んでくれる人たちもまた少なからず存在していて、はなにはまたかけがえのない友達ができました。
プーカにもある過去の記憶。
襲い来る影。自分の何倍も大きくて、何倍も素早くて、きっと何倍も強いであろうアークの手下。そのピンチから助けてくれた、キュアシュプリーム。
彼はそんなつもりじゃなかったのでしょう。そのすぐ後にあの冷たい目を向けてきました。
だけどあの瞬間ばかりは本当にうれしかったんです。まるでヒーローみたいにカッコよくて、ああ、この人が自分のパートナーなんだなあって。
「なぜボクがこの姿をしているのか、・・・今はわかる気がするプカ」
呪わしい記憶。
あの一瞬プーカが夢見た未来は何もかも勘違いで、デタラメで。
だけど、そう。
「私たちの明日は自分たちで決める!」
「何度倒れても絶対に諦めない!」
プーカは自由でした。
何を目指したっていいし、どんな人に憧れてもいい。誰を好きになったって構うものか。
強さだけが自分の存在証明だったにも関わらず、自分よりも弱いプリキュアに憧れて変わりはじめた怪物がいたように。
世界が消滅するほどの大激戦のあと、気が抜けるくらいのほほんと敵を友達として迎えてしまう日常の守り手たちがいるように。
プーカもまた――。
「はじめるプカ、ここから。もう一度。ふたりで」
それぞれ大好きな人そっくりの衣装を身に纏い、どちらも生まれたときは持っていなかった新しい憧れを胸に抱き、いつか輝きだす未来を夢見て――、今、ここから始まる、ふたりはプリキュア。
コメント
キュアシュプリームの運命は和解して生存しましたがこれに対しても厳しい意見が多いですね。「一度歴代プリキュアを全滅させた上に世界を一度破滅させたのに!?」など…。こんな事になるなら同じ「悪役プリキュア」としてコースが「ハートキャッチプリキュア」のダークプリキュアと逆だったら良かったのに、と思いました。キュアシュプリームが倒されて消滅、ダークプリキュアが和解して生存、だったらよかったのに。
インターネットには一定数血を浴びたくて仕方ない残虐な正義マンが住んでいるようなので、そこらへんの意見はまともに受け取らないほうがいいと思います。