
いつもは最終話直前くらいに公開しているやつなんですが、第17話を境にプリルンとメロロンのキャラクターとしての一貫性が一旦途切れる(プリキュア変身後の展開も加えて最終話時点で評価したらおそらく全然違う印象に変わる)と思ったので、ここまでのふたりのキャラクター像をまとめておくことにしました。
このキャラクターシート、本来はもっと取り上げるエピソードをまんべんなくバラけさせて、包括的にキャラクター像を考察する想定でつくってあるんですが、今回は取り上げるべきエピソードがまだ足りなくてかなり重複しちゃっています。(特にメロロン)
端的にまとめると、プリルンは自分の無力さを認めたうえでうたたちと対等なチームメンバーになろうとした結果、自己犠牲的な覚悟を持たければ対等な力関係になれないと考えてしまった子。
メロロンはプリルンと対等な関係になりたかったのに、プリルンから受けた恩に報いるチャンスがこれまで全然なかったせいで、ハートキラリロックによる破滅的な手段で恩返ししようとしてしまった、みたいな評価です。
プリルン(第17話時点)
A【最終的に目指すことになる理想】(B+C+a1+a2)

「ねえたまの宝物――、咲良うたとの想い出は全部なくなっちゃうメロ。それでもいいメロ?」 「いいプリ! それでキュアアイドルを守れるなら、プリルンは大丈夫プリ・・・!」(第17話 / メロロン,プリルン)
弱い自分を脱ぎ捨てて、アイドルプリキュアを助けられる力を手に入れる。
総じて、プリルンにとって好ましいものはうたとアイドルプリキュアに結びつくものばかりで、反対に苦々しく感じるものはいずれも自分の無力さに由来しています。
この自他の評価のギャップがある種の自暴自棄な感情を呼び込み、「自分を犠牲にすればうたが助かる」というシチュエーションをむしろ喜ばしく感じてしまうようになってしまいました。
a1【尊敬もしくは軽蔑している人】(b1+b2+c1+c2)
「――どうしてプリ? キラルンリボンを戻したのに、どうしてキラキラにならないプリ?」
「キラルンリボンの数がまだ足りないのメロ。女王様がそう言ってたメロ」
「そんな・・・。それじゃあプリルンは、プリルンはうたを、キュアアイドルを守れないプリ・・・?」(第17話 / プリルン,メロロン)
どんなに努力しても絶対にうたみたいになれない、無力な自分自身を軽蔑している。
プリルンは能天気そうに見えて、意外とヘコむことが多い子です。身近にうたという尊敬できる存在がいることが大きいのでしょう。
うたに頼りっぱなしになっている現実がある一方で、うたを見習って自分もできることを増やそうと努力する姿がしばしば見受けられます。特に第16話でうたでも勝てない敵が現れてからはそれが顕著になりました。
うたが勝てないなら、自分なんか話にもならないことがわかっているからです。だから背伸びして、抗って、そしてまた絶望することになります。
a2【自分の好きなところ】(b3+b4+c3+c4)

「プリルンも一緒にがんばろう。プリルンもアイドルプリキュアのメンバーでしょ」
「プリ? プリルンもアイドルプリキュアのメンバープリ? ・・・嬉しいプリ。とってもとっても、嬉しいプリ!」(第16話 / うた,プリルン)
うたたちから過大な信頼を寄せてもらえているところ。
プリルンはアイドルプリキュアであるうたたちの大ファンなので、彼女たちに認めてもらえることはこのうえなく幸せなことです。
それと同時に、プリルンには彼女たちの信頼が重圧に感じてしまう理由もあります。これまで何度も彼女たちに迷惑をかけてしまっています。にも関わらずうたたちに仲間として認めてもらえるのなら、それはひとえに彼女たちが優しいからでしかありません。
そう思うからこそ、プリルンはみんなの信頼に報いるため、見ていて痛々しいほどの苦難を己に課すのです。
B【絶対に諦められないもの】(b1+b2+b3+b4)
「プリルンはキラキランドを救うためにアイドルプリキュアを探してこの町に来たプリ。だけど、もう、それだけじゃないプリ。うたとみんなとの毎日はすっごく楽しくてキラキラで、プリルンの宝物になったプリ」(第16話 / プリルン)
うたたちが守ってくれるキラキラの世界。
プリルンは世界で一番アイドルプリキュアのことが大好きな子です。彼女たちは単にファンを楽しませているだけでなく、みんなの心をキラキラにして、世界を丸ごと輝かせてくれています。
プリルンにとってアイドルプリキュアはいつかキラキランドを救ってくれる“救世主”でもあったはずですが、今やそれ以上に“アイドル”として世界をキラッキランランにしてくれることに大きな価値を感じています。
b1【誰の役に立ちたいか】
「応援してもしなくても一緒メロ」
「そんなことないプリ。『ガンバレ!』は届くプリ!」(第13話 メロロン,プリルン)
アイドルプリキュアの力になれるよう声援を送りたい。
プリルンはバトルも歌やダンスも何もできない無力な妖精ですが、そんな彼女にうたはいつも「頼りにしている」と言ってくれます。その期待に応えるひとつの手段として、プリルンは一生懸命応援することを選びました。
声援を送るだけでは何も変わらないという考えかたもありますが、少なくともプリルンとアイドルプリキュアは効果を実感しています。
b2【誰に支えられているか】

「嬉しいプリ! プリルン、“キラッキランラン”プリ! あのときもプリ。歌を聞いた人もキラッキランランになってたプリ。うたが歌うと、聞いてる人みーんな“キラッキランラン”プリ!」(第1話 / プリルン)
歌でみんなの心をキラキラにできるうた。
プリルンにとって、うたは歌うだけでみんなの心をキラキラにできる、力のある子でした。
当初プリルンが探していたのはチョッキリ団と戦い、キラキランドを救うことのできる“救世主”だったはず。なのに、プリルンは人の心をキラキラにできるという理由でうたを選んだのでした。
プリルンもまた、プリキュアが見つからず落ち込んでいたとき、うたに励まされたひとりだからです。
b3【嬉しかった想い出】

「・・・ごめんね。プリルンのせいなんかじゃない。もう大丈夫だよ。真っ暗闇になんて絶対させないから!」(第2話 / うた)
うたが自分の願いを叶えるために戦ってくれること。
うたがプリキュア活動を始めてくれたことは、彼女を見出したプリルンにとってとても光栄なことでした。うたは“救世主”としての活動より“アイドル”への興味のほうが強いようでしたが、プリルン自身うたの歌に惹かれていたので気にしていませんでした。
だからこそ、敵にうたのことを「浮かれている」と侮辱されてしまったとき、プリルンは申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
ところがうたはその侮辱を受けて、むしろプリルンのために“救世主”もがんばると言ってくれたのです。
b4【傷ついた記憶】
「プリルン、といいましたなあ。お主ダメダメですなあ。こんな『イェーイ!』などと浮かれた者を頼りにするとは。お主がこやつを選んだせいで、世界はクラクラの真っ暗闇になるのですぞ」(第2話 / カッティー)
自分が頼み込んで始めてもらったプリキュア活動のせいでうたが侮辱されてしまった。
“アイドル”と“救世主”の区別をつけていなかった最初のころのプリルンは、うたにはみんなの心をキラキラにできる力があるというだけで、プリキュアにふさわしい子だと確信していました。
ところがうたはプリキュアとして2回目のバトルで劣勢に追い込まれ、敵に酷い侮辱の言葉を浴びせられてしまいます。このときプリルンは初めて自分の判断に疑念を抱き、巻きこんでしまったうたに対しても申し訳ない気持ちを抱くことになりました。
C【努力する理由】(c1+c2+c3+c4)
「プリルンはうたが・・・、うたが大好きプリ! うたと出会ってからの想い出はプリルンの一番大事な宝物プリ。――キュアアイドルを守れるなら、プリルン、何でもするプリ!」(第17話 / プリルン)
自分はうたからあまりにも多くのものを受け取ってしまったから、うたたちがピンチのときくらいは何が何でも絶対に力になってあげたい。
プリルンには自分の力がうたにまるで及ばないという自己認識があります。
それでいて、いつも守ってもらってばかりいるし、いつもキラキラのステージを見せてもらってもいます。プリルンが今幸せな毎日を暮らせているのは全部うたのおかげです。
力の差がありすぎて、恩返ししたくてもできることがありません。
もし、プリルンにできることが見つかったそのときは――、プリルンは我が身を投げ出してでもそれを成し遂げようとしてしまうことでしょう。
c1【みんなに広めたい思い】(b2+b3)
「プリルン、キュアアイドルの歌をプリプリ撮影したプリ。それを『アップリー!』ってアップしたプリ。みんなに見てほしいプリ!」(第2話 / プリルン)
アイドルプリキュアから受け取ったキラキラをファンみんなで共有したい。
プリルンは“救世主”を探しにはなみちタウンにやってきたはずでしたが、実際にプリルンが見出したのは“アイドル”としての魅力が強いうたでした。自分を慰めるために歌ってもらえたのはプリルンにとって衝撃的な体験で、あっという間にファンになってしまいました。
だから、プリルンがうたの輝くステージをたくさんの人たちに見てほしいと考えるのはごく自然な成り行き。多少自分が罰を受けることがあったとしても辞める理由にはなりません。
c2【許せないと思うこと】(b1+b4)

「プリルンはうたたちと一緒に何でもできるって思ってたプリ。だけど違ったプリ。・・・プリルンは、何もできなかったプリ!」(第16話 / プリルン)
一方的に庇護される立場に甘んじること。それを許されてしまうこと。
プリルンには、自分とうたたちの間には大きな実力差があるという認識があります。チョッキリ団と戦う力、歌やダンスでみんなの心を輝かせる力、両方ともです。うたにはプリキュアに変身する前からある程度そういう力が備わっていて、だからこそプリルンは彼女を慕っていました。
実力差があることを承知のうえで、それでもプリルンはうたたちと一緒の特訓に一生懸命取り組みました。自分を仲間だと言ってくれた彼女たちに、いつか実力でも仲間として並び立ちたい。そんな夢を見ていたんです。
c3【感性が鋭くはたらく対象】(b1+b3)

「こころはアイドルプリキュアに心キュンキュンプリ! プリルンと一緒プリ!!」(第6話 / プリルン)
アイドルプリキュアを応援する同志にはすぐ気付くし、それだけで親しみを感じる。
プリルンはアイドルプリキュアの良さを積極的に広めたい立場なので、同じように熱心にファン活動している人に共鳴します。
プリルンはもともとがんばっている誰かを応援することが好きな性分でしたし、その努力がファン活動のためであるならなおさら仲よくなりたいと思って当然でした。
ただし、アイドルプリキュアのファン同士であることばかりに気が向きすぎて、自分と他のファンとで興味の方向性が少しずつ違う場合があることにはなかなか気付けないのですが・・・。
c4【自分でやりたいこと】(b2+b4)
「あなたが弱気になってどうするのです。プリルンは最後のアイドルハートブローチを一度はこころさんに渡した。それには理由があるのでしょう? ならばその輝きを信じてみればどうです。輝きが本物なら、そう簡単に消えはしないのでは?」(第7話 / 田中)
心のキラッキランランを見つけ、輝かせるためのお手伝いがしたい。
プリルンはなにかと力不足なうえ軽率な性格でもあり、よく失敗ばかりしています。
ただし、うたをプリキュアとして見出すなど、その割に意外とプリルンのおかげでうまくまわっていることも少なからずあります。
プリルンがまっすぐな子だからです。彼女の言動にはアラも多いですが、一直線に突き進むからこそ誰より早く見つけだせる大切なものがあるし、彼女の熱量に引きずられて燃え上がるものもあります。
このあたりはプリルンがすぐ自信を失いがちな部分でもあるのですが、周りの人たちが彼女を信頼する一番の理由にもなっています。
メロロン(第17話時点)
A【最終的に目指すことになる理想】(B+C+a1+a2)

「え。メロロンの大事なものも封印するプリ? メロロンは何を封印するプリ?」
「・・・内緒メロ。さあ、ねえたま。鍵をかけるメロ!」(第17話 / プリルン,メロロン)
自分自身の願いにはフタをして、アイドルプリキュアの助けになりたいプリルンのために身を捧げる。
メロロンのプリルンに対する独占欲とは、あくまでプリルンとの関係が途切れてしまいかねないことへの不安の表れであり、それが過激化していた一因に、プリルンが自分を頼ろうとしてくれないという事情がありました。
その意味で、メロロンにとって一番優先されるべきはプリルンに恩返しする機会をつくることであり、それさえ成し遂げられたらひとまずメロロンの心に巣くう不安感は解消されます。
メロロンのプリルンを慕う気持ちは本物でしょう。しかし、その成就より優先されるべき切実な思いが、彼女のなかにはあったのです。
a1【尊敬もしくは軽蔑している人】(b1+b2+c1+c2)

「何してるプリ? こっちのほうがあったかいプリ! メロロンのリボン、取れそうプリ。結んであげるプリ!」(第12話 /プリルン)
誰に対しても分け隔てなく優しいプリルンを尊敬している。
メロロンにとってプリルンは唯一自分を放っておいてくれなかった人物として特別な存在ですが、プリルンにとってメロロンは大勢いる友達のうちのひとりでしかありません。姉妹という特別な関係にしてもらえこそしましたが、少なくともメロロンの目にはうたとのほうがよっぽど仲よさそうに見えます。
それがくやしくてどうしても嫉妬してしまうんですが、それはそれとして、そういうプリルンだからこそ、かつてみんなの和から外れていた自分を放っておかなかったんだろうとも思うのです。メロロンに声をかけてくるプリルンはいつも自然体でした。
a2【自分の好きなところ】(b3+b4+c3+c4)
「メロロン、ねえたまの願いを叶えられるメロ。これは伝説のハートキラリロックメロ。ふたりの願いを叶えてくれるメロ」
「・・・これでキュアアイドルを守れるプリ? すごいプリ!」(第17話 / メロロン)
ハートキラリロックを持って生まれてきたところ。
プリルンの妹分にしてもらえたことはメロロンにとってとても嬉しいことでした。しかしその一方で、なまじプリルンが姉としての自負に目覚めてしまったぶん、ふたりの関係性はそれまで以上に固定化されてしまいました。プリルンはメロロンを守ろうとするばかりで、ちっともメロロンに頼ろうとしてくれないのです。
変わらない関係性に初めて風穴を開けてくれたハートキラリロック。これを生まれたときから所持していたことこそが、メロロンのこれまでの人生において最大の幸運でした。
B【絶対に諦められないもの】(b1+b2+b3+b4)
「プリルンの願いを叶えていいプリ? メロロンの願いはいいプリ?」
「メロ! メロロンの願いは、ねえたまの願いが叶うことメロ!」(第17話 / プリルン,メロロン)
プリルンに恩返しすること。
メロロンがプリルンを好きになったのは救ってもらえたからで、その関係性は今でも大きく変わっていません。メロロンはいつも守られる妹分の立場で、プリルンから何かを求められることがありません。
メロロンは本当はもっとプリルンの役に立ちたかったのです。プリルンの頭にメロロンを頼るという発想がないから、これまでそういうことができなかっただけであって。
b1【誰の役に立ちたいか】

「ねえたま、どこか行くのメロ? なんで何も言ってくれないメロ? メロロン、ねえたまの気持ちが知りたいメロ!」(第16話 / メロロン)
いつも一方的に優しくしてくれるばかりでこちらの気持ちを受け取ってくれないプリルン。
プリルンはメロロンが拒否しても無視して陽の光の下へ連れていってくれた子です。少し強引だったり、こちらの都合お構いなしに行動するところなんかも大好きな理由のひとつではあるのですが、それゆえにメロロンが恩返しできる機会がありません。あからさまに追い詰められているときですら、プリルンは助けを求めてくれません。
b2【誰に支えられているか】
「メロロンはとってもさびしがり屋さんプリ! なのに、知らないところでひとりぼっちでいるプリ。――だから。だから、プリルンが傍にいたいプリ!」(第12話 / プリルン)
いつもひとりでいた自分の本心を見抜き、一緒にいてくれるプリルン。
メロロンはかつて、自分から引きこもっていました。光と闇は混じりあわないから、と嘯いて、自分からみんなが楽しそうにしている空間と距離を取っていました。
他の妖精たちはみんなメロロンをそっとしておきました。ちょっかいを出してきたのはプリルンだけでした。
プリルンだけは、メロロンが本当はさびしがり屋さんだってことに気づいてくれていました。
b3【嬉しかった想い出】

「無事じゃないメロ! すぐにメロロンもみんなみたいに――。プリルン?」
「大丈夫プリ。ふたりでいれば怖くないプリ。どんなことがあってもメロロンはプリルンが守るプリ。プリルンはメロロンのお姉さんになるプリ!」(第15話 / メロロン)
自ら孤独を選んだ自分をプリルンは陽の光の下に連れ出してくれた。
引きこもって本ばかり読んでいたメロロンに、妖精の仲間たちは誰も干渉しませんでした。
本当はメロロンだってひとりぼっちは辛いだけなのに、そうなることを望んだのはメロロン自身だったので、誰もその気持ちに気づいてくれませんでした。メロロン自身、自業自得なので誰にも文句を言えません。
だからこそなおさら、肉親同然の距離感になってくれると言ってくれたプリルンの言葉は心にズキューンと来たのです。
b4【傷ついた記憶】

「プリルンもメロロンと一緒プリ。プリルンはアイドルプリキュアにハートをズキューンと撃ち抜かれたプリ!」(第15話 / プリルン)
プリルンの心がアイドルプリキュアに独占されていることを実感した。
プリルンはもともと自由な子ですから、プリルンに依存しているメロロンと違って、心のなかがメロロンのことで埋め尽くされているなんてことはありえないと最初からわかっていました。
それはしかたないとしても、しかし、プリルンがアイドルプリキュアに夢中になっているという現実はメロロンにとってショックの大きなことでした。
それほどにアイドルプリキュアの存在が大きいなら、メロロンのことは心の隅っこにすら置いてもらえないのでしょうから。
C【努力する理由】(c1+c2+c3+c4)
「あなたのぬくもり。今も、あのときも、私を強くしてくれるのはあなた――。だから大丈夫メロ。ねえたまと一緒にいると、メロロンがんばれるメロ!」(第17話 / メロロン)
自分は、自分よりも価値のある存在に守られているから。
プリルンへの独占欲が目立つメロロンですが、その割に彼女がプリルンを独り占めしたがる理由らしきものはどこにも見あたりません。むしろ“みんなのプリルン”であることを認めているフシすらあります。
おそらく、メロロンはただプリルンに二度と置いていかれたくないだけなのでしょう。プリルンの一番になることさえできれば、きっともう離ればなれにされることはないでしょうから。
プリルンと一緒にいる権利さえ守ることができれば自分はいくらでも強くあれるのだと、メロロンは考えています。
c1【みんなに広めたい思い】(b2+b3)
「暗い暗い氷を溶かしたのは暖かなあなた。すくって口にすれば、あなたの胸で甘くほどける――」(第15話 / メロロン)
プリルンへの感謝の思いはポエムになって自然と外にあふれ出す。
メロロンがプリルンに抱いている感謝の思いは根本的に単方向的なものでした。なにせ、メロロンはプリルンに助けを求めていなかったどころか、むしろ積極的に拒否していたくらいなんですから。
経験上、メロロンの思いはどうやってもプリルンの心に届きません。だからこそメロロンは割と大っぴらに、公衆の面前でもお構いなく、いつでもどこでもプリルンへの思いをポエムに乗せて語ります。なんならプリルンの素晴らしさがもっとみんなに知れ渡ってほしいくらいです。
c2【許せないと思うこと】(b1+b4)
「メロロンはあなたたちにライバル宣言するメロ! ねえたまと一番の仲よしはメロロンメロ! わかったメロ!?」(第12話 / メロロン)
プリルンを自分以外の誰かに奪われてしまうこと。
プリルンはステキなねえたまです。みんながプリルンの魅力に気づいちゃっても、それはしかたがないことです。ただし、独占はしたいと思います。
独占欲が強い人物のなかには執着対象の悪評をわざと広めることで自分だけのものにしようとする者もいますが、メロロンの場合はあくまで物理的にライバルを追いはらうだけで、むしろプリルンの素晴らしさはライバル相手でも語りたがります。
プリルンを独占したい気持ちはありつつも、同時にプリルンが自分ひとりのものではないことも理解している、複雑な乙女心が垣間見えます。
c3【感性が鋭くはたらく対象】(b1+b3)

「しょうがないメロ。ヘアアレンジならやらせてあげてもいいメロ」
「・・・任せろ!」(第15話 / メロロン,うた)
自分を本気で気づかってくれている人の優しさ。
隙あらばプリルンとふたりきりになっているのが許せないだけで、メロロンの目から見てもうたはすごくいい子です。なにかと面倒見がよかったり、冷たくあしらわれても放っておかないプリルン的な優しさがあったりするところは認めざるをえません。
本当に、プリルンを奪われかねない危機感さえなければ、仲よくできたでしょうに。
c4【自分でやりたいこと】(b2+b4)

「分かれたふたつの命。夢に見たあなたの面影。運命の糸は動きだし、ふたつはまたひとつになる――。早く会いたいメロ。ねえたま」(第12話 / メロロン)
いつもプリルンの一番近くにいるのは自分でありたい。
1人だけしか通れないというキラキランドの門の制約により、メロロンはプリルンに置いていかれてしまいました。道理をねじ曲げ、女王さまですら想定外の方法でプリルンを追いかけることができたのは、ただただメロロンの会いたい思いが強かったからに他なりません。
メロロンはプリルンの傍にいたかったのです。それだけが本来のメロロンの望みでした。
コメント
ハートキラリロックは『残り全部のキラルンリボンをビッグキラキラリボンに集結させる』という手段で願いを叶えても、全然おかしくなかったと思いますけど……
そんなことしたらプリルンははなみちタウンに行く理由が無くなり、キュアアイドルたちはわけも分からず実質解散を迫られ、メロロンも今ほどプリルンに近づかなくなるので、記憶を取り戻す糸口は相当狭まってた可能性?
現実はあの通り2人をプリキュアにしたようですが、プリルンがその場で願ったことだけでなく、普段キュアアイドルたちに憧れる様をも反映したんでしょうか。
というかハートキラリロック的には、記憶取り戻されてもいいんですかね?
もしそうなら、大切なものは覚悟を問うための手段って感じなのかなと。
少し穿った視点で見るなら、できれば自分の手で解決したかったというプリルンの願望の表れかもしれませんね。メタ的にも前話からずっと東堂いづみがプリルンの自己効力感をぶち壊しにかかっていましたし。
欲望の片鱗が残ることは良いことです。おかげでプリルンとメロロンは引き続きはなみちタウンに来てくれることになったわけで。
ハートキラリロックは・・・、たぶんそこまで邪悪なものだとは思わないんですけどねえ。どうなんでしょうね?
悪魔との取り引きなんかだと逆に「願いを叶えたいなら大切な人を生け贄に捧げろ」みたいな反対の構図になりがちなんですけどね。
ハートきらりロックというのが出て、なぜか松田聖子の名曲「ハートをロック」を真っ先に思い出して頭から離れなくなったついに56歳突入のおっさんです(苦笑)。
ある意味、松田聖子の曲以上に、妖精諸君、ロックな存在になったようで(汗)。
しかし、きらりが付くことでどれほどの効能がと思いきや、あの妖精たち(?)がプリキュアのそれもかなり強いバージョンで現れることになるとは。それも、幾分おねえさん設定というところが、ギャップがあっていいですね。
先日亡くなられた長嶋茂雄さんも、御子息の前できれいな看護師さんが来たら嬉しそうだったという話がスポーツ新聞などで流れてきましたが、ふと、そんな時期に彼女たちのデビューが重なったのも、何かの御縁なのかもしれません。
大人が見ればプリルンメロロンだって一目でわかるデザインでありつつ、これまでの2人とは明らかに違う人格だってビジュアルで訴えてくる良いビジュアルでしたね。子どもたちに人気が高いお姉さんキャラをこんなかたちで取り入れてくるとはナイスアイディアです。
中身ゼロ歳児のキュアアースや1歳児のキュアマジェスティもかわいらしかったですし、今年の2人もゆくゆくはあんな感じになっていくんでしょうか。