フリップフラッパーズ 花言葉と、ついでにその他細々したこと(第1話~第4話)

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 なにやら監督さんがこだわって花を画面に入れていると発言していたそうなので、ちょっと頑張って花言葉を拾っていきます。
 あとせっかく細かく観直すついでですから、各話の感想文では触れられなかった部分についてもいくつか語っていきます。

 ただし私は花に詳しいわけではなく、ネットで見つけた写真と見比べながら、これかな? と思ったものを選んでいるだけです。花言葉についても、いくつかあるうち、場面にふさわしいと思うものだけを(主観的な判断で)ピックアップ。信憑性は推して知るべし。
 正直なところ第1話、第2話の感想を書いた当初も花言葉には触れようと思っていたのですが、難しすぎて一度諦めたんですよね。なのでこちらの記事の更新はたぶんだいぶゆっくりになります。

 長くなったので記事分割しました。

第1話 ピュアインプット

 「入力」 動力あるいは情報を注ぐこと。ココナに冒険心を与えたという意味では動力でも情報でも通じますね。私たち視聴者的にもこの奔放な世界設定を一生懸命飲み下させられる回。

食卓の花瓶・・・リンドウ 「悲しんでいるあなたを愛する」

 リンドウは紫~白色が一般的で黄色いものはあまりないらしく、いきなり自信がないのですが、葉っぱの形(細長、対生)からするとこれっぽいかなと。
 リンドウには他に「高貴」「気遣う心」といった花言葉があり、年配の方への贈り物として人気があるのですが、わざわざ紫色ではなく黄色にしたのならこっちの意味ですかね。花言葉において紫色は高貴な色、黄色はネガティブな意味合いを帯びる色です。
 夢の中に何かを閉じ込めているココナには、どうやら本人すら知らない秘密があるようです。「悲しんでいる」のが過去のことを指しているのかこれからなのかはわかりませんが、傍について愛してくれる人がいるのってステキなことですよね。

※ お婆ちゃんの体調について

 車いすで生活していますが、おそらく視力と握力も相当衰えているんじゃないでしょうか。
 自分がいるときだけココナの部屋の照明をつけたり、食卓の自分側にだけ照明を置いたりしているのは特別に光量を必要としている人のライフスタイルです。
 納豆の器が取っ手つき、水のグラスも首つきというのは、指先が自由に動かせない人向けによく選ばれる食器です。使い勝手ではメラミン製のマグが一番なのですが、味気ないですからね、アレ。一度自分で混ぜた納豆を改めてココナに混ぜてもらっていますが、これも介護の場でよく見られる光景ですね。リハビリ兼生活の張りを保つという意味で、まず自分でできるところまでは自分でやって、それから手伝ってもらうのが基本となります。
 つきっきりで介護してくれる家族がいないなら老人ホームに入るべき状態だと思うのですが、そうなるとココナをひとりにしてしまいますからね・・・。そういうわけで、私はこの人は信用できる大人だと思って観ています。何か隠していたとしても、少なくともココナへの愛は本物だろうなと。

玄関先の花壇・・・パンジー 「もの思い」

 さすがにこんなささやかなシーンだと絵が荒すぎてよく分かりませんが、定番のパンジーあたりでしょうか。サルビアっぽい花も見えますね。
 こんなところにまで意味を持たせて花を配置するとは思いませんが、進路のことで頭がいっぱいで、ピュアイリュージョンに入るまでマトモに笑う描写のなかったココナにはちょうどぴったりな花言葉です。

※ 踏切で待つ人々について

 ゲーム機に手帳にケータイ・・・モブがみんな手元を見ているのは、ココナの感じている閉塞感を反映してのことでしょうか。いえまあ作劇的にはパピカを目撃されないようにしているだけなんですけど。
 ココナも腕時計に目を落としかけ、すんでのところでパピカに気付きました。進路の悩みだってもっといろんな人に聞いてみればいいのに、と思います。ヤヤカだけじゃなく、お婆ちゃんとか他の友達とかにも。いろんなところに目を向けてはじめて見えてくるものもあるはずです。例えばパピカとか。

教室の窓際の花瓶・・・シャクヤク 「恥じらい」「清浄」

 意外なところでアスクレーピオスの名前を見つけました。医神アスクレーピオスの弟子パイエオンが師の嫉妬によって殺され、転生したのがこの花なんだそうです。教室ならヤヤカが近づかないので安心だ。
 blush like a peony(シャクヤクのように顔を真っ赤にする)という成句があるそうです。この花の赤はそういう色なんですね。このアニメの2、3割はココナの羞恥で占められている気がしますが、そういうピュアな心の持ち主だからこそ変身できているわけで。良きも悪きも表と裏。

ココナの席の後ろの花瓶・・・ピンクのユリ 「虚栄心」

 これもココナを象徴するような花言葉ですね。踏切のところでも書いたとおり、ココナが鬱屈してしまっているのは単に悩みがあるというだけでなく、素直に周りに相談できずにいるからです。虚栄心というほどには拗らせていない気もしますけどね。
 第2話以降ではココナの後ろ、つまりココナよりもこの花に近い席にパピカが座ります。この子どうしてフリップフラッピングで盾持ちに変身するんでしょうね。実際の戦闘では盾を盾らしく使わない攻撃的なスタイルなのに。ココナが剣士に変身するのはわかります。あの子は道を切り開ける自分に変わりたいという願望を持っていますから。では、パピカは・・・? ひょっとすると彼女こそ虚栄心で本当の気持ちを覆い隠している子なのかもしれません。

保健室のテーブルの花瓶・・・ビオラ 「誠実」「信頼」

 「どこでも良くはないから」のシーンですね。ココナの進路に悩む姿勢は不器用なほどに誠実です。劇中唯一ココナが誰かに悩みを打ち明けるシーンでもあります。
 ヤヤカは自分の将来に対する姿勢こそ不誠実ですが、ココナに対してはいつも誠実なんですよね。マトモに考えていないことを正直に考えていないと伝えて、そういうやり過ごし方もあることを教えてくれました。そんなだからココナも彼女を特別に信頼しているんでしょうね。

※ 盛大に間違えました。よくよく考えるとビオラは花瓶に生けるほど草丈が高くありません。

保健室のテーブルの花瓶・・・ベゴニア 「幸福な日々」

 ココナとヤヤカの思い出の花。ふたりは思い出をとても大切にしていて、この花を飾る保健室はふたりの他には誰も入れない結界となっていました。(というのは少々大仰で、実際には保険医が出入りしていますけどね)

 とはいえいつまでも思い出だけに依って生きていけるなんてこともなく、ココナはパピカと出会ってピュアイリュージョンに、ヤヤカにもヤヤカの事情があって・・・。

保健室の姿見の花瓶・・・ツバキ 「控えめな優しさ」

 これはもう間違いなくヤヤカのことですね。「覚悟が違う」とかそういう生き方、彼女には向いていないと思いますよ。優しいってことはそれだけ自分を曲げやすいということでもありますから。

※ クリームボックスについて

 福島県のローカルフードだそうですが、ローソンが何気によくこういうご当地ものでフェアをやるので、私も食べたことがあります。まあ、よくある高カロリー系菓子パン。第7話ではアーモンドをトッピングしたものが登場しましたが、ああいう見栄えのいいバリエーションをつくりやすいのがこのパンの強みなのかもしれませんね。

夕日を浴びて咲く花・・・白いアジサイ 「寛容」

 これは各話感想の方でも触れましたね。土壌のpHに関わりなく白い花を咲かせることに由来しています。
 口では「嫌」と言うココナですが、それとは裏腹、この時点ですっかりパピカとピュアイリュージョンを受け入れていたんですね。だからこそ第2話で冒険を断る言い分がパピカが危ないことをするから、だなんて優しいものになってしまうわけです。

第2話 ピュアコンバータ

「整流器」 交流を直流に変換するもの。一言にコンバータといっても色々ありますが、フリップフラッパーズの用語はオーディオ関連のなかでも回路がらみが特に多いので、おそらくはこちらのことでしょうね。電流を回路に流す前段階。ふたりの出会いがココナを変えて、パピカを変えて、そうして初めてふたりの心は重なります。

ココナの部屋、窓ぎわの観葉植物・・・シロツメクサ 「約束」「私を忘れないで」

 実はこの植物の正体がわからなくて花言葉ネタに言及するのを諦めていました。よく見かける気がする割に、シロツメクサそっくりなハート型の葉のツタ植物ってあまり思いつかなくて・・・よくよく考えるとシロツメクサ自体がツタ状でしたね。地面を這っているうえ群生しているので、ツタというイメージが全くありませんでした。花冠を編んだこともあるはずなのに・・・!

 ココナとパピカの古い因縁を象徴する花です。ココナのカバンにもステッカーだか缶バッジだかがついていますし、きっとココナは深層意識レベルでシロツメクサが好きなんですね。

※ 「パピカ」「なんだお前」

 ヤヤカとの初遭遇でのやりとり。まさかこんな細かいところにまで伏線を這わせていたなんて。教室に入るときの「たのもー!」と合わせてパピカ流コミュニケーション術3点セットです。

 それにしてもこのシーンのココナのカバン、普通に教科書ぎっしりなのにユクスキュルはどうやって中に潜んでいたんでしょう。ユクスキュルのサイズ感といい、ココナの家の前の道路の傾斜加減といい、なにげにこのアニメは嘘をつきかたが上手です。

※ 超芸術トマソン

 語源は野球ネタだそうです。いかにも70年代の学生らしい言語感覚ですね。上った先に何もない階段、向こうに壁しかない扉など、無意味な構造物に芸術性を見出す言葉です。(厳密な定義としてはそういう形になった経緯も重要らしいですが) フリップフラップにある押し入れ型の転送装置のことを指しますが、そこに至る道に並ぶ半端に埋まった窓や扉、無意味な階段なんかも典型的なトマソンといえます。

 無意味な構造物を意味ある装置として機能させるという文脈が、いかにも万事ことごとく秩序立っているアスクレピオスと好対照を成していますね。ソルト流の皮肉でしょうか。

 ちなみに押し入れ型の転送装置は「おしいれのぼうけん」という絵本のオマージュだそうです。転送装置であるところ、上段と下段で手を繋ぐところ、暗がりに開く怪しい目など。奇しくも初版が超芸術トマソンの発見と同時期ですね。

第3話 ピュアXLR

 有線マイクのお尻の部分でおなじみの3ピンコネクタです。そもそもがノイズを拾いにくい伝送方式なうえ、ピンの1本がアースの役割をするので挿した瞬間のビッというノイズも発生しにくい優れもの。
 劇中でしばしば語られる「インピーダンスを揃えろ」「インピーダンスを安定させろ」「インピーダンスをゼロに近づけろ」というのは一般にノイズを減らすための施策なので、このコネクタのノイズに強いという特性は作劇上重要なものを示唆していることになります。
 要するに余計なノイズの乗らない「ピュア」な意思伝達をしよう、というのがこの回のテーマ。仮面を被って本音をぶつけ合ってケンカして、そうしたらきっとお互い正直な気持ちを言いあえる関係になるよね、というお話です。

サボテン・・・「忍耐」「優しさ」「暖かな心」

 花言葉を狙って登場させたわけはないでしょうが、サボテンや砂漠を見てイメージするものは誰でもだいたい同じでしょうから、必然としてシチュエーションにぴったりな花言葉が揃っています。
 「少し毒があるからあんまり吸っちゃダメよ」 実際、井戸では汲み上げきれないわずかな地下水を利用するためにサボテンを植えることはあるようです。絞って飲んでよし、皮をむいて葉肉を食べてもよし。また、種類にもよりますがサボテンが毒を含むのもまた事実のようですね。

麦・・・「富」「希望」 (折れた場合)「争い」

 これまた花言葉を狙ったわけじゃないでしょうが、麦畑が荒らされるというシチュエーションを見て考えることもやっぱりみんな同じでしょうから、こちらもちょうどぴったりな花言葉があります。
 オアシスというと砂漠にある大きな湖というイメージがありますが、実際は井戸を掘らないと汲み上げられないうえに量もわずかしかない水源であることが多いようです。それでも貴重な真水(ええ、巨大砂漠は大抵海に隣接しています)なので、そこには人が集まるんですね。

ウェルウィッチア・・・「奇想天外」  ※ 花言葉ではなく一般名

 アフリカ・ナミブ砂漠の固有種。なんと寿命2000年。見た目がロリっ子だからと油断する事なかれ。見た目はなんというか・・・浜に打ち上げられたコンブみたいな? 本来は2枚しかない葉っぱが自然に裂けて、ウゾウゾとしたキモチワルイ感じの見た目に成長します。
 砂漠に自生しているものの、実は砂漠に適応しているとはいいがたい生態だそうで、土地が砂漠化する前にできた種なんじゃないかといわれているようです。そんなわけで徐々に数を減らしつつあるらしく、彼女がココナたちにちょっかい出したがったのも何割かは本当に寂しい気持ちが混じっていたのかもしれません。

※ ピュアバリアー、ピュアブレード

 まさかこのセクハラ変身バンクがその後も使われるとは思わなかったものです。名前だけこの回限りだったのも。作画が美麗な新興スタジオは大抵ヘンタイ。
 セミの羽化をイメージしてるとかなんとか。普段消極的なココナがブレードなんてアグレッシブなものに変身するのも文字通りの「変身」だからなのでしょう。つまりはパピカ→バリアーも・・・?
 ちなみにセミのようにサナギを経て幼虫と全く違う姿に変化することを「完全変態」といいます。

※ アモルファス

 非晶質物質。私は根っからの文系なので正確な定義はどうなのかわかりませんが、要するに結晶ではない固体のことのようです。ガラスとかオパールとか。(概ねゴエモン3のせいで)一部のゲームオタクには「ガラスは液体」という認識が根付いていますが、実際はちゃんと固体として定義されているそうです。
 結晶ではないということは分子配列が整然としていないということであり、ディストピアめいた秩序をみせるアスクレピオスにはどこか不似合いな呼び名です。私としては混沌とした印象を強調する「アモルファス」よりも、素直にありのままを言い表す「欠片」という呼び方の方が好きですね。見方によって姿を変えるのが混沌としたものの魅力であって、全体的な性質でもって定義してしまってはそういうステキに気付けなさそうですから。

※ アスクレピオス

 ギリシャ神話における医術の神。昔ちょっとだけ流行った黄道13番目の星座・蛇遣い座の神様でもあります。その医術の冴えはめざましく、死者すらも蘇らせるということで、黄泉の国からクレームが来て主神ゼウスに殺されちゃいました。かの組織がこの神様の名をかたるのは、その目的がミミの復活にあるからでしょうか。
 アモルファスを収集している塔はアスクレピオスが持っていたとされる蛇の巻き付いた杖がモチーフでしょうね。WHOなど医療・保健分野でよくデザインに用いられています。祭壇はギリシャ風ではなくなぜか南米系ピラミッド。チチェン・イツァがカッコイイから仕方ない。

※ 「ダイレクトドライブの片割れめ」

 おそらくは初めてピュアイリュージョンにアクセスしてみせたこと、あるいは赤いホールにアクセスしたことを言っているんだと思います。なんか吐き捨てるように言っていますが、第11話で語られた過去を見る限り、彼にはパピカナ個人を憎む理由はあってもダイレクトドライブを憎む理由は無いように思います。このあたりは途中で設定変更された煽りを食ったのかもしれませんね。一応意味は通るので問題ないですけど。

第4話 ピュアイコライゼーション

 周波数の特性を編集することです。音楽再生アプリケーションに搭載されているビジュアルイコライザーが身近ですね。本来は「Equal-ization」の文字通り、マイクやスピーカーなど機器固有のクセによらず、どこでも同じ音を出せるように調整するためのものです。
 作劇的には前回ふたりの生の感情を引きだしたので、今度はそれを整えて均一化させようということですね。

※ インピーダンス

 たぶん概念的にはオーディオ機材におけるインピーダンスの考え方で捉えるのが正解なんだと思います。

 インピーダンスが低いほど、双方のインピーダンスが等しいほど、伝達時にノイズが乗りにくくなります。つまりピュア。変身したココナとパピカがそれぞれ片足ずつ黒くなっているのは、それだけふたりのインピーダンスが近似になっているという表現なのかもしれません。
 一方で「インピーダンスを上げろ」と逆の主張をするキャラクターも出てきますが、そちらの意図については彼が登場する回で。

※ 「前回生じた実時間との誤差はお前たちが招いたこと」

 裏を返せばインピーダンスさえ一致していればピュアイリュージョンを冒険しても時間はそれほど経過しないということ。拡大解釈するならインピーダンスの状態次第ではピュアイリュージョンがタイムマシンになりうるとも考えられます。パピカが今の姿になったのもそのあたりに原因がありそうですね。

※ スカーフの色

 ココナたちが2年生で赤色、美術部の先輩が黄色、モブには緑色の生徒もいるので、1年生から順に緑→赤→黄という色分けになっていることになりますね。
 こういうのは進級しても持ち上がりになる学校と、進級するたびに買い換える学校とがあるようです。私の通った中学・高校は上履きと校章の色が持ち上がりでした。たまにあえて他学年の色を着こなすオシャレさんもいたり。

※ キウイ

 果物のキウイフルーツはこの鳥に似ていることから名付けられました。実物はニワトリくらいの大きさです。健脚が特徴。あと体長に比較してやたら大きな卵を産むのも特徴。どのくらい大きいかというと・・・

コゴミ・・・「健常」トマト・・・「完成美」ヤシ・・・「勝利」

 ええ、今回判別できる植物が少ないのでムリヤリ花言葉を引いてみただけです。

ココナとパピカが摘んだ果物・・・スグリ? 「私はあなたを喜ばせる」

 アケビくらいの大きさに見えますが、未熟果が赤いことと丸っこい果実、葉の形などから考えるとむしろスグリ(特に黒スグリ=カシス)に似ている気がします。実物は小指の先くらいの大きさしかありませんけどね。花言葉がそれっぽいのでとりあえず暫定的に紹介。

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