生徒役:電脳少女シロ、猫乃木もち、八重沢なとり
ちょっと待って! 何で今出そうとしたやつを一回服(の話題を)経由したらもう使わなくなるんですか。
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↓レジュメがガチなことで知られる私立ガリベン大学↓
出演バーチャルYouTuber
電脳少女シロ
「趣味は人を追い詰めることです!」
女子高生(1人は中学生)たちに先輩として慕われる偉大な1歳児。夢はアイドルとして武道館ライブをすることだったか電柱みたいに大きくなることだったか魔法少女になることだったか。
やたらと語録が豊富、そしてやたらと逸話も豊富。というのも彼女は多趣味・多芸なうえ、やたらと柔軟な発想力も持ちあわせ、ついでに傍若無人な性格なため、自由にさせると大抵常人に理解できない奇矯な言動をしはじめるからです。彼女の動画を見てなんともいえない気持ちになったときは「シロちゃんの動画は為になるなあ」と、とりあえず納得しましょう。彼女はあなたが為になることを望んでいます。
まるでアブない人のようですが、そして実際アブない人なのは確かなのですが、こう見えて彼女は共演者をよく見ています。聡明です。共演者の対応力を推し測り、ギリギリ捌ききれる程度のムチャ振りを仕掛けるのです。きわめてタチが悪い。
猫乃木もち
「え、すごーい! かわいいー!」
私立ばあちゃる学園アイドル部に所属している17.001歳(公式設定)。衣装を見てわかるとおりセクシーでギャルちっくなキャラクターですが、言動を見てわかるとおり清楚で乙女チックなキャラクターでもあります。
彼女の人気を確立したのはホラーゲーム実況。用意されたトラップことごとくに引っかかっては絹を裂くような美しい悲鳴を上げつつ、それでいて謎解きはスムーズにすいすい解いていくという、ホラーゲーム実況のお手本のようなプレイスタイルです。猫耳と人間の耳の両方を持つ、いわゆる四つ耳属性というやつですが、猫耳の方はなんか朝起きたら生えてたというふわっとした設定であって別にケモノキャラというわけではありません。3ヶ月前なぜか尻尾も生えました。
陽気で物怖じしない性格、趣味は野球観戦と猫を愛でること、歌唱力に類い稀な才能があり、ついでにセクシー(というかフェチズム)路線にも理解があるという、おおよそオッサンの夢を詰めこんだようなキャラクターとなっています。
八重沢なとり
「電磁波の乱れは心の乱れかもしれませんよ」
私立ばあちゃる学園アイドル部に所属している17.001歳(公式設定)。極限まで丈を詰めたミニスカートを履いていながら、そんな自分を棚上げして学園の風紀を正そうとする風紀委員長であり、つまりはあえていうまでもなく愛すべきいじられキャラ。
彼女の最大の持ち味はなんといっても親しみやすさでしょう。イラストが上手かったりリズム感が優れていたり、何をやらせても器用にこなす優等生のはずなのですが、なぜだかいつも隙だらけ。自分から罰ゲームを提案しておいて、いざ罰を受ける段になるとぶーたれてみせたりね。おかげで視聴者からの反応のたぶん8割くらいはツッコミとイジリになっています。アレですね。誘い受けってヤツですね。
今回ちょいちょい唐突で意味のわかりにくい発言をしているんですが、実はこれ普段使い慣れている語録を多用しているせいだったりします。慣れないテレビでのお仕事をする不安感と戦うため普段の視聴者とのやりとりに縋っているようで、これはこれで愛おしい。(深読みしすぎ)
授業構成おさらい
超難問:オーロラは日本で見ると何色に見える?
今回の授業では日本からオーロラを見るというキャッチーなシチュエーションを起点に、なぜオーロラが極地に発生するのかを学び、さらに可視光のスペクトルについて学習を発展させました。
トピック1:オーロラとは何か
そもそも日本人にとってオーロラはなかなか見る機会のない気象現象です。名前を知ってはいてもなかなか身近なイメージのないオーロラというものに親しむことから始めました。
とりあえずアラスカでならオーロラを見られること、地上から見たオーロラが緑色であることを確認したうえで、しばらく雑談をしながらオーロラのイメージをふくらませていきました。
トピック2:プラズマ
オーロラに対する好奇心がうずいてきたところで、次はオーロラの発生原因が太陽から飛んで来るプラズマであるという話をしました。
このトピックで重要なことは2点。1つはプラズマを飛ばす太陽フレアの活動は普段は小さな爆発にとどまるのですが、ときおりとてつもなく大きな爆発になることもあるということ。もう1つは地球に飛んでくるプラズマが多ければ多いほどオーロラも大きくなるということでした。
電脳少女シロが喩えたように、「太陽のくしゃみが地球に降りかかっている」というイメージで考えるとわかりやすいでしょう。
トピック3:地球バリア
3つ目のトピックでは、なぜオーロラが極地でばかり発生するのかメカニズムを解説しました。
地球に向かって飛んで来たプラズマは、まず地球の磁場によって北極と南極に吸い寄せられ、その後大気圏中の酸素や窒素分子と衝突してエネルギーを放出します。この衝突の際に生じる光が、私たちにはオーロラとして見えるということです。
もし地球に磁場や大気圏が無かったとしたらプラズマはそのまま地表に降り注ぐでしょう。そうなった場合、プラズマは磁気嵐などの甚大な災害を引き起こすことになります。これを防いでくれているという意味で、ここでは“磁場”や“大気圏”は地球を守るバリアなんだと表現されました。
トピック4:7色の秘密
最後は可視光のスペクトルに言及し、いよいよ日本から見るオーロラの色について回答を出しました。
人間の目には虹が7色に分かれて見えるように、オーロラが大気圏に衝突して出す光は高度の低いところが緑色、高いところが赤色に見えます。緑と赤、オーロラは通常2色構造をしているわけです。
ところで地球は丸い形をしています。このため、普通なら日本から北極の空は地平線に遮られて見ることができません。
しかし大きな太陽フレアがあったときは通常より多くのプラズマが地球に飛んで来るため、オーロラも高度500km級の巨大なものが形成されます。この巨大なオーロラなら日本からでも地平線を越えて見ることができ、しかしそれが高度の高い一部分のみであるため、日本からはオーロラが赤1色に見えるということになります。
回答:赤色
感想
この番組の授業構成って面白いですね。
前回の「なんでエベレストは重いのに沈まないの?」もそうでしたが、授業テーマは今回も相変わらずアカデミックで、専攻生でもない普通の生徒にはそもそもピンと来ない問いでした。
「オーロラは日本で見ると何色に見える?」
いや、そんなこと言われても。(北海道北部の一部地域を除いて)そもそもオーロラを見たことのある日本人ってほとんどいないんじゃないでしょうか。
「え、日本で見えるの?」
おそらくこの番組を見ている大多数の人は猫乃木もちのような反応だったと思います。(私もド文系なので同じ気持ちでした)
ただ、この授業ではテーマをアカデミック(“超難問”というだけある)にしている分、前回も今回もトピック1でトークを長めに取っているんですね。
ぶっちゃけ「病み上がりのときの視界」だの「オーロラソース」だのといったバカ話は今回の授業テーマに一切関係ありません。単にオーロラという言葉を使って遊んでいるだけです。
ですが、このどうでもいいバカ話を挟んだおかげで、私たちにもなんとなくオーロラというものへの興味が湧いてくるわけですよ。普通の人にとって全然取っかかりのないアカデミックな話題に、ここで初めて好奇心というフックができるわけですよ。
そういえば大学で教育学の講義を受けたときこういう授業構成のテクニックが出てきた気がするー。
そのうえでトピック2、3、4と一見それぞれ関連性のなさそうな情報を散りばめておきます。そして最後に全部出そろったところで、さて、これら全部が答えを導くためのヒントだったんですよ、と明かされる構造になっているんですね。
勘のいい生徒なら最後の説明を聞かなくても、まるでパズルを組みあげるように、ちゃんと自力で答えにたどり着ける構造になっています。
「もし地球が平らだったらオーロラは全部見えますが、地球は丸いので、さすがに北極の空にあるオーロラは地球が丸いと上しか見えないんですね」
「そーっかー!」
「となると、上の色は何色でしたっけ?」
「赤ー!」
たとえばこの場面で一足先に「そーっかー!」と感嘆の声を上げていた電脳少女シロのように。
これ、勉強する醍醐味のひとつですよね。超気持ちいい。
最初に授業テーマに対する好奇心を刺激して、最後に自力で答えを見つける達成感を味わわせる。
主体的に勉強に取り組む楽しさを全力でプッシュする授業構成になっているんですね。なんとうらやましい。
私が通っていた高校なんて詰め込み型の授業をする先生ばっかりだったんで、先生の話はガン無視して、ひたすら教科書の授業範囲外のページを勝手に読んでいましたよ。そうしてないと退屈すぎて寝ちゃうから。意外と教科書って「どうしてそうなるか」の理屈がちゃんと書かれていたりするんですよね。
今回の生徒役である猫乃木もちと八重沢なとりは、前回生徒だったヤマトイオリや神楽すずと性向が異なり、よくいえば優等生タイプ、悪くいえばあまり突飛なことをしないおとなしい子たちです。(というかあのふたりが色々と豪胆すぎるのですが)
電脳少女シロは破天荒なキャラクターではありますが空気を読むので、「太陽のくしゃみ」のようないい感じの補足は出すものの、前回の神楽すずのような授業の流れを壊しかねない危険球は投げません。
予想どおり前回の授業とはだいぶ違う流れになりましたね。教師が主導して当初の計画どおり進行していくオーソドックスなスタイル。
・・・でもないか。なぜか生徒役ではない小峠さんが授業の腰を折りましたっけ、そういえば。
トピック4の可視光スペクトルのくだり、あれおそらく本来は「プラズマが窒素分子と衝突すると緑色の光を発し、酸素分子と衝突すると赤色の光を発する」って話をする計画だったんだと思うんですよね。(そこを説明しないとわざわざ『7色の光』というトピックでスペクトル図を見せた意味がない)
オーロラが2色構造だという話題を振って、まさにこれから詳しい話を始めようとしたタイミングで小峠さんが銀河柄のシャツをいじったので、あそこで流れが途切れちゃいました。
それが悪いって言いたいんではないんです。
結局そこを省略しても当初予定していた答えにはちゃんとたどり着いているわけですし。むしろ授業に揺らぎが生じて面白くなったくらい。先生だってイジってもらうつもりであのシャツを着ていたんでしょうしね。
ただ、しみじみ思ったんです。
授業って本当に先生と生徒が一緒になってつくっていくものなんだなあって。
テーマや各トピックの構成を分析すると、事前に用意してあった流れは前回も今回もおそらくだいたい同じだったはずなんです。好奇心を刺激して、ヒントを出して、答えに気付かせる。
ですが、前回と今回とでは授業の流れが目に見えて違っていました。前回は神楽すずが、今回は小峠さんが流れを変えました。これ面白いなあって思いました。授業ってライブなんだなあって。教師が生徒に知識を教えるだけの一方的な関係のようでいて、実は相互に影響を与えあい場をつくっていくんだなあって。
私は大学在学中に教師という仕事への興味を失ったクチなんですが、あのとき教師の道を志していたら、それはそれで想像していたより楽しいお仕事ができていたのかもしれないなあと思いました。(教員採用試験に受かるかどうかはまた別問題)
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