超人女子戦士ガリベンガーV 第10回感想 “かしこい”ってどういうことだろうねと考えた話。

生徒役:電脳少女シロ、夜桜たま、もこ田めめめ

私は、プールっていうよりも寝起きとかコタツ入ってるときにしたくなるから・・・。

※ 先週『傑作選』として再放送を挟んでの第10回になります。

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→ TVerアーカイブ配信(放送後1週間限定)

→ 未公開シーンが投稿されているYouTube公式チャンネル

出演バーチャルYouTuber

電脳少女シロ → YouTube公式チャンネル

「先生の腕枕でコトウゲ教官が・・・寝てください」
 
バーチャルYouTuber有数の頭脳派にしてトップクラスのクレイジー。最近は生身の人間との共演も増えてきて、自分がバーチャルな存在なのをいいことに、常識をはるか彼方へぶん投げたトンデモトークを繰り出しては真っ先にキュイキュイ笑います。
 やたらと語録が豊富、そしてやたらと逸話も豊富。というのも彼女は多趣味・多芸なうえ、やたらと柔軟な発想力も持ちあわせ、ついでに傍若無人な性格なため、自由にさせると大抵常人に理解できない奇矯な言動をしはじめるからです。彼女の動画を見てなんともいえない気持ちになったときは「シロちゃんの動画は為になるなあ」と、とりあえず納得しましょう。彼女はあなたが為になることを望んでいます。
 まるでアブない人のようですが、そして実際アブない人なのは確かなのですが、こう見えて彼女は共演者をよく見ています。聡明です。共演者の対応力を推し測り、ギリギリ捌ききれる程度のムチャ振りを仕掛けるのです。おかげでいつのまにか人脈の輪がずんどこ広がってきました。タチが悪いったらありゃしない。

夜桜たま → YouTube公式チャンネル

「え。コトウゲ先生見たいんですか、私の口の中。えー?」
持ち前の怜悧な頭脳を麻雀と戯言にしか使う気がない生徒会長兼アイドルの卵。実はひとつのものにじっくり取り組むことを好む慎重派なのですが、日頃からありとあらゆることをネット麻雀とマルチタスクしているからか、たいがいどこかでムチャします。
 バーチャルyouTuberとしてのメインコンテンツはとにかく麻雀。麻雀と名のつくものであればなんでもござれ。対局すれば4面打ちもソツなくこなし、実況すればあらゆる打牌の意図を解説することができます。その一方で女子力は皆無。葉物野菜の区別がつかなかったり醤油とポン酢の違いがわからなかったりとやたら大雑把ですが、本人はまったく悪びれません。
 なんだか麻雀を知らない人お断りって印象を受けますが、実際のところ彼女の配信は麻雀を知らない私が見てもとても楽しい。彼女がクレバーな人物だからです。“夜桜たま”というキャラクターがどういう視聴者層にどんな期待をされているか逐次分析しつつ、どうすれば楽しんでもらえるかをいつも工夫しています。意外とプロデューサー寄りの才覚じゃなかろうか。今日も今日とてまずは自分をプロデュース。

もこ田めめめ → YouTube公式チャンネル

「えっとねー。・・・あ、今めめめのマネした? 『えっとねー』って言った? えっとねー」
 
けっして頭は悪くないはずなのに、興味のあることにしか頭を使おうとしないせいで結果ハイパーバカな扱いを受ける愛玩羊。でも周りからたくさんイジってもらえるのは嬉しいので本人は満足げ。
 とにかくキャラクターとしての面白さ自体が無敵のアドバンテージです。まず「もこ田」ときて、直後「めめめ」ですよ。めめめ。めめめめめ。はいかわいい。はいわかりやすい。見た目もふわもこヘアー&シュッとしたスタイリッシュな衣装、そしてウルトラハイセンスな靴下ときた。さらには天性の(ムダに湿度の高い)人なつっこさ。ピコピコ16bitな音楽センス。そしていちいち調子に乗ってはすぐ悲鳴を上げるテンドン芸。ディズニーやサンリオのごとく、マスコットに求められるもの全部がバランスよくまとまっているキャラクターです。いるだけでもうかわいい。
 最近は大舞台にも慣れてきたようでリラックスした様子が見られるようになってきました。とはいえ、そもそも頭の使いかたが草を食むようにまったり進行な羊なので、急なネタ振りにパニックを起こしているようであれば「靴下ダサいもこ~」などと鉄板ネタを振って落ち着かせてあげましょう。

授業構成おさらい(+ 補足事項)

超難問:人体の謎を解明せよ!

 経歴を見ると、ヒグチ教授の専門はどうやら解剖学のようです。なかでも筋運動に関する論文を多く書かれています。なるほど、いわれてみればたしかに今回の千本ノック、とりとめないオムニバスのようで実は“筋肉にまつわる話”という共通点を持たせてあるんですね。

千本ノック1:のどちんこは何のためについているの?

 諸説ありますが、のどちんこは口から喉へ下りる流れと鼻から喉への流れを分断する弁の役割を担っているといわれています。のどちんこは筋肉で構成されており、たとえば食べ物を飲み込むときなどは収縮して鼻腔をふさぐことで逆流することを防いでいます。
 鼻腔をふさぐということはすなわち発音にも深く関わっているということでもあります。たとえば50音表でいうマ行は両唇鼻音と呼ばれる発音であり、発声のとき一瞬口を閉じて鼻から空気を流すようにして音を出しています。このため喉がこわばっていたり鼻が詰まっていたりするときれいに発音することができません。もこ田めめめがよく「も゛こ゛田゛め゛め゛め゛だよ」などと発音をイジられているのはこのせいですね。彼女は緊張しいなうえ、しょっちゅう鼻水を溜めています。

 ちなみに、一般に女性の口のなかを覗こうとするのはセクハラとみなされる行為なので男性諸氏は気をつけましょう。ニオイなどエチケットが気になる部位、内臓に近くて粘膜がある部位は普通全部アウトです。同性同士でもイヤでしょ?
 つまり、裏を返せばバーチャルの体だとこのあたりの抵抗感はクリアできるはずなのですが・・・。夜桜たまはよくこういうとぼけたことを言う。

千本ノック2:なぜ貧乏ゆすりをしたくなるの?

 これも諸説ありますが、足の筋肉を小刻みに動かすことによって、下半身に溜まった血液を心臓に送り返そうとしている反射行動だともいわれています。 動脈血なら心臓から大きな圧力を受けているのでそのままでもよく流れます。
 ですが静脈血の場合は一度毛細血管を通って勢いを殺された血流なので、場合によってはその場で滞留してしまうことがあります。これを心臓へ送り返せるだけの動力を得るため、静脈は指先や足の裏などの運動によって生まれる圧力に補助してもらう必要があるんです。
 特に下半身へ流れる血流はとても多いため、それだけ多くの圧力を生む必要があり、ヘルスケア番組なんかではよく“足は第二の心臓”などといわれていますね。今回の授業では「足ポンプ」と表現されました。

千本ノック3:なぜプールに入るとおしっこをしたくなるの?

 夜桜たまが自分の別の経験から類推して「温度差が原因」と予想し、もこ田めめめが実際にプールに入ったときの肌感覚から「水圧が原因」と予想しました。このどちらもが正解。
 先の貧乏ゆすりの話から応用すると、体の末端に圧力が加えられたなら静脈血は通常より勢いよく流れるため、胴体により多く血液が溜まることになります。おしっこをつくる腎臓はこの胴体に存在しており、また、おしっこの材料は血液です。つまり腎臓に多くの血液が入ってくるので活動が活発になり、さらに胴体自体にも水圧がかかるのでおしっこの溜まった腎臓が圧迫されて、結果、プールに入るとおしっこをしたくなるというメカニズムが起きるわけです。
 同様に、第6回のペンギンの話題でも説明があったように、人間の体は冷えると末端の血管を収縮させて体温の発散を抑えようとします。こうなると胴体に溜まる血液が増えるため、やはりおしっこが多くつくられるようになります。

千本ノック4:なぜ耳の穴をふさぐと「ゴー」という音がするの?

 実はこれは筋肉が活動するときに鳴る音、筋音です。筋肉は筋繊維1本1本を緊張させることで収縮を起こしているため、筋肉に力が入っているときそれぞれの筋繊維は細かく震えています。この音が頭や指先を伝って鼓膜に響き、「ゴー」という音が聞こえるわけです。
 今回の授業では聴診器を使って、筋肉が伸びている状態と縮んでいる状態それぞれの音の違いを確認しました。

感想

 ちょっと設定の凝ったロボットもの作品(私の知っているものでは『高機動幻想ガンパレード・マーチ』とか『フルメタル・パニック!』とか)には、たまに“人工筋肉”という工業製品が登場します。これは特定の電気刺激を与えると収縮するという特性を持っていて、この特性を利用することで巨大ロボットをより人間に近いメカニズムで稼働させることができるんだと解説されます。
 こうして改めて筋肉の動く仕組みを学ぶと、筋肉って想像以上にシンプルな機能で活動しているんだなあと改めて驚かされますね。弛緩か緊張かのオンオフだけ。本当に工業製品みたい。 ちなみにこの人工筋肉、現実にも開発が進められているようですが、今のところなかなか実用化には至っていないようですね。特に寿命の問題がネックになっているようです。なるほど。そういえば生体中での筋肉って切れても随時修復されますもんね。むしろ千切れること前提で活動している感じすらある。
 筋肉をいじめろ! パンプアーップ!

 今回私が気に入ったシーンはこれ↓。
 「私は、プールっていうよりも寝起きとかコタツ入ってるときにしたくなるから・・・。暖かいところから寒いところに行ったら、その気温の温度でしたくなっちゃうのかなって思いました」
 
夜桜たまって本当に頭のいい子なんだなあと思った発言です。

 「なぜプールに入るとおしっこをしたくなるの?」という質問について、“プール”というシチュエーションではなく“おしっこをしたくなる”という結果に注目して思考を巡らせています。この逆転の発想ができる人ってなかなかいないと思います。
 「なぜおしっこをしたくなるのか」という質問なんですから、本来であれば「プールには(他と違う)どういう特徴があるのか」をまず考えるのが常道です。たとえば水のなかだとか、体が冷えるとか、ちょっと締めつけられる感覚があるとか、塩素の匂いとか、“泳ぐ”という特別な体の動かしかたをするとか、単純に運動量が多いとか。ぱっと連想しただけでも色々思い浮かびますが、問題が難しい場合、さてじゃあどれが正解かと聞かれてもなかなか困ってしまいます。

 そこで夜桜たまは発想を転換して、「自分ならどういうときおしっこをしたくなるか」を考えました。彼女の場合、それは布団から出るとき、それとコタツから出るとき。
 面白いことに、プールとは全然違うシチュエーションが思い起こされ
 じゃあ、全然違うはずのプールとこれらふたつとで、何か共通点ってないだろうか? もし共通点があるとしたら、それが「なぜおしっこをしたくなるのか」の秘密の中核かもしれない。

 プールひとつだけを考えてはいくつも候補が出てしまうところを、他に比較対象を探したことで絞り込みできたわけですね。結果、おそらくはヒグチ先生の想定していた答えとはちょっと違っていつつも(授業全体の流れからするともこ田めめめの仮説から展開させていく方がスマートです)、ちゃんと正しい答えにたどり着くことができました。
 (そもそも推測でしかないんですが)こうして思考の手続きを文字に起こすと、もしかしたら大して特別なことはしていないように見えるかもしれません。けれど、誰にも思考手順を誘導されないまま、このような複数の段取りを重ねる論理を自力で思いつくのって本当に難しい。
 だって、ほら、これって見えるところにゴールがあるのにわざわざ遠回りして別ルートを探すようなものじゃないですか。あえて一旦ゴールから距離を離すだなんてバカバカしいですし、不安にもなります。このやりかたで本当にゴールできるのかって。

 こういうことをさっとできる人にたまに出会うことがありますが、どの人も本当に頭の回転が早いんだなと毎回感心するんです。
 私、ものを考えるときはひたすらスローリーですからね。趣味のブログを書く分にはそれでもいいんですけど、仕事として生かすには効率悪すぎ。ああいう人、憧れます。

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