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超人女子戦士ガリベンガーV 第10話感想 楽しそうに喋る子と丁寧に喋る子と、楽しそうに笑うオッサンの協奏。

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生徒役:電脳少女シロ、月ノ美兎、ヤマトイオリ

“ぷー”はたしなむ程度。

出演バーチャルYouTuber

電脳少女シロ

「・・・ぷー」

 テレビ朝日を制圧する者特有のオーラを放つ電脳1歳児。この番組の他にもう1本、初めゲストとして参加したはずなのにしれっとレギュラーとして居座っている番組があります。同僚の馬人間も似たような経緯で出演続投が内定したweb番組を持っていますし、これはもう所属事務所.LIVE自体が何か凶悪な伝染病でもバラまいているんだろうとしか。頭アップランド病 / 豆腐ウィルス。
 やたらと語録が豊富、そしてやたらと逸話も豊富。というのも彼女は多趣味・多芸なうえ、やたらと柔軟な発想力も持ちあわせ、ついでに傍若無人な性格なため、自由にさせると大抵常人に理解できない奇矯な言動をしはじめるからです。彼女の動画を見てなんともいえない気持ちになったときは「シロちゃんの動画は為になるなあ」と、とりあえず納得しましょう。彼女はあなたが為になることを望んでいます。
 まるでアブない人のようですが、そして実際アブない人なのは確かなのですが、こう見えて彼女は共演者をよく見ています。聡明です。共演者の対応力を推し測り、ギリギリ捌ききれる程度のムチャ振りを仕掛けるのです。きわめてタチが悪い。

月ノ美兎

「人々が出した臭い汁のようなものが、こう、サーっと降り注ぐから、人々の異臭が・・・」

 デビュー初っぱなから学級委員長設定を投げ捨てた問題児にして、外部出演では学級委員長らしく期待された仕事を丁寧にやりきる優等生。いかな中身がジャッカルだろうと、猫を被って猫を被りきれば、それはもう実質猫に等しいのです。
 トークの達人にして企画の怪人で、しばしばよくわからないことを始めてはちゃんと成功させています。どうやら発想の基本に腰まで浸かったサブカル嗜好があるらしく、小中学校でのエピソードから共演者の発言の拾いかたに至るまで、とにかく常人とは違うユニークな切り出しかたを見せては視聴者を驚愕させることもしばしば。
 他のキャラクターと共演するときはなるべく周りを立てようと立ち回るせいか、番組ゲストとして出演するときは意外と正統派の委員長キャラとして見られることも多かったりします。奇人変人だらけのバーチャルYouTuberたちのなかにおいて彼女が比較的マトモな部類だと思っちゃった人はぜひともYouTubeのアーカイブを見に行きましょう。大丈夫。トークがうまいだけあってどの放送から観ても話の流れは理解できるよう配慮されています。流れは。

ヤマトイオリ

「あ、わぴちゃん先生に相談があります。なんか、イオリも空けっこう好きで見てるんですけど、なんかあの、よく帰り道とか上見ながら、あ、今日も空きれいだな、とかって見てると、なんか電柱が目の前に来たりとかするとき、どうすればいいですか?」

 いつも心に太陽を。いつしか笑顔も太陽に。毎朝晩の通学路で陽の光をサンサン浴びてすくすく育った、頭のなか健康優良児。でもなぜかしょっちゅう頭からキノコが飛び出してきます。本人が喜んでいるんだ、仕方ない。おいしいもんね。
 最も好評を博しているコンテンツはなんと雑談。雑談配信といえばネタが尽きた配信者の逃げの一手とみなされがちですが、彼女の場合は違います。正真正銘雑談こそが面白い。見てのとおりのおっとりした口調から繰り出されるのは「あのねあのね!」で急転直下のジェットコースター&夢幻ループ。話している内容はごくありふれた日常の出来事のはずなのですが、俗世の垢に汚れていない平和な世界観と幼児のように純朴な好奇心でもって我々を困惑させ、さらに話題がころころと、それでいてとめどなくつらつらとシームレスに移り変わっていくスピード感で我々を翻弄します。「ゆっくりハイペース」「性善説の擬人化」「頭お花畑」などの異名はダテじゃない。
 ちなみに思考の流れが柔軟すぎて誤解されがちですが、実は論理と探究心を重んじる性格です。幼少期のエジソンみたいな感じ。

授業構成おさらい(+ 補足事項)

超難問:天気の謎を解明せよ!

 先週末のスペシャル特番の続きというかなんというか。授業の流れを見た感じ、おそらくはトピック3と4の間にスペシャルの分のトピックがあった感じでしょうか。こうして全体を眺めてみると思いのほかきれいな流れで解説されているのがわかりますね。
 スペシャル特番を観たときは、雲の正体が氷の粒だってちゃんとした解説なしに積乱雲内部の対流を説明しきれるのか・・・? と感じたものですが、ちゃんと解説があったんですね。
 教師役のわぴちゃん先生はフリーライター兼タレントといった感じのお仕事をしているかたのようです。専門は植物、昆虫、気象。生徒たちが「かわいい」「かわいい」と言ってくれると、ツッコミ役はこの濃いキャラ相手でも気兼ねなく普通に接することができていいですね。

トピック1:なぜ雲は白いの?

 ミー散乱という現象によるものです。
 ヤマトイオリがほとんど直観的に「ホコリといっしょかな」という仮説を立てましたが、これがそのまま正解になります。ミー散乱とは太陽光が空気中の微粒子にぶつかって散乱する(様々な方向に反射する)現象のひとつです。この空気中の微粒子というのが、雲の場合は氷の粒、ホコリの場合は様々な微粉となります。微粒子の色自体はほとんど関係ありません。そもそも太陽光は人間の目には白く見えるものなので、この光をそのまま完全に反射すると、物体は白く見えるんです。

トピック2:なぜ空は青いの?

 この“白い太陽光が散乱するから白く見える”という現象を説明するため、レイリー散乱という現象も解説されました。空が青く見える現象のことです。
 空の青色も、実は雲と同じで太陽光を散乱した結果です。同じ散乱なのにどうして色が違うのかといえば、それは空気中の微粒子が太陽光のうち一部の波長しか散乱させないから。
 実は太陽光は(というか全ての可視光は)赤色から紫色まで様々な色が寄り集まって白色の光になっています。そしてそれぞれの色の違いというのは波長の違い。赤に近いものは波長が長く、紫に近いものは波長が短くなっています。波長が長い光はまっすぐ進み、波長が短い光はウネウネと曲がりくねりながら進むとイメージすると良いでしょう。
 さて、トピック1で“散乱は光が微粒子にぶつかることで起きる”と説明されました。これを踏まえると、波長が長い光はまっすぐ進むので空気中の微粒子にぶつかりにくく、波長の短い光はあっちこっちフラフラするので微粒子にぶつかりやすいというのがなんとなく理解できると思います。空の色が青く見えるのはこのためです。雲のない空気中では波長の短い紫~青色の光だけ散乱するので青く見えるわけです。
 ちなみに夕暮れどきは太陽が昼間より遠くにあり、遠くの空で一度波長の短い光が使われてしまっているので、私たちの目の前の空では赤系の光だけが散乱して、赤く見えるわけです。

 なお、(授業ではここまでやりませんでしたが)なぜレイリー散乱の場合は波長の長い光が素通りしてしまうのかといえば、それは空気中の微粒子がとても小さいからです。小さいからぶつかりにくく、まっすぐ飛んでいる光ほど素通りできてしまうことが多くなるわけです。
 逆にミー散乱の場合は雲やホコリの粒子が大きいんです。大きいので、波長が長かろうと短かろうと太陽光全部がぶつかって全部散乱するわけです。
 この2つの散乱の違いから見ても、やはり太陽光はそもそも白いんだと確かめることができますね。

トピック3:なぜ雨が降る時、ニオイがするの?

 おそらくは台風の話をした流れでこのトピックに移ったのでしょう。スペシャル特番の前半の授業とリンクさせる意図もあったのかもしれませんね。
 これはペトリコールという成分が原因だと説明されました。土のなかの微生物が出す匂い物質とのことです。
 このあたり、困ったことにネット上では妙に解説内容が割れていて、精確なところはもっとちゃんと調べないとわからなそうです。ペトリコールは通称であって具体的な成分名じゃないとか、ペトリコールという成分は香水の材料としても使われているとか、ペトリコールは植物が出す樹脂の匂いだとか、土中微生物がゲオスミンというペトリコールの一種を出すとか。
 まあ、わぴちゃん先生はしっかり下調べする人みたいですし、素直に信用していいんじゃないでしょうか。

 事前にコトウゲ教官が「アスファルトの蒸した匂い」と仮説を出していたことについて、ペトリコールを知った月ノ美兎が(たしかにそんな感じの匂いだけど)別にアスファルトが全世界からなくなったとしても雨の匂いは変わらないってことですよね」と考察するシーンがありました。
 これによってわぴちゃん先生から「アスファルトで舗装されていない山奥でも同じ匂いがします」「匂いって人によって感じかたが違う」という発言を引き出すことができ、より一層テーマについて理解を深めることができました。ときおりこういう生徒主導の流れが起きるのも『ガリベンガーV』の面白さですよね。

トピック4:春一番ってなに?

 最後に、電脳少女シロからの質問により“春一番”についての解説がなされました。
 この手の気象現象は気象庁で定義が定められているもので、わぴちゃん先生の言うように“日本海にできた低気圧に向かって吹く南風”、“10分間の平均風速が8m/s以上”だとか、他に“立春から春分までの期間であること”とか“前日よりも気温が上昇していること”のような条件を設けているようです。
 語源についても諸説あるようですが、気象庁ではわぴちゃん先生が語った長崎の海難事故がらみのエピソードを採用しているようですね。さすが気象予報士の資格持ち。

感想

 「えー、なんか、普段いろいろ、イオリも空のことけっこう好きで、よく空見たりしてたので、あー! わぴちゃん先生のお話すごく楽しかった! そうなんです。すごく嬉しかった。わぴちゃん先生かわいかった!」
 
最近のヤマトイオリは言いたいことをコンパクトに纏めることも増えてきましたが、やっぱりカットせずに済むなら長尺でつらつらっと語っているところが一番面白いですね。なんといっても楽しそうで。

 そして私最近ほとんど配信を観ていなかったんですが、改めて見ると月ノ美兎も意外とひとつひとつの発言が長かったんですね。思いつくままに話しているヤマトイオリと違って、こちらは流れがわかっていない人向けに毎回付随情報を丁寧に解説しながら話すせいでどうしても長くなってしまうって感じですが。
 彼女はトークテーマをカッチリ用意してラジオ風の配信をしたり、視聴者層の違う別キャラクターとのコラボ配信だったりを長くやってきただけあって、やっぱり電脳少女シロやアイドル部のメンバーとはトークに対する考えかたがちょっと違うんでしょう。基本的に自分ひとりでも完結できるような話しかたを心がけているというか。どこを切り取っても面白くなるよう細かくパッケージングしているというか。こういう細かいところでも、育ってきた土壌による文化の違いってやっぱりあるものですね。

 そしてそれぞれの文化の違いを超えて、全員にきっちり対応してくるコトウゲ教官のツッコミの冴えときたら。すでに何ヶ月か共演している電脳少女シロとアイドル部はともかく(アイドル部内だけでも個性の違いはたいがいですが)、月ノ美兎、スペシャル特番のミライアカリと猫宮ひなた、それからなんといってもわぴちゃん先生。お疲れ様です。なんかトピック1だけで体力ゲージほぼ使いきっていましたが。そりゃあスペシャル後半で視聴者から「疲れきってる」とか言われちゃうわけです。

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