ふわふわサンドde心にスパイス! キュアスパイシー! 分け合うおいしさ、焼きつけるわ!
↓これ何?っていう解説はこちらの記事で↓
芙羽ここね(キュアスパイシー)
過去――何が自分をつくったのかという認識
1=A+C【誰の役に立ちたいか】
「嫌われたくない。せっかくお友だちができたのに、楽しく話しかける方法も知らないし、勝手にリップ勧めちゃうし、お料理もできないうえに、プリキュアまで・・・。こんな私じゃ嫌われる」(第5話)
ここねは新しくできた友達、その他自分に関わる全ての人を喜ばせたい。
2=B+D【誰に支えられているか】
「私ね、いつの間にか自分の周りが“好き”でいっぱいになってたの。ゆい、らん、あまね、マリちゃんに、パムパムたち。クラスのお友だちも。それにもちろん、パパとママ。私、・・・いったいどうしたら」(第35話)
最初正しく認識できていなかったが、ここねは周りのみんなから愛されていた。
3=B+C【嬉しかった想い出】
「あなたに会えてよかった。私、ここに残る。あの子と一緒にまたおいしいパンが食べたいの」(第4話)
ここねにとって、初めてできた友達とのランチの楽しさは衝撃だった。
4=A+D【傷ついた出来事】
「パパ、ママ。私、パパとママと一緒にボールドーナツ食べたい。・・・ワガママかもしれないけど」(第23話)
かつて、ここねが考える周囲への気づかいとは自分が遠慮することだった。
ここねは遠慮がちな子どもでした。両親が子どもの目から見ても明らかに忙しい人たちだったからでしょうか、彼女は周りから熱烈に愛されていたにも関わらず、自分の側から気持ちを伝えることを躊躇する子に育ってしまいました。結果、周りの人々も彼女に対して遠慮がちになり、せっかくの双方の思いがなかなか伝わらない事態に。
ここねの物語は、そんな彼女が積極的に周りに関わっていくべく自分を変えてみるところから始まります。
現在――自分は何者なのかという認識
A=1+4【がんばっていること】
「大好きなサンドイッチを楽しめないなんて。私、みんなとのランチにちょっと張りきりすぎてたのかも。ひとりでもみんなとでも、まずは自分が楽しまないとね」(第15話)
ここねは“自分の喜びのために”周りを喜ばせようと試行錯誤する。
B=2+3【任せてほしいこと】
「お願い、みんなも中から戸を押して! 一緒に開けよう!」(第6話)
本来、ここねは周りをサポートする立場のほうが肌に合っていた。しかしその協力関係も、まずはここねのほうから声をかけなければ実現できない。
C=1+3【よく気がつくこと】
「大事な人に会うなら明るい顔色がいいと思う」(第38話)
ここねは周りの人の気持ちに鋭敏で、彼らのために自分がどう手助けできるか考えることができる。
D=2+4【恥ずかしいこと】
「私、らんに意見しすぎたかな。思ったことを押しつけて、困らせたかも。ラーメンのほうがらんっぽいのに。――お友だちなら意見を合わせなきゃ」(第9話)
ここねが周りに遠慮しがちなのは、そもそも自分の考えに自信を持てないからである。
ここねの行動原理の基本には“そうすることで相手に喜んでもらえるか”があります。しかし、彼女は元々たいへん愛されているため、ここねがいくら相手を楽しませることだけ考えていても、同時にここね自身も楽しまなければ、相手はちっとも喜んでくれないというややこしさがあるのでした。さらに、ここねが周りに遠慮しがちなのも、周りがここねに遠慮しがちなのも、元はといえばお互いに影響を及ぼしあった結果だということがまた事態をややこしくしていました。
これはもはやどっちが悪いと質せる話でもないわけで、この物語ではひとまずここねのほうから歩み寄りを試みることになります。
未来――これまでの総括とこれからの夢
α=1+2+3+4【守りたいもの】=【プリキュアになりたかった理由】
「私、守りたい。大切な場所を、あの子と! だって、どんなことも一緒にやればきっとできるって、もう知ってるから!」(第4話)
ここねは初めてできた友達との関係を守るためにプリキュアになった。
β=A+B+C+D【足りないもの】=【物語のなかで起きる成長・変化】
「パムパムは知ってるパム。みんな、ここねの味方パム」(第35話)
ここねが勇気をもって周りの人たちとの人間関係に踏み込むたび、彼らは元々抱いていた好意を示してくれた。
γ=α+β+1+A【なりたい自分】
「私、これからもみんなと一緒にいたい。“楽しい”や“嬉しい”も、それに“苦しい”も“悲しい”も、今という一瞬一瞬を分かちあっていきたい。みんなは私の大切なお友だちだから!」(第35話)
ここねを取りまく人間関係がこじれていたのは、ただただひたすらにお互い遠慮しすぎていたせいだった。だからここねが最終的に望むことは、家族や友達との、お互い一切の遠慮を取りはらった関係性となる。
一言でいうなら両片想いってやつです。ラブコメ用語の。
ここねの物語はとにかく一から十までそのお話です。ここねが勇気を出して周りとの距離を詰めれば、踏み込んだぶんだけ向こうもここねへの愛情を示してくれ、それに安心してここねがまた踏み込み、また愛情を開示してもらう。
うっかり机から落としてしまったミシン糸のごとく、最初のきっかけだけゆいからもらったここねの問題は、あとはほとんど自分たちの力だけでどんどん物語を転がして、勝手にほぐれていくことになります。もともと彼女と彼女を取りまく人間関係にはそれだけのポテンシャルがありました。
ここねの物語は『デリシャスパーティプリキュア』全体において、ほんの少しの勇気をもって踏み込めば人間関係は大概うまくまわるという楽観を受け持っています。
普通に考えて、何もされていないのにいきなり周囲に悪意を持つ人なんていないわけで。好意には好意で応えようと思うのがほとんどの人のありようです。
誰もがお互いに「おいしい笑顔」を向けあい、ひとつのテーブルで和気藹々と団欒できる理想状態は、それぞれがお互いの善性を信じて初めて実現できるものでしょう。
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