超人女子戦士ガリベンガーV 第3回感想 人間にムダなものなんて、ある。

生徒役:電脳少女シロ、もこ田めめめ、木曽あずき

あ、ぽっくり逝った。線香立てよう。

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→ TVerアーカイブ配信(放送後1週間限定)

→ 未公開シーンが投稿されているYouTube公式チャンネル

出演バーチャルYouTuber

電脳少女シロ → YouTube公式チャンネル

「女囚人もののドラマって結構面白いんですよね」
 
なぜか物騒な発言ばかりフィーチャーされがちな電脳1歳児。けっしてそれだけではないバーチャルYouTuber屈指のユーティリティプレイヤーなのですが、物騒なのも別に間違っていません。
 やたらと語録が豊富、そしてやたらと逸話も豊富。というのも彼女は多趣味・多芸なうえ、やたらと柔軟な発想力も持ちあわせ、ついでに傍若無人な性格なため、自由にさせると大抵常人に理解できない奇矯な言動をしはじめるからです。彼女の動画を見てなんともいえない気持ちになったときは「シロちゃんの動画は為になるなあ」と、とりあえず納得しましょう。彼女はあなたが為になることを望んでいます。
 まるでアブない人のようですが、そして実際アブない人なのは確かなのですが、こう見えて彼女は共演者をよく見ています。聡明です。共演者の対応力を推し測り、ギリギリ捌ききれる程度のムチャ振りを仕掛けるのです。きわめてタチが悪い。

もこ田めめめ → YouTube公式チャンネル

「おいしかった? ありがとうございます」
 
ぼくも大好きわたしも大好き、みんなのふわもこ愛玩動物。身内以外のバーチャルYouTuberにも抜群の認知度を誇り、たとえばマインクラフト実況中に羊が出てきたらけっこうな割合でめめめ呼ばわりされています。そして毛をむしられる。
 とにかくキャラクターとしての面白さが特徴で、第一に名前が「もこ田めめめ」。「もこ田」ときて、直下「めめめ」ですよ。めめめ。めめめめめ。はいかわいい。はいわかりやすい。見た目のデザインもふわふわもこもこの髪&シュッとしたスタイリッシュな衣装、そしてウルトラビビッドな靴下ときた。性格ももちろんこのルックスにぴったりで、天性の(ムダに湿度の高い)人なつっこさにピコピコ16bitなセンスのよさ、そしていちいち調子に乗ってはすぐ悲鳴を上げるテンドン芸。ついでに経歴までもがいちいちエモーショナルなシンデレラガール。ディズニーやサンリオのごとく、マスコットキャラクターに求められるもの全部がバランスよくまとまっているキャラクターです。いるだけですでにかわいい。
 羊キャラらしくたいへんプレッシャーに弱いイキモノなので、長い目で見守りつつ定期的に「靴下ダサいもこ~」と鉄板ネタを振ってあげましょう。

木曽あずき → YouTube公式チャンネル

「ダンゴムシより鳥の方がよくないですか」
 
目玉と死神のモチーフをこよなく愛するアバンギャルドアーティスト。何においても基本へそ曲がりで謎に包まれた生態をしていますが、最近になってすごくかわいい思考をしていることが発覚しました。
 アイドル部で唯一編集動画を専門に活動しているキャラクターで、手描きアニメーションや一人芝居などの作品を製作しています。彼女自身は作品について多くを語りませんが、漠然とした不安や人恋しさなどがテーマとして描かれているように思います。それでいて根底ではそれなりに楽観的な性分なのでしょう、読後感は意外と爽やかだったりもします。最近は素朴感ある愛くるしい言動にも注目が集まっており、彼女を妹にしたくてたまらないオッサンオバサン&アイドル仲間が急増中です。
 口数こそ少ないものの発言をコンパクトに纏めるセンスに長けており、冷静で視野が広いこともあってか、前2回では電脳少女シロがひとりで担っていた場回し役を要所要所で任せられていましたね。

授業構成おさらい

超難問:なぜ人は手汗をかくの?

 今回は全体的にトークでの撮れ高が多かったためか、導入部分は丸ごと割愛されました。一部はYouTube公式チャンネルの方で配信されています。
 今回の超難問は手汗を通じて生物の進化と退化にスポットが当てられていきました。

トピック1:エクリン腺とアポクリン腺

 エクリン腺から分泌される汗は単純な体液の滲出で、ほぼ無臭。一方でアポクリン腺から分泌される汗にはタンパク質や脂肪が含まれており、皮膚を紫外線などから守るための機能やフェロモンによって周囲の仲間にメッセージを伝える効果などがあります。
 また、人間の汗腺の大部分がエクリン腺であるのに対し、人間以外の動物が持っているのはほぼアポクリン腺ばかりです。この違いがトピック1における重要なポイント。人間は他の動物と違って皮膚の保護機能やフェロモンによるメッセージ伝達の必要性が薄いので、アポクリン腺が減ってエクリン腺になったと説明されます。

トピック2:3パターンの汗

 発汗には大きく分けて3種類があります。
 ひとつは温熱性発汗。暑いときや運動したときにかく汗です。ひとつは味覚性発汗。辛いものを食べたときの汗です。このふたつは上がった体温を気化熱によって調節するためのものなので実質的に同じ機能とみなすことができます。
 最後のもうひとつは精神性発汗。緊張したときにかく汗です。今回のテーマである手汗もこちらに含まれます。精神状態に反応して出る汗なので体温は関係ありません。では、どうしてこんな汗をかく機能が人体に備わっているのか? その理由は次のトピックで考察していきます。

トピック3:人間の進化

 人間はピカイアから・・・とかそういう話ではなくて、サルから進化しました。
 多くのサルは樹上で生活しています。彼らがどうやって木をあんなにもスルスル登っているのかといえば、それは手汗を滑り止めとして利用しているからです。
 木登りには滑落などのリスクがあります。木登りするときはいかなサルでも緊張感を抱くことでしょう。人間が精神性発汗によって手汗をかくのはこれと同じ機能なんだと今回の授業では説明されました。

 ここで木曽あずきが「なんで人間にも必要なんですかね?」と質問します。
 教授の回答はあっけらかんとしたもので、「必要かといわれればそんなに必要ない」というものでした。ただサルから進化したときのなごりとして残っているだけなんだと。人間の体には手汗の他にも特に必要性のない機能がいくつか備わっていることを紹介して、今回の授業の締めとしました。

回答:サルのときのなごり

感想

 今回の授業も相変わらずクレバーな構成でしたね。

手汗は緊張したときに出る
 ↓
本来これは木を登るための機能
 ↓
けれど人間は木を登らない、必要ない
 ↓
実は進化のなごりが残っているだけなんだ

 基本はこういう流れでしたが、これだけでは木曽あずきが質問したように「なぜ使いもしない機能が残っているのか」という疑問が当然湧いてきます。
 ここで最初のトピック1で提示したアポクリン腺の話が効いてくるわけですね。ぶっちゃけ必要ないし、実際退化しつつある機能だけど、それでも事実としてまだ一部は残っていると。このときの話が念頭にあるからこそ、人体に不必要な機能がなごりとして残っているという説にもすんなり納得できるわけです。
 さらにもうひとつ不必要な機能の例として鳥肌を挙げたことも面白かったですね。今回の超難問は汗だけの話じゃないんだということで、学んだ知識に広がりを与えています。もっと他にも進化のなごりが色々あるかもしれないと思うとワクワクしますよね。
 この番組を見た何人かは好奇心を刺激されて自主的に学習を広げていくかもしれません。指の水かきとか、尾骨とか、意外と色々あって楽しいですよ。(←調べた)

 ほんと、つくづくいい授業だと思います。
 なんといっても学んだことの応用が利くのがすごく楽しい。結論に至るまで整然とした論理の積み重ねがあることを見ているおかげで、結論を出した先にもさらに積み重ねていける広がりがあるんだろうなと直観できるんですよね。
 実は最初観たとき、「最後の鳥肌のくだり、新しく鳥肌の話を出すじゃなくてアポクリン腺に立ち返った方が流れがきれいじゃない?」と思っちゃったんですよ。でもよくよく考えてみると、私この番組を観た直後「もしかして他にも似たようなの何かあるかなー」ってググっていました。まんまと好奇心を刺激されていました。当然のようにこれが手汗だけの話じゃないと直観していたんですよ。
 そういう自分の行動を見つめ返すと、「ああ、たしかにアポクリン腺に戻るんじゃなくて鳥肌に広げてくれてよかったなー」って実感します。微に入り細に入り色々考えられているものですね。(深読みしすぎかもしれませんが)

 今回、ひょっとしてキャストも超難問に合わせた組み合わせで呼んでいたりするんでしょうか。
 もこ田めめめは番組中でも紹介されていたとおり、なにかにつけすぐイジられる被虐体質のキャラクターです。電脳少女シロなんかは「自宅の冷凍庫に監禁していて、寝るとき氷嚢代わりに使っている」だのとサイコなことをよく口走っていたりします。視聴者からも「ぴぃぃぃぃっ」というアニメみたいな悲鳴がたいへん好評です。
 木曽あずきはデビュー第一声から「ダンゴムシを讃えよ」とつぶやいて視聴者を戦慄させた(らしい)ですね。製作するアニメーション動画も目玉や死神をモチーフに取りあげた作品が多く、少々グロテクスな雰囲気を漂わせています。
 どちらも恐怖心とか不安感とかに縁があるキャラクターなんですよね。手汗の話題からトークを広げるのにぴったり。

 「家の床があんな感じだったら面白そうだなって思いました」
 「怖いよね。あなた怖いよね。そうじゃねえかなって思ってたけど、あなた怖いよね」

 「羊とアルパカと人間が合体したキメラです」
 「あーそう、俺昨日ちょうどジンギスカン食ったんだよ」
 「やぁぁぁー! なんでー!? ・・・おいしかった? ありがとうございます」

 このあたり特に秀逸。笑いにつなげつつも、何気にいろんな方向から恐怖という感情を掘り下げていますし。
 賑やかなトークを聞きながら色々なことを考えていくのって本当に楽しい。

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