
気高くかわいくきらめく世界! キュアニャミー! 仕方ない、構ってあげる。

↓これ何?っていう解説はこちらの記事で↓
各キャラクターへの理解を深めるために毎年自分用につくっているメモです。
毎年見せびらかしてるくせにあんまり読む人を楽しませるつくりになっていない自覚はあるので、せめてもの試みとして今年はスクショを添えてみます。
猫屋敷ユキ(キュアニャミー)
【過去】――何が自分をつくったのかという認識
1【誰の役に立ちたいか】(A+C)
「まゆ。ガルガルをどう思った? 襲われて、危ない目にあって、すごく怖い思いをした。そうでしょう? あの子たちと関わればまた怖い目にあう。だから、必要以上に関わらないようにね」(第18話)

放っておくとどんどん悪いほうへ悪いほうへ向かっていってしまいそうな人。
ユキにとって、まゆは感性豊かで優しくて、なおかつ打たれ弱い子でした。
実際のまゆが本当にそういう子なのかはまた別です。ただ、ユキはまゆの感性の豊かさに救われていましたので、大好きなまゆが肉体的にも、あるいは精神的にもキズを負うことは許しがたいことでした。
どういうわけかまゆは自分から進んで危ないほうへ、危ないほうへ向かっていってしまいます。ガルガルに近づこうとするのもそうでしたし、なんか友達選びでまでいちいちリスクを掴みがちでした。
クールで孤高だったユキが、今のようにみんなと交わるようになった、ある意味ではひとつの大きなきっかけ。
放っておけない人を放っておかないのが、だんだんとユキ“らしさ”になっていきます。
2【誰に支えられているか】(B+D)
「ユキって本当にかわいい。つやつやな毛並みも、涼やかな顔も、全部全部好きー。ネコパンチもいい。そういうつれないところもかわいい」(第27話)

自分の得意も不得意も全部ひっくるめて好きでいてくれる、まゆ。
まゆは好きなものにはとことん熱中するタイプで、しかも気持ちが優しいからか多少の難点があってもその難点ごと全部好きになってくれる、ある種の大らかさがありました。
ユキ自身は自分が気難しい性格なのを重々承知です。自分のことを、まゆみたいに何でもかんでも見境なく好きになれるわけではありません。自分とまゆ、どちらが好きで大切に思っているかといえば、圧倒的にまゆです。
だから、まゆのそういうところがまた、ユキにとって救いになっていたのでした。
3【嬉しかった想い出】(B+C)
「すごい! 猫ちゃん、本当はキレイな雪色だったんだ。――そうだ! あなたは今日からユキ。雪の日に出会った、雪色のユキ。どうかな?」(第10話)

自分のなかに、まゆが“キレイ”を見つけてくれたこと。
ユキが初めてまゆと出会ったとき、まゆという子はなにやら無闇に楽しそうな子という印象でした。薄汚れた仔猫がぼんやり空を眺めているだけで目を輝かせたり、毎日飽きるほど降ってくるぼたん雪の大きさにいちいち感動したり。
まるで、同じ世界を違うフィルターを通して見つめているようでした。彼女の様子を眺めているだけでユキまで退屈することがありませんでした。
そんなまゆが、洗いたての自分の毛並みを見てまたひとつ「キレイ」だって言ってくれたのです。
ユキが好きになってしまった、まゆ独特のキレイな世界観。そのうちのひとつに、ユキも加えてもらえたのです。
4【傷ついた出来事】(A+D)
「私は、まゆにこれ以上傷ついてほしくないの。傷つけるなら最初から近づかないでほしい。まゆをいずれ傷つける“友達”なんか、いらない」(第21話)

まゆが友達だったはずの人に傷つけられてしまうこと。
まゆを泣かせた知覧さんがずっと嫌いでした。同じように、いつか絶対まゆを傷つけるであろうこむぎといろはのことも嫌いでした。
まゆを傷つけるといえば、自分自身つい最近まゆを怒らせて、悲しませてしまいました。だから、自分だってまゆの“友達”じゃなくていい。一時期はそういう気持ちさえありました。
・・・本当にまゆの友達じゃなくなってもよかったのかといえば、結局全然そんなことなかったのだけれど。
まゆに向けていた過保護な感情の矛盾をこむぎに暴かれて、ユキは少しずつ自分のありかたを変えていきます。もう少しだけ、自分にとって好ましいように。
【現在】――自分は何者なのかという認識
A【がんばっていること】(1+4)
「ユキちゃんは一生懸命なんだよね、まゆちゃんを守るために」
「そうだね。親猫が仔猫を守るみたいに」(第18話)

守りたい人を守れるように、いつも傍を離れないようにしている。
当初のユキは勇敢で、なおかつ自己犠牲的なところがありました。
どちらが強いからとか、どちらの立場が上だからとか、別にそういうのではなく。ただ、ユキにとってユキ自身よりまゆのほうが大切だったから、何があってもまゆを守りたいと思っていたのでした。
そういう、個人的な情の大きさで優先順位を決めるところがお母さん猫っぽい。
まゆがプリキュアになり、ユキもその強さを認めるようになってからはまゆ一筋な過保護さは和らいでいきましたが、それはそれとして長年親猫を務めてきた気質まではそう簡単に変わることがなく。
最近ではこむぎやキラリンコジカのような危なっかしい子を見かけては、ついつい傍に寄って面倒を見てしまうことが増えています。
B【任せてほしいこと】(2+3)
「まゆが私のために編んでくれた、この世に2つしかないマフラーよ! どう?」(第43話)

まゆの美的センスを周りに知らしめたい。
ユキはとにかくまゆのキレイな世界観が大好きです。それが好きすぎて飼い猫になったくらいですから、当のまゆが普段自分のセンスに自信なさげでいるのが気に入りません。
なにかといえば周囲にまゆを褒めさせようと画策し、まゆが自分を認めざるをえなくなるよう外堀を埋めたがります。
結果的に、そういうまゆスゴイキャンペーンをやっていたおかげで、ユキ自身にもまゆ以外との接点が生まれる効果がありました。
C【よく気がつくこと】(1+3)
「どうして人間と仲よくするの?」
「どうしてそんなこと聞くの? ――私も気になってることがある。あなたはどうしてこちらの世界に来たの?」
「みんなをニコニコさせたくて! ほら、ユキもニコニコー」(第32話)

本音がわかりにくい人の考えを積極的に見極めようとする。
ユキは過保護な子ですから、他のみんなが気にしないようなことでも、ちょっと怪しいと思ったら注意深く継続的に観察しようとします。
まゆのセンスのよさを一早く見出したユキですから、人を見定める目にも多少の自信はあったのでしょう。
結果、一例としてニコ様は外面どおり純粋にみんなの笑顔を見るのが好きな人でした。彼女のどこまでも突き抜けた人の良さを今一番よく理解しているのは、ユキです。
D【耐えがたいこと】(2+4)
「追いかければいいじゃない! あの子はお店まで来てくれた! 今度はまゆが勇気を出す番。もしうまくいかなくても、私も、いろはたちもいる。大丈夫」(第31話)

思考が硬直するせいで自縄自縛になってしまう人を見ること。
まゆに対する過保護さが和らぐにつれ、ユキには段々見えてきたものがありました。
まゆの、あれこれ理由をつけて挑戦から逃げようとする悪癖。
ユキ自身、大好きなまゆを守るためなら自分が倒れてしまっても、あるいはまゆから嫌われてしまっても構わないと本末転倒なことを考えていた時期がありました。まゆの気持ちはよくわかります。でも、そのままじゃいけないということも経験上よくわかるのです。
【未来】――これまでの総括とこれからの夢
α【自分の手で守りたいもの】(プリキュアになる最初の理由)(1+2+3+4)
「山に――、山には行かないで。これ以上関わってはダメ」(第11話)

まゆの周囲から危険を取り除きたかった。
ユキがプリキュアに変身したのは、ひとえにまゆをガルガルの危険から遠ざけたい一心からでした。
こむぎがそうだったように、まゆとお喋りしてみたいという願望ももちろんありました。そのはずなのに、自分が言葉を話せるようになったことをまゆにはしばらく明かしませんでした。そのくらいユキの頭からは自分自身の楽しみなんて完全にすっぽ抜けていて、とにかくまゆを守りたいという気持ちばかりが体を突き動かしていたのでした。
おかげで、まゆが実は極端に好奇心旺盛で行動力に満ちあふれているということになかなか気づけず、しばらく地雷を踏んでばかりいました。
β【自分にまだ足りないもの】(物語を通して成長したところ)(A+B+C+D)
「猫集会って、みんなで集まっていったい何してるの? 仲間の顔を覚えて、近くに誰が住んでいるか確認してる? それから情報交換も? へえ。ボスは日当たりのいい場所を探すのがとっても上手なのね。なかなかやるじゃない」(第34話)

まゆ以外にもキレイなものを見つけられる人がたくさんいることに気付く。
一見頭のなか空っぽそうなこむぎが意外にも友達関係やケンカについて一家言持っていたように、世のなかステキなことを知っている人はまゆ以外にもたくさんいるものです。
センスがよくて、危なっかしい。二重の意味で目が離せなかったまゆからどうにか一旦視線を外して、周りを見渡してみれば、そこにはユキが今まで全然気づくことのなかったキレイな世界が広がっていました。
まるで、まゆが雪の美しさを教えてくれたときのように、おどろくほどに。
γ【いつか叶えたい理想の自分】(最終的に思い描く理想)(α+β+1+A)
「この世界は私とまゆだけが生きているわけじゃない。この世界はいろんな生きものが互いに関わりあいながら生きている。いろんな思いと、笑顔が集まってるから、世界はかわいくきらめいている!」(第46話)

まゆみたいに、自分もたくさんのキレイなものを見つけていきたい。
物語全体を通してユキに表れた最も大きな変化は、視野が広くなったことです。
まゆのことばかり見ていないで、もっと広い世界の多様な美しさを知っている様々な価値観に出会えるようになってきました。
それはつまり、ユキが最初に惚れこんだまゆのユニークな審美眼と同じ、日常にありふれた風景のなかから“キレイ”を見つけられる目を、ユキ自身もまた身につけつつあるということです。
クリスマスツリーの美しさに気がついたザクロの感性を褒めたように、あるいはキラリンコジカの割れたお煎餅をかわいくリメイクしてみせたように、今度はユキが“キレイ”の伝道師になっていくことでしょう。
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