
それでももしまだ勇気が足りないなら、ボクのを分けてあげるペエ。

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(主観的)あらすじ
このあいだのちゆへの取材記事が新聞に載りました。家族からの評判も上々。みんなちゆが本格的にハイジャンプの道に進むことを当たり前のように応援してくれました。
そう。当たり前のように。自分は旅館の女将を継ぐものだと当たり前のように思っていたちゆは、なんとなくそんな家族の反応に引っかかりを覚えます。
のどかたちにも相談してみました。するとのどかたちも、ハイジャンプに専念するため家族が背中を押してくれることはいいことだと喜んでくれました。やっぱり当たり前のように。
それならきっとそういうものなんだろう。ちゆは納得して、これからハイジャンプ一筋でがんばることを心に決めました。・・・そのはずなのに、どうしてか心の引っかかりが消えてくれません。
悩んでいるうちにじわじわと自覚してきます。――そうだ。私は女将の仕事もやっぱり好きなんだ。
だけど、そうなんだ。みんなは、ハイジャンプのほうを、応援しているんだ。
そんなちゆの気持ちを正しく理解してくれたのはペギタンでした。
ペギタンはずっと考えてくれていました。どうしてちゆが浮かない表情をしているのかを。ちゆが吹っ切ったつもりでハイジャンプに専念することを決めたあとも、ずっと。
そして見つけてくれたのです。どうしたらちゆが後悔なく一番ステキなかたちで夢を叶えられるようになるのか、その方法を。
どっちもやっちゃえばいい。
要はたったそれだけのこと。それだけで終わる話なのに、ちゆは珍しくずいぶんと臆病になってしまっていたようでした。
誰かによって揺さぶられ、また別の誰かによって確としてもらう不思議な一日を終えて、ちゆの表情はこれまで以上に晴れわたるのでした。
前回の34話、そして今話を経て、ちゆはますます魅力的な子になりましたね。
はじめ、ちゆは自分のことなら何でも自力でどうにかできる子でした。彼女にはそれだけの優れた能力が備わっており、また、それだけの闊達とした自信も持っていました。これからもっと成長するための遙けき夢まで持っていました。
彼女にできないことといえば、たとえばビョーゲンズから旅館を守るといったような、自分事の範疇に収まらない問題の解決だけ。
ちゆにとって、自分事とは絶対無敵の聖域でした。まるで無限に広がる青空を自由に泳ぐかように、自分だけの問題に限っては自分だけの力でどうとでもすることができました。
現実に青い空が広がっているのはちゆの外側にある世界で、だから実際に泳げるわけではなかったけれど、なんとなく、いつか本当に青い空を泳げるようになれる気さえしていました。
そんなちゆの大きな転機が、第34話。他校のハイジャンプエース・高美ツバサは、ちゆだけの無敵の聖域にズカズカと踏み入って来ました。
「――がっかり。あなたのハイジャンへの思いってそんなもんだったんだ。大会で優勝したらハイそこまで、ってこと? あんなすごいジャンプして、嬉しかったらそこから先は別にいい? あなたに負けてくやしかった。くやしくて、くやしくて、眠れなかった。でも、“自分より高く跳ぶ人がいた”! だから私はもっと高く跳べるよう練習しようって! 私は世界を目指して真剣にやってるのに、あなたは・・・!」(第34話)
ひどく身勝手な理屈で、ちゆの言い分も聞かず、ちゆに勝手に期待して勝手に失望していった悪辣な人。ちゆは彼女と友達になりたかったのに、彼女のほうはライバルじゃないと嫌だと一方的なワガママまで言ってきました。
ハタから見ている分にはどう考えても彼女のほうに非がありました。
だけど、譲歩したのはちゆのほうでした。
ちゆは自分のパーソナルな聖域を踏み荒らした彼女のために、その一部を譲り渡しました。彼女のワガママなんて聞いてやる必要ないのに、それでも受け入れました。
けっしてお人好しだからではありません。けっして彼女のために自分を犠牲にしたわけでもありません。
ただ、そのほうが、ちゆ自身にとっても“いい”と思えたから。
それだけでした。
今話はその直接の続きとなる物語。
自分のことを全部自分で決めていた強い子が、その決定権の一部を他人に譲り渡してしまったからこそ弱くなってしまった、そんな柔らかで温かな、勇気の物語。つながることへの恐れに向き合う物語。
・・・あ。
ちなみに、次回作のキャラクターやらスタッフやら放送開始日やら色々正式発表されました。
主人公がとてもとてもとてもかわいいです。
心の奥の柔らかなところ
「あーら。今日はあんただけなのね。ま、せいぜい足掻くがいいわ」
ひとりで戦うことに恐さなんてありませんでした。
ちゆは強い子です。何でもできる子です。
少なくとも、これまで自分の問題は全部自分の力だけで解決してきました。
「がんばるのも大事だけど、あんまり無理しないで。ちゆちゃん」
「記録出なくても死なないし。ね!」
「・・・それでも私は跳びたいの。今は無理してでも自分の限界を超えたい」(第8話)
ちゆは小手先の戦略も搦め手も必要としない、根っからのパワー系でした。ゴリ押しだけでだいたい何でも解決できるゴリラガールでした。
今回だって別に変わりません。ギガビョーゲン相手でも変わりません。
ナマイキにもハイジャンプ選手たるちゆへ上空からの振り下ろし攻撃を叩きつけてくるサーファー型ギガビョーゲンに対し、ちゆは臆することなくたったひとりで善戦しました。全ての攻撃を躱し、いなし、そして的確に反撃してみせました。あのままならもしかしたらひとりだけで浄化することさえできたかもしれません。
「ちょっと! 私の一途な愛を邪魔しないでよ! 私はずっとずっとキングビョーゲン様だけを思ってやってきた! この一途な思いがあってこそ、キングビョーゲン様の愛をつかめるのよ!」
シンドイーネの妄言を耳にするまでは。
敵の言葉なんてまともに聞いてやる必要ないのに。今ここで飲み下してやるほど含蓄ある言葉でもないのに。
それでも、沁みてしまいました。
ちゆの心の一番ナイーブなところに、うっかり入り込ませてしまいました。
きっとまともに受け取ってやる必要なんてない言葉が、なんだか無性に、自分にとって大切なことを語っているように聞こえてしまいました。
「一途な、思い・・・」
打ち据えられます。
「ちゆにはハイジャンプの才能がある。旅館はとうじに任せて、ちゆは思いっきり陸上に打ち込むのはどうだろう」
「ボク、お姉ちゃんなら本当に世界に行けると思う」
「ちゆがハイジャンプをやりたいのなら私も応援したい。旅館のことは気にしなくていいのよ」
「人生は一度きり。後悔のないようにしたらいいわ」
朝。家族が不思議なことを言っていました。
本当は全然不思議なんかじゃないのかもしれません。家族として当たり前の応援だったのかもしれません。ちゆは恵まれているのかもしれません。
それでも、ちゆにとっては不思議な出来事でした。
・・・どうして、この人たちは私の未来を勝手に決めつけようとするんだろう?
ちゆの家族からすれば全然勝手なことを言ったつもりじゃないはずです。だって、「世界を目指したい」というのはちゆ自身がインタビューで語っていることなんですから。
みんな、応援してあげたらきっとちゆの役に立てると信じて言ってくれているはずです。
それでもちゆには不思議でした。どうしても納得いきませんでした。
だって、ちゆの未来を決めるのはちゆ自身のはずなんですから。
これは本来自分が決めるべき問題のはずなんですから。実際、これまでならちゃんとちゆが自分で決めてきた類の問題なんですから。
ちゆには自分のことを自分で決められるだけの優れた能力があります。
ちゆには自分のことを自分で決められるだけの闊達とした自信もあります。
それはみんなだってわかってくれているはず。
なのに。
・・・どうして、口出ししてくるの?
「『後悔のないように』・・・」
私がおかしいんだろうか?
家族の愛情を素直に受け取れない私の心にこそ何か異常があるんだろうか?
いいえ。愛情は受け取れている。応援してもらえているとちゃんとわかっている。
なのに、じゃあ、どうして?
不安。戸惑い。これまで感じたことのない覚束なさ。
「じゃあとうじくんが旅館やるの?」
「ええ。でも小さいころからずっと自分が女将をやるものと思ってたから、なんだか不思議な感じで」
「でも、ちゆちー。これでハイジャンに集中できるじゃん。世界ヘジャーンプ! でしょ?」
友達に打ち明けてみて、やっと納得します。
「・・・そう。・・・そうよね。そのためにも、もっとがんばらないと。これからはハイジャンに専念してみるわ!」
「ふふ。がんばってね、ちゆちゃん!」
「私たちもめっちゃ応援するし!」
「ありがとう!」
ああ。やっぱりそうだ。
やっぱり、――私がおかしかったんだ。
心の殻はすでに損なわれている
「シンドイーネの言うとおりかもしれない。何事も、一途な思いには叶わない。なのに私はハイジャンと旅館、どっちつかずで――」
ちゆが砂にまみれているうちに仲間たちが駆けつけてくれました。
彼女たちもまた善戦。チームワークでまたたく間にギガビョーゲンを青空高く打ち上げていました。ちゆの復帰はもう必要ないかもしれません。今のちゆは、ただ地べたで膝をついているだけ。
――不思議な運命力。
みんながちゆのやるべきことを替わってくれています。
もちろん、ちゆを助けるために。
ちゆだってあのくらいのギガビョーゲンには負けないけれど、それでものどかたちは仲間だから、当然にちゆの代わりに戦ってくれます。
それはきっと優しいことで、友情で、きっときっと、いいこと。
それでも、結果として今この瞬間に青い空の高みを泳いでいるのはギガビョーゲン。
ちゆは砂にまみれて地べたに伏したまま。
当然かもしれません。
だって、今戦っているのはちゆじゃないんですから。
「ライバルならちょうどいいじゃない。いなくなったほうがさ」
「違う! 彼女がいてくれるから、私はもっと跳べるの!」(第34話)
あのとき、ちゆはツバサのライバル宣言を受け入れました。
最初は普通に友達になりたかったのだけれど。
最初は切磋琢磨して一緒に高みを目指す、なんてこと考えもしなかったのだけれど。
だけど彼女はそういう、ちゆ側の希望は全部拒絶して、あくまでライバルであることだけを求めてきました。他人の話を聞かない、ひどく自分勝手な子でした。
だけど、ライバルになるのも悪くないと思いました。
そういう発想は元々ちゆのなかにはなくて、そして、青い空を泳いでみたいちゆの夢に彼女の提案したライバルという手段は確かに噛み合っていました。
だからちゆはツバサとライバルになることを選びました。本来の自分の考えを曲げてまで。
「ちゆ。いったいどうしたペエ」
「世界を目指すなら――、ハイジャンに集中しないとダメよね」
「ちゆは、その、ハイジャンより女将をやりたいペエ?」
「わからない。選べないのよ。それに、とうじがあんなに張りきってるし」
今話、ちゆを苦しめているのはあのときの代償です。
ちゆは自分の身の振りかたを決めるうえでツバサの意見を取り入れました。
これまで全部自分の考えだけで決断していた思考パターンに、あのとき、他人の意見を介在させうる余地をつくってしまいました。
だから迷うんです。
他人の意見は自分の思いどおりにできないから。
「つまり――。ちゆのハートはハイジャンと旅館のふたつに分かれていて、旅館のほうがなくなっちゃったから、ハートのバランスが悪くなっちゃったってことだな」
ちゆの家族はよかれと思って、ちゆから旅館の女将を継ぐという選択肢を奪ってしまいました。
元を辿れば彼らがそんなことをしたのもインタビューでのちゆ当人の発言が原因なのですが、なまじっか家族という他者がちゆの意志決定に介入してしまったせいで、ちゆは当時の発言を撤回できなくなってしまったんですね。それで心に葛藤が起きてしまった。
選択肢がひとつしか残らないのなら葛藤なんて起きようはずがない、と言いたくなるところですが、人の心は案外そう簡単なものでもないようです。
ちゆは本当は女将も継ぎたかった。だけど、ちゆが家族の意見をはねのけるためには彼らのせっかくの善意をフイにしなければならない。だけど、ちゆのなかには家族を傷つけてまで女将を選ぶほどの明確な意志もない。だけど、やっぱりやりたい。
ハートの片側だけで発生した二者択一。0か1かの半ば無いものねだりな葛藤。
最初から家族の意見を無視しちゃえばいいだけの話なんですけどね。
実際、初期のころのちゆにはそれができていました。
「がんばるのも大事だけど、あんまり無理しないで。ちゆちゃん」
「記録出なくても死なないし。ね!」
「・・・それでも私は跳びたいの。今は無理してでも自分の限界を超えたい」(第8話)
心配する友達の言葉をガン無視して力技での解決を強行していました。それまで単に好奇心旺盛でちょっと空気が読めないだけという印象だった子のイメージが一瞬でパワー系女子に塗り替わった、それはそれはみごとなゴリ押しゴリラっぷりでした。
今、あのころのゴリラだったちゆはもういません。
ここにいるちゆはツバサとの出会いを経て、他人の意見も受け入れるようになった、柔らかなちゆです。
ある意味では弱くなったといえるでしょう。
私みたいに基本ひとりで過ごすほうがのびのびできる引きこもり気質からすると、余計にそう感じます。他人に振りまわされるなんてバカバカしい。自分を強く持って、確固とした芯を基準に決断していったほうが絶対自分らしく生きられる。後悔することが少なくなるし、なにより、自分の言動全部に責任を持てる。 実際の私はそんなご大層な生きかたできていませんけどね。でも、私にとっての理想はそういう強さ。
そういう考えかたをする人にとっては、ちゆは間違いなく弱くなりました。
だけど、“限界突破”。
「これはどういう意味でしょうか?」
「ええっと。“自分で無理だと思っていることをがんばって乗り越える”ってことかな」
「なんかさ、今の自分よりもっとすんごい自分になるって感じじゃない?」
ひとりで生きるための強さでいうなら、初期のちゆはほぼ完成形でした。
私がちゆだったなら、今よりもっとずっと健やかにのびのびと生きられたことでしょう。
ちゆはもっと先へ行きます。
ひとりでは耐えがたい弱さをあえて獲得することで、ひとり者にとっての理想的な強さの、さらにその限界を突破して。
心の温かなところを繋いで
「あっ。あのボードの動きを止めれば!」
再び立ち上がったちゆは形勢逆転、今度は自分が空高く跳び上がり、ペギタンと協力してギガビョーゲンを地べたへ縛りつけます。
青い空を泳ぐべきはやはりちゆです。
けっしてギガビョーゲンなどではありません。
だって、それはちゆがやりたいと心に決めていた夢なんですから。
「今のちゆを越えて、すんごいちゆになる。――ペエ!」
ちゆをすぐ傍でずっと見てきたペギタンが、“ちゆに代わって”答えを見いだします。
「それでいいペエ。両方好きなんだから、どっちもやっちゃえばいいペエ。ちゆならできるペエ。ボクはずっとがんばるちゆを見てきたペエ。ハイジャンも、女将修行も、それにプリキュアでもペエ。どれも手を抜いたりしないで全部がんばってたちゆなら、絶対にできるペエ」
ペギタンが今回やったことは、ぶっちゃけちゆの家族と大した差はありません。
結果的にちゆを散々苦しめることになってしまった彼らと。本当に何も変わりません。
ちゆの代わりに考えた。
ちゆの代わりに答えを見つけた。
ちゆの代わりに決断した。
だけど、それがちゆにとって救いとなりました。
ペギタンはほんの少しだけ、他の誰よりもちゆのことをよくわかっていたから。
ペギタンはちゆのパートナーだから。
「それでもまだ勇気が足りないなら、ボクのを分けてあげるペエ」
かつてちゆがペギタンのために言った言葉だというのがまた美しいですね。
あのときペギタンはこの言葉を受けて、自分に足りないものをちゆから借りるかたちでプリキュアに変身、自分の使命であるメガビョーゲンの浄化に成功しました。
自分のなかに足りないものがあるのなら、自分以外の誰かに助けてもらえばいい。
この1年、彼女たちがずっとやってきたことですね。『ヒーリングっどプリキュア』はバディ制です。自分ひとりじゃどうしても叶えられない願いがあるからこそ、ふたりで力を合わせて叶えていく物語。
「そう。そうよね。私はずっとチャレンジしてきた。ハイジャンも、旅館の仕事も。――私、やりたいこと全部やる! どっちも大切で、大好きなんだもの!」
この文脈で限界を超えるためにこそ、ちゆはツバサの意志を受け入れました。
無防備な心を晒して、ある意味では弱くなりました。強くなるために。
誰も受け入れない頑なな殻で覆った心では絶対に実現できない限界突破。自分の柔らかなところをさらけ出し、誰かの温かな心と繋ぎあうことで、自分の力ではできなかったことをできるようになっていく。
ペギタン以外の他人すらもパートナーとしうるための勇気ある挑戦。たとえば、そう、ツバサのように絶対に友達になれない相手とすらも。
「オーッホッホッホッホ! あんたたちの望みなんて何ひとつ叶うもんですか。叶うのは地球を蝕むというキングビョーゲン様の望みだけ」
「そんなことない! 誰の望みも、ビョーゲンズに邪魔なんてさせない!」
ただ、ひとつ勘違いしてはいけないのは、ちゆが他人の意見を受け入れるようになったのはあくまで自分の夢に近づくためだということです。
けっして自分がするべき決断を放り出して周りの誰かに委ねるためではありません。もしそうであったなら今回彼女が葛藤することはありませんでした。
自分の望みを叶えるために、自分ひとりだけで判断するのではなく他人の意見を受け入れる。わざわざそんな矛盾したことをするからしんどい思いをするハメになるわけですが、そうしなければ超えられない限界があったからこそ、彼女はこの道を選んだんですよね。
「なによ! い、今はそうじゃなくても、いつかキングビョーゲン様の一番になってやるんだから!」
「誰かの一番だと? 俺の一番はこの俺だ! たとえキングビョーゲンだろうと、俺の前には立たせんぞ! ワーッハッハッハ! 前には立たせんと言ったが後ろにも立たせん! 横にも立たせん!」
・・・最近のグアイワルさん何なの?
ビョーゲンズの仲間のはずなのに言っていることがやたらと健全で、プリキュア側に近い考えかたばかりしている気がするんですが。
コメント
私はキュアコーラルに惹かれましたね。
結局みんなを好きになるんでしょうけど、それはそれです。
前回旅館のことに全く触れてなかったので「あれ?」とは思ってましたが、単に二足の草鞋が当たり前のことすぎるゆえ意識が回ってない(ように見える)だけだったようで。
まあ今だって勉強も部活もプリキュアも手伝いも完璧ですから、ちゆの中ではそういうもんなのでしょう。
ともかく迷いが無くなって何よりです。
ちゆとひなたは全く別のタイプに見えて『ひとつのことに集中することに向かない人』という点では同じなのかなと感じました。
正直ひとつのことに向きまくってる人って、プリキュアのキャラだとジャン=ピエールくらいしか今とっさに思い当たらないんですけどねw
映画キラキラプリキュアアラモードのジャン=ピエールさん、ひとつのことに打ち込みすぎて身を滅ぼす(滅ぼした)タイプじゃないですかー!
私はうっかり第34話でちゆの物語は完結したものだと思っていました。ちゆが旅館のことを大切にするのはもう当たり前のことですし、最初のころからずっとゴーイングマイウェイ貫いてきた頑固者の着地点として誰かの影響を受けて考えが変わっていくというのはきれいな帰結でしたし。
でも、その結果これまで悩んでこなかったようなことに悩みはじめるというのも、かわいらしくて、愛おしくて、いいお話でしたね。
ちゆはまあ、“じぶんのやりたいことをやる”って意味では一本気なんですよ。歩くのにも左足踏みしめて上半身前に傾けて右足上げて・・・みたいに、細かく見ていけば色々な工程があるのと同じように、ちゆは自分らしく生きていくために旅館もハイジャンプも両方必要なんだと思います。全部含めてちゆらしさなんだと思います。
ひなたは・・・そうか。やっぱりあの集中力のなさは本人難儀するでしょうね。
一応、あれはあれでひなたの良さでもあるんですけどね。気が散りやすいということは周りの色々なものに興味を引かれやすいということでもあって、第9話でも描かれたように、あの子はたくさんのことを提案できる子でもあるんですよ。引き出しを多く持てる子。他人の良いところにたくさん気がつける子でもありました。
劣等感のせいで周りの顔色を窺うクセがついちゃっているのかもしれませんけど、なんにせよこれまでの積み重ねで身につけてきた大切な自分らしさです。最終的には自分らしさとして好きになってくれるといいんですけれど。ひとつのことに集中できないなら2つ3つ同時並行的に処理できるようになればいいじゃない!
なにやら巷では近頃3~4冊の本を平行して読んでいくのが流行りはじめているんだとか。朝の通勤タイムではこの本、帰りはこの本、寝る前に読むのはこの本って具合で。本人が困らないかぎりはそういうやりかたを選んでいくのも全然アリだと思います。