キミとアイドルプリキュア 第17話感想 私が捧げたキミへの思いは、あれで全部だっただろうか?

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いいプリ! それでキュアアイドルを守れるなら、プリルンは大丈夫プリ・・・!

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「プリルンの決意! キラキランドへレッツゴー!」

大きな出来事1

メインキャラクター:プリルン

目標

 チョッキリ団の脅威からうたを守る。

課題

 前話で現れた、カッティーを素体とするクラヤミンダーにアイドルプリキュアは手も足も出なかった。
 あの恐ろしい敵からうたたちを守るため、当初プリルンはビッグキラキラリボンを復活させてチョッキリ団自体を根絶させてしまえばいいと考えていたが、どうやらそのためにはまだキラルンリボンが足りないらしい。

 代案として、メロロンが持っていたハートキラリロックを使えば願いを叶えられるらしい。ただし、それにはプリルンにとって一番大切なものを封印しなければならないそうだ。

解決

 プリルンは迷わずハートキラリロックを使った。
 うたたちを守りたいという願いさえ叶うのなら、たとえ代償がどんなものになったとしても構わなかった。

大きな出来事2

メインキャラクター:メロロン

目標

 プリルンの願いを叶える。

課題

 うたたちを守りたいプリルンの作戦は空振りだったようだ。
 メロロンの手元には今ハートキラリロックがあり、これを使えばプリルンの願いを叶えてあげることも可能だろう。ただし、このアイテムを使うには使用者2人それぞれの一番大切なものを封印しなければならないという代償が伴う。

 メロロンには「プリルンの一番になりたい」という願いがあった。どんな代償を支払ってでも叶えたい切実な願いだった。
 もし今の自分がハートキラリロックを使うとすれば、おそらくプリルンへの思いを封印することになってしまうだろう。

解決

 メロロンもハートキラリロックを使うのに協力した。
 メロロンがプリルンに対して抱いている思いは、結局のところ、以前心を救ってもらったことへの恩返しをしたいというところから始まる思いだ。プリルンの願いを叶える手伝いができるのなら、本心から、どんな代償を支払うことになっても構わないと思った。

バトル

 カッティーを素体とした鉄の城型クラヤミンダー。前話のときよりパワーアップしている。

苦戦

 プリキュアにとってはまったく歯が立たない強敵であり、しかも今回はカッティーの良心が介入することもなかった。プリルンが予想していたとおり、本当にどうにもならなかった。

勝利

 ハートキラリロックの奇跡が生んだキュアズキューンとキュアキッスが現れ、あっという間に浄化してくれた。

キャラクター考察レポート(概略)

 自分なりにプリルンとメロロンの自己犠牲に至るまでの心情を整理したくて一旦キャラクターシートを書いていたら、こんな時間になっていました。
 せっかくなので後日、もうちょっと他人に読ませられる体裁に整えてからシートも公開したいと思います。いつもの需要無いやつです。

そもそもキャラクターシートとはなんぞや? という話はこっちで

 ちなみに、だいたいこんな感じになりました。

プリルン(第17話時点)

A【最終的に目指すことになる理想】(B+C+a1+a2)

 「ねえたまの宝物――、咲良うたとの想い出は全部なくなっちゃうメロ。それでもいいメロ?」
 「いいプリ! それでキュアアイドルを守れるなら、プリルンは大丈夫プリ・・・!」(第17話 / メロロン,プリルン)

 弱い自分を脱ぎ捨てて、アイドルプリキュアを助けられる力を手に入れる。

a1【尊敬もしくは軽蔑している人】(b1+b2+c1+c2)

 「――どうしてプリ? キラルンリボンを戻したのに、どうしてキラキラにならないプリ?」
 「キラルンリボンの数がまだ足りないのメロ。女王様がそう言ってたメロ」
 「そんな・・・。それじゃあプリルンは、プリルンはうたを、キュアアイドルを守れないプリ・・・?」(第17話 / プリルン,メロロン)

 どんなに努力しても絶対にうたみたいになれない、無力な自分自身を軽蔑している。

a2【自分の好きなところ】(b3+b4+c3+c4)

 「プリルンも一緒にがんばろう。プリルンもアイドルプリキュアのメンバーでしょ」
 「プリ? プリルンもアイドルプリキュアのメンバープリ? ・・・嬉しいプリ。とってもとっても、嬉しいプリ!」(第16話 / うた,プリルン)

 うたたちから過大な信頼を寄せてもらえているところ。

B【絶対に諦められないもの】(b1+b2+b3+b4)

 「プリルンはキラキランドを救うためにアイドルプリキュアを探してこの町に来たプリ。だけど、もう、それだけじゃないプリ。うたとみんなとの毎日はすっごく楽しくてキラキラで、プリルンの宝物になったプリ」(第16話)

 うたたちが守ってくれるキラキラの世界。

b1【誰の役に立ちたいか】

 「応援してもしなくても一緒メロ」
 「そんなことないプリ。『ガンバレ!』は届くプリ!」(第13話 メロロン,プリルン)

 アイドルプリキュアの力になれるよう声援を送りたい。

b2【誰に支えられているか】

 「嬉しいプリ! プリルン、“キラッキランラン”プリ! あのときもプリ。歌を聞いた人もキラッキランランになってたプリ。うたが歌うと、聞いてる人みーんな“キラッキランラン”プリ!」(第1話 / プリルン)

 歌でみんなの心をキラキラにできるうた。

b3【嬉しかった想い出】

 「・・・ごめんね。プリルンのせいなんかじゃない。もう大丈夫だよ。真っ暗闇になんて絶対させないから!」(第2話 / うた)

 うたが自分の願いを叶えるために戦ってくれること。

b4【傷ついた記憶】

 「プリルン、といいましたなあ。お主ダメダメですなあ。こんな『イェーイ!』などと浮かれた者を頼りにするとは。お主がこやつを選んだせいで、世界はクラクラの真っ暗闇になるのですぞ」(第2話 / カッティー)

 自分が頼み込んで始めてもらったプリキュア活動のせいでうたが侮辱されてしまった。

C【努力する理由】(c1+c2+c3+c4)

 「プリルンはうたが・・・、うたが大好きプリ! うたと出会ってからの想い出はプリルンの一番大事な宝物プリ。――キュアアイドルを守れるなら、プリルン、何でもするプリ!」(第17話 / プリルン)

 自分はうたからあまりにも多くのものを受け取ってしまったから、うたたちがピンチのときくらいは何が何でも絶対に力になってあげたい。

c1【みんなに広めたい思い】(b2+b3)

 「プリルン、キュアアイドルの歌をプリプリ撮影したプリ。それを『アップリー!』ってアップしたプリ。みんなに見てほしいプリ!」(第2話 / プリルン)

 アイドルプリキュアから受け取ったキラキラをファンみんなで共有したい。

c2【許せないと思うこと】(b1+b4)

 「プリルンはうたたちと一緒に何でもできるって思ってたプリ。だけど違ったプリ。・・・プリルンは、何もできなかったプリ!」(第16話 / プリルン)

 一方的に庇護される立場に甘んじること。それを許されてしまうこと。

c3【感性が鋭くはたらく対象】(b1+b3)

 「こころはアイドルプリキュアに心キュンキュンプリ! プリルンと一緒プリ!!」(第6話 / プリルン)

 アイドルプリキュアを応援する同志にはすぐ気付くし、それだけで親しみを感じる。

c4【自分でやりたいこと】(b2+b4)

 「あなたが弱気になってどうするのです。プリルンは最後のアイドルハートブローチを一度はこころさんに渡した。それには理由があるのでしょう? ならばその輝きを信じてみればどうです。輝きが本物なら、そう簡単に消えはしないのでは?」(第7話 / 田中)

 心のキラッキランランを見つけ、輝かせるためのお手伝いがしたい。

メロロン(第17話時点)

A【最終的に目指すことになる理想】(B+C+a1+a2)

 「え。メロロンの大事なものも封印するプリ? メロロンは何を封印するプリ?」  「・・・内緒メロ。さあ、ねえたま。鍵をかけるメロ!」(第17話 / プリルン,メロロン)

 自分自身の願いにはフタをして、アイドルプリキュアの助けになりたいプリルンのために身を捧げる。

a1【尊敬もしくは軽蔑している人】(b1+b2+c1+c2)

 「何してるプリ? こっちのほうがあったかいプリ! メロロンのリボン、取れそうプリ。結んであげるプリ!」(第12話 / プリルン)

 誰に対しても分け隔てなく優しいプリルンを尊敬している。

a2【自分の好きなところ】(b3+b4+c3+c4)

 「メロロン、ねえたまの願いを叶えられるメロ。これは伝説のハートキラリロックメロ。ふたりの願いを叶えてくれるメロ」
 「・・・これでキュアアイドルを守れるプリ? すごいプリ!」(第17話 / メロロン,プリルン

 ハートキラリロックを持って生まれてきたところ。

B【絶対に諦められないもの】(b1+b2+b3+b4)

 「プリルンの願いを叶えていいプリ? メロロンの願いはいいプリ?」
 「メロ! メロロンの願いは、ねえたまの願いが叶うことメロ!」(第17話 / プリルン,メロロン)

 プリルンに恩返しすること。

b1【誰の役に立ちたいか】

 「ねえたま、どこか行くのメロ? なんで何も言ってくれないメロ? メロロン、ねえたまの気持ちが知りたいメロ!」(第16話 / メロロン

 いつも一方的に優しくしてくれるばかりでこちらの気持ちを受け取ってくれないプリルン。

b2【誰に支えられているか】

 「メロロンはとってもさびしがり屋さんプリ! なのに、知らないところでひとりぼっちでいるプリ。――だから。だから、プリルンが傍にいたいプリ!」(第12話 / プリルン)

 いつもひとりでいた自分の本心を見抜き、一緒にいてくれるプリルン。

b3【嬉しかった想い出】

 「無事じゃないメロ! すぐにメロロンもみんなみたいに――。プリルン?」 「大丈夫プリ。ふたりでいれば怖くないプリ。どんなことがあってもメロロンはプリルンが守るプリ。プリルンはメロロンのお姉さんになるプリ!」(第15話 / メロロン)

 自ら孤独を選んだ自分をプリルンは陽の光の下に連れ出してくれた。

b4【傷ついた記憶】

 「プリルンもメロロンと一緒プリ。プリルンはアイドルプリキュアにハートをズキューンと撃ち抜かれたプリ!」(第15話 / プリルン)

 プリルンの心がアイドルプリキュアに独占されていることを実感した。

C【努力する理由】(c1+c2+c3+c4)

 「あなたのぬくもり。今も、あのときも、私を強くしてくれるのはあなた――。だから大丈夫メロ。ねえたまと一緒にいると、メロロンがんばれるメロ!」(第17話 / メロロン

 自分は、自分よりも価値のある存在に守られているから。

c1【みんなに広めたい思い】(b2+b3)

 「暗い暗い氷を溶かしたのは暖かなあなた。すくって口にすれば、あなたの胸で甘くほどける――」(第15話 / メロロン)

 プリルンへの感謝の思いはポエムになって自然と外にあふれ出す。

c2【許せないと思うこと】(b1+b4)

 「メロロンはあなたたちにライバル宣言するメロ! ねえたまと一番の仲よしはメロロンメロ! わかったメロ!?」(第12話 / メロロン)

 プリルンを自分以外の誰かに奪われてしまうこと。

c3【感性が鋭くはたらく対象】(b1+b3)

 「しょうがないメロ。ヘアアレンジならやらせてあげてもいいメロ」
 「・・・任せろ!」(第15話 / メロロン,うた)

 自分を本気で気づかってくれている人の優しさ。

c4【自分でやりたいこと】(b2+b4)

 「分かれたふたつの命。夢に見たあなたの面影。運命の糸は動きだし、ふたつはまたひとつになる――。早く会いたいメロ。ねえたま」(第12話 / メロロン)

 いつもプリルンの一番近くにいるのは自分でありたい。

少なくとも“救世主”ではない

 「よく集めてくれましたね。キラルンリボンはダークイーネによって真っ二つにされたビッグキラキラリボンのかけら。キラルンリボンを集めればビッグキラキラリボンは元どおりになるのです。そしてそこから光があふれ、キラキランドを包む闇も、はなみちタウンで人々を狙うチョッキリ団も消え去るのです」
 「チョッキリ団がいなくなれば、キュアアイドルたちももう大丈夫プリ!」

 せっかく闇から解放されたカッティーが今後どうなってしまうのかとか気になる部分は他にもありますが、とりあえずひとつ、明らかに変なことを言っています。

 ピカリーネ様ではありません。プリルンのセリフです。

 「プリルンはキラキランドを救ってくれる人をどんぶらこって探しに来たプリ。でももう見つかったプリ! うたプリ! うたはアイドルプリキュアプリ!」(第1話)

 最初は確かにキラキランドを救ってくれる“救世主”としてのプリキュアを探していたはずでした。それがうただという確信も早々に固まっていたはずでした。

 本来プリキュアはチョッキリ団と戦い、キラキランドを救ってくれる“救世主”だったはずなのに、いつの間にかプリルンのなかで彼女たちの存在はあべこべになっていたのでした。

 プリキュアがチョッキリ団をやっつけて、プリルンたちのキラキランドを救ってくれるのではなく、
 プリルンが蘇らせたキラキランドの力でチョッキリ団を消滅させ、プリキュアを守ってあげる――。

 「プリルン、といいましたなあ。お主ダメダメですなあ。こんな『イェーイ!』などと浮かれた者を頼りにするとは。お主がこやつを選んだせいで、世界はクラクラの真っ暗闇になるのですぞ」
 「プリルン、ダメダメプリ・・・? プリルンの、プリルンのせいプリ・・・?」(第2話)

 かつて、プリルンがせっかく見出した“救世主”は敵にボロクソにバカにされました。
 “アイドル”になれたと、そのときのうたが浮かれまくっていたからです。

 プリルンはみじめな思いをしました。でも、それはうたのせいではありません。だって、そもそもプリルンからして、戦闘力やマジメさを見込んでうたを見出したわけではなかったんですから。
 プリルンがうたに見出した素質は、“歌でみんなの心をキラッキランランにできる”というもの。あとから来た田中に言わせれば、キラキランドを救うこととはまったく関係のない素質でした。

 じゃあ、プリルンにとって“咲良 うた”とは何者なんでしょうか?

 「プリルンはうたが・・・、うたが大好きプリ! うたと出会ってからの想い出はプリルンの一番大事な宝物プリ。――キュアアイドルを守れるなら、プリルン、何でもするプリ!」

 答えは簡単――、ああいや、ちょっとだけ複雑かもしれませんね。

 プリルンが“うた”と“キュアアイドル”の2つの呼び名を使い分けていることには気付いていたでしょうか?
 今話だけではありません。これまでもずっとそうでした。

 変身中かそうではないかの単純な話ではありません。
 1つのセリフのなかですら2つの呼び名が混在することからわかるように、プリルンは“うた”と“キュアアイドル”をもっと別の意味合いで呼び分けています。

 見ていたらなんとなくわかりますよね。
 簡単に言えば、“うた”はプリルンにとって身近な友達で、“キュアアイドル”はプリルンの推しのアイドルのことです。
 プリルンは2つの意味でうたのことを大好きでいるんです。

 「プリルンはキラキランドを救うためにアイドルプリキュアを探してこの町に来たプリ。だけど、もう、それだけじゃないプリ。うたとみんなとの毎日はすっごく楽しくてキラキラで、プリルンの宝物になったプリ」(第16話)

 そしてそこに、もはやうたを“救世主”として見る目線はどこにもありません。

 だからこそ、プリルンは前話でクラヤミンダー相手に無謀な突撃を行ったわけですね。
 “救世主”アイドルプリキュアの一員として敵を倒したいという義憤に駆られたのではなく、
 あくまで“アイドル”であるアイドルプリキュアの仲間たちを助けたい一心で。

 今日までプリルンはこのうえなく幸せでした。
 たとえ故郷がチョッキリ団に滅ぼされていたとしても。
 だって、大好きな友達と毎日一緒に暮らしていて、大好きなアイドルを毎日全力で応援できていたんですから。

プリルンは“思い人”か、“恩人”か

 「やっぱり本当だったメロ! これならねえたまの願いを叶えられるメロ!」
 「いいえ、メロロン。そのハートキラリロックを使ってはいけません。それはとても恐ろしいアイテムなのです。願いを叶えるためには、ふたりそれぞれが一番大事にしているものを、ハートキラリロックに封印しなくてはならないのです」
 「封印、メロ?」
 「願いを叶える代わりに一番大事なものを失うということです。いいですね、メロロン。そのハートキラリロックをけっして使ってはいけませんよ」

 プリルンが己を犠牲にしてでもうたたちを助けたい、と思う理由はおぼろげに見えてきました。
 プリルンにとってうたたちは自分の代わりに戦ってくれる“救世主”などではなく、だからこそ友達として、あるいはファンとして、守りたいと思えるわけです。

 では、メロロンはどうでしょうか?

 メロロンにとって、うたたちは今のところそこまで大切な存在ではありません。

 友達のひとりとしてツンデレ気味に友情を感じている部分はありそうですが、そもそもメロロンがうたたちと親交を深めていく展開自体がこれまでほとんどありませんでした。
 メロロンの物語はいつだってプリルンとの関係についてでした。
 だったらその集大成としての位置にある今話の物語もまた、メロロン視点ではプリルンとの関係性ありきのものだったはずです。

 「あの看板に書かれた伝説のハートキラリロック、メロロンの鍵と同じだったメロ。これが本当に伝説のハートキラリロックなら、言い伝えみたいに永遠の愛が叶っちゃうメロ・・・?」(第16話)

 メロロンには今話起きたこととは別に、ハートキラリロックで叶えたい願いごとがあったはずでした。
 もっとも、それはこのアイテムが持つ忌まわしい副作用を考えると、どのみち実現不可能な願いだったわけですが――。

 ところが、話の流れをよく聞いてください。
 メロロンはピカリーネ様がハートキラリロックの副作用を教える前に、すでにプリルンの願いを叶えるために使おうと決めていたようです。

 甲斐甲斐しいことですね。
 でも、メロロンのプリルンへの思いって、そんなに簡単に諦められるような軽いものでしたっけ?

 「メロロン! 新しいお友達が生まれたプリ。一緒にお祝いするプリ」
 「・・・光は光。闇は闇。光と闇は溶けあわない」(第15話)

 かつて、メロロンはいつもひとりぼっちでした。
 いつもひとりで本を読んでいるのはそれならそれでいいとして、どうも友達がいないようでした。イジワルされたとかでもないようです。他の妖精みたいにキラキラできないからと、自分から身を引いたみたいです。
 第13話ではプリルンと同じく応援の光を出してプリキュアを支援できていたので、何か先天的なハンディキャップを抱えていた感じでもなさそうです。
 単に本人の性格として、うまく周りに馴染めずにいたんでしょう。

 「本当にひとりぼっちになっちゃったのメロ・・・」
 「メロロン! 無事でよかったプリ!」
 「無事じゃないメロ。すぐにメロロンもみんなみたいに・・・」
 「大丈夫プリ。ふたりでいれば怖くないプリ。どんなことがあってもメロロンはプリルンが守るプリ。プリルンはメロロンのお姉さんになるプリ!」(第15話)

 そんなメロロンを唯一気にかけてくれていたのが、プリルンでした。
 メロロンが拒絶したって気にしません。そもそもメロロンの言いまわしが小難しくて理解できていません。
 ひたすら自分の嗜好と感性で好き勝手メロロンを振りまわして、グイグイ手を引っ張っては、陽の下へ連れ出してくれました。

 「メロロンはとってもさびしがり屋さんプリ! なのに、知らないところでひとりぼっちでいるプリ。――だから。だから、プリルンが傍にいたいプリ!」(第12話)

 プリルンに言わせてしまえば、メロロンはただのさびしがり屋さんなんだそうです。自分から引きこもっているだなんて、少なくともプリルンの目にはそういうふうに見えませんでした。

 当時のメロロンの本当の気持ちがはっきりと語られているわけではありませんが――、このプリルンにズキューンと来たってことは、まあ、そういうことですよね。

 たぶん、プリルンを慕う気持ちもそれはそれであるのでしょう。愛だか恋だかはさておくとして。
 だけどその気持ちの根本にある、一番素朴な思いは、プリルンへの感謝であるはずです。

 「あなたのぬくもり。今も、あのときも、私を強くしてくれるのはあなた――。だから大丈夫メロ。ねえたまと一緒にいると、メロロンがんばれるメロ!」

 プリルンはメロロンを強くしてくれた存在。昔とは少し違う、今のメロロンをつくってくれた存在。

 だからです。
 だから、プリルンのためにハートキラリロックを使えるとわかったとき、別にある自分の願望を放っておいて、迷うことなくプリルンのために使いたいと思えたんでしょうね。
 メロロンにとってプリルンは“思い人”であると同時に、“恩人”でもあるわけです。

 「え。メロロンの大事なものも封印するプリ? メロロンは何を封印するプリ?」
 「・・・内緒メロ。さあ、ねえたま。鍵をかけるメロ!」

 これはうたのためではなく、メロロン自身のためでもなく、ただひたすら、プリルンのため。

 基本的にこのブログは「自己犠牲なんてクソ食らえ!」の精神でやっているので、今話におけるメロロンの思いを語るためにはこのくらいの字数を必要とします。
 自己犠牲の精神を美談として語る気はありません。ひとつひとつ逃げ道を塞いで、回りくどく検証し、それでも自己犠牲以外の何ものでもないことを確認したうえで、今、この文章を書いています。

 キュアズキューンとキュアキッスのライブシーン、撮影カメラを動かしたのはキュアキッスのほうなんですよね。そういう能力を持っているのがキュアキッスのほうだけなのか何なのかは知りませんが。
 いつもはプリルンが嬉々として受け持っていたはずの仕事。今回はメロロンが引き受けます。

“友達”咲良うた と”推し”キュアアイドル

 「最高にキラッキランラン・・・」

 うたには、とりわけキュアズキューンのパフォーマンスが刺さったようです。
 プリキュアは基本的に「誰かを(何かを)守りたい」という意志と「いつか叶えてみたい」と胸に抱く憧れの2つの要素を持って変身するものです。キュアズキューンとしての姿にはきっと、うたみたいになりたいというプリルンの願いがこもっているのでしょう。

 キュアアイドルがたまにバトルのあとでやるアレ、プリルンも一度やってみたかったんでしょうね。

 プリルンのうたへの思いって、きっと相当強かったんだと思います。
 なにせ“友達”としてのうたと、“アイドル”としてのキュアアイドル、両方大好きだったわけですから。それも、それぞれちょっと違ったニュアンスで。一粒で二度おいしいやつ。

 「ねえたま。ハートキラリロックで願いを叶えるには、その代わりにねえたまもメロロンも一番大事なものを封印しなくちゃいけないメロ」
 「一番大事なものプリ?」
 「メロ。ねえたまの宝物――、咲良うたとの想い出は全部なくなっちゃうメロ。それでもいいメロ?」

 だから――。

 プリルンが封印した気持ちって、結局どれだったんでしょうね?

 “友達”としてのうたとの想い出か、“アイドル”としてのキュアアイドルとの想い出か。
 次回予告を見ていてなんとなくそう思ったわけですよ。

 それだけ書きたくてわざわざ章を分けました。(いざ書きはじめてみると思っていた以上に書くことが残ってなくて今少し困っています)

 いやあ、私の自己犠牲嫌いも筋金入りだなあ。

 幸い、咲良うたもキュアアイドルも同一人物です。プリルンとの関係性にそれぞれ若干の違いはありますが、基本的にどちらも同じ人のことです。
 もしプリルンに記憶を取り戻す糸口のようなものがあるなら――、メロロンにだって、ねえ。
 メロロンも、“思い人”としてのプリルンへの気持ちと、“恩人”としてのプリルンへの気持ち、2つ抱えていたわけですから。

 イマイチ締まらないですが、そういう「めでたし、めでたし」へのささやかな期待を胸に抱きつつ、今日は筆を置きたいと思います。

 「ビシッ! 自分は自分カッティーながらファンクラブ会員番号、自称1番ですぞ!!」

 ところで、完全にヤボな話だし「自称」なんていくらでも好きに名乗ったらいいとは思うのですが、これだけ言わせてください。アイドルプリキュアの一番最初のファンはプリルンだと思います。

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    コメント

    1. 亀ちゃん より:

      今日は新しいプリキュアがプリルンとメロロンで二人三脚でデビューすることになった話でした
      私はメロロンがプリキュアになることはある意味予測出来ていて、予想通りでした!!☆☆♬
      で、次回は咲良 うた達の制服が夏服になりますね
      夏服の制服はハートキャッチプリキュアの時が私のお気に入りです

      ★イガイガさん
      来週の火曜は倉敷マスカットスタジアムにて、決勝は倉敷商メインで観たくなったのですが、雨の天気予報なんですよね!!(汗)
      でも来週の土日は中四国が高校野球日和な天気予報でこちらも楽しみです

      ★与方さん
      交流戦直前の阪神はマツダスタジアムでギッタギッタにした挙句に、1位通過で交流戦入りしますよ
      私も私の現職の会社の社歴では先輩である後輩同僚に好い報告が出来ます!!☆☆♬

      追伸
      東横インではマグカップも東横イン仕様にして欲しいですね

    2. ピンク より:

      思い出全部無くす系なら創作物の定番ですが、今回のパターン……つまるところ『最推し』オンリーってのはどんな感じなんでしょ。

      「だからプリルン/メロロンと雰囲気違ってたんだ」となんか勝手に納得するくらいには、私が普段「推しの力ってすげー!」と認識してるらしいことは分かりました。
      実際ポケモンと出会わなかった自分の人物像とか、全然想像つきませんでしたし。

      まあそれはそれとして、記憶取り戻した後もあのお姉様キャラやってそうな気はします。
      今思えば、キュアスパイシーなんか何の説明もなく雰囲気が変わってましたからね。一粒で二度美味しいキャラは良いものです。

      • 疲ぃ より:

         私が自作の考察ツールで【最終的に目指すことになる理想】【絶対に諦められないもの】【努力する理由】の3つを中核要素にしているのも、この3つが人格を形成するうえで一番重要な要素だと考えているからです。同時に、この3つは(少なくとも表面的には)それぞれ別の概念として表れるものだとも思っています。
         プリルンとメロロンに限らず、プリキュアって初めて変身するときは大抵【絶対に諦められないもの】が焦点になるんですよね。それでいて初変身時の思いって、意外とその後の個人回でのテーマには絡んでこないことが多い。もっと別の、何かこれから変えていきたいという思い(【努力する理由】)のほうがクローズアップされがちです。
         もちろん、ことあるごとに触れられる重要な人格形成要素のひとつではありますし、最終決戦時の思想戦でもキーにはなるんですけどね。

         一番大切な願いを叶えるために一番大切な思いを封印する、というと一見何の意味もない取り引きのように見えますが、そんなわけで意外とこういうのって、それぞれ別のものを天秤の両皿に乗せられるものなんだと思います。
         問題は【努力する理由】を失ったままだと今後の物語を牽引できなくなっちゃうことですが。

    3. 匿名 より:

      プリキュアシリーズは自己犠牲を否定してきた作品です。月影ゆりや愛乃めぐみは自己犠牲により破綻しました。『オールスターズF』のキュアウィングとキュアバタフライは怪しいですが、あれも未来への展望があっての行動です。しかし、今回のプリルンとメロロンは「自分の最も大事なものを差し出す」という行動をよりによって初変身でやらかしました。プリキュアの文脈的には自らを不幸に陥れる自己犠牲です。プリキュアという作品では場合によっては2話以上かけて変身までの過程を描くくらい初変身を大事にしてます。それが初っ端から自己犠牲から始まるというのはなかなか大胆な攻め方です。彼女達はこれからその自己犠牲のしっぺ返しを食らうのか気になりますが、なんにせよ「プリキュアらしさにこだわらないことこそプリキュアらしさ」と考えると、これもまたプリキュアらしい。

      • 疲ぃ より:

         一応、プリキュアの初変身は大抵【絶対に諦められないもの】を守るためにどこまで必死になれるかの戦いなので、それ自体は従来どおりなんですよね。『ヒーリングっどプリキュア』の花寺のどかとか『デリシャスパーティプリキュア』の和実ゆいなんかも、自己犠牲が過ぎるってことで(変身後に)一度止められてますし。
         ただ、その2人の場合は守ろうとする行為がちゃんと自分自身のやりたいことを実現する手段にも繋がっていたからこそ、認めてもらえたんですよね。今回は本来自分がやりたかったこと(【努力する理由】)を失っているのが珍しいパターンというか、うん、最高に不健全ですよねー。

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