ひろがるスカイ!プリキュア 第37話感想 振りかえって実感する、成長のかたち。

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またみんなと行きたいなあ。――そのときは私も、あの想い出の木も、今より大きくなってるかな?

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「ふたりは仲良し 思い出の木!」

大きな出来事

メインキャラクター:ましろ

目標

 ましろとあげはが仲よくなった最初のきっかけを思いだす。

課題

 みんなで昔のアルバムを見ているうち、ましろとあげはが仲よくなったきっかけが話題に上がった。しかしましろもあげはもその日何があったのかよく覚えていない。
 せっかくだからアルバムの写真を手がかりに、みんなで宝探し感覚で想い出の場所を探してみることにした。現地に行けば何か思いだすこともあるかもしれない。

解決

 想い出の場所にあった木はすでに切り倒されていた。だが、あの日何があったのかは思いだすことができた。
 あの日、ましろが被っていた麦わら帽子が風に飛ばされて木に引っかかった。それを見たあげはは木登りして取ってきてあげようとし、ましろは木登りでついたあげはの擦り傷を気遣った。ふたりともお互いの優しさを知ることができ、これがきっかけで仲よくなれたのだった。

 今回の旅行で昔のことを思いだせただけでなく、みんなと一緒に新しい想い出をつくることもできた。ましろには何よりそれが嬉しい。

バトル

苦戦

 強力な竹槍を持ったゼツボーグが相手。最初竹槍が1本だけだったうちはソラとエルちゃんのチームワークで敵の隙を突くことができていたが、2本構えるようになって隙がなくなった。

勝利

 あげはが敵を足止めし、ましろが同じところに何度も光弾を打ち込むことで竹槍を破壊することに成功した。ましろらしい地道で堅実な戦いぶりだった。

ピックアップ

せつこお婆ちゃん

 ソラシド市から車で行ける距離にある田舎のお婆ちゃん。どういう関係なのかはイマイチ不明だが、ましろとあげはは幼いころにも遊びに来ていたらしい。
 ヨヨお婆ちゃんが付き添っていたということは、ましろの家の親戚だろうか? 当時、あげはの家は母親とふたり暮らしの片親世帯。保育園や学校がない日はひとりで留守番せざるをえないこともあっただろう。見かねてヨヨお婆ちゃんが面倒を引き受けていたのかもしれない。自分も忙しいときはこんなふうにせつこお婆ちゃんに預けたりもして。
 まだ友達にもなっていない、まして4つも歳の離れているましろとあげはが一緒にせつこお婆ちゃんの家にお世話になっていたからには、おそらくお互い家族ぐるみの付きあいがあったのだろう。

ブランコ

 台風の規模にもよるが、暴風で倒れる木はそもそも病害や虫食いなどで内側が脆くなっていることが多い。通常なら建材に使うことは避けるはず。
 それをあえてブランコにしたということは、この地域の人たちにとっても相当思い入れの深い木だったのだろう。使える部分を丹念に選別するとか、脆いことを前提に注意深く構造計算するとか、そちら方面でもドラマがあったと思われる。

 ところで、普通は金属チェーンなどを使うべき可動部が明らかに根本まで木材で接着されているように見えるが、このブランコはいったいどうやって動かすんだろうか?

※ 参考

 『プリキュアバーチャルワールド』というイベントが告知されています。
 VRChatというプラットフォームで行われる3Dキャラクターイベントになります。VRChatというのはVRゴーグルに対応したMMOみたいな感じの場所ですね。自分もプリキュアと同じ3D空間に入り込んで、360度好きな方向から動く彼女たちの姿を楽しむことができるでしょう。
 なお、VRゴーグルを持っていなくてもログインできますし、純粋な動画として視聴する手段も用意されているようです。

 イベント自体は9月に初報が出ていましたが、先週新たに詳細な出演者情報とタイムテーブルが告知されました。
 『Yes!プリキュア5GoGo!』『ハートキャッチプリキュア!』「スマイルプリキュア!」の3作品で各30分の音楽ステージを2日間合わせてそれぞれ2ステージずつ、その他に25分程度のキャラクターショーが2日間合計6ステージ行われる予定です。
 この手のオンラインイベントは出演者が同じステージでも毎回まったく異なる演目が披露されることのほうが多いので、2日間の全公演を観るつもりで予定を考えていいと思います。

 さらにゲストとしてバーチャルYouTuberが6名、各30分ずつ2日間合計6ステージ出演します。
 バーチャルYouTuberというものに馴染みがない人にとってはあまり嬉しくないニュースだったかもしれません。正直、興行主の売り込みかたがあんまりよろしくないと思います。ゲスト出演者のプリキュア愛なんぞそっちのファン以外にとってはどうでもいい話なのよ。
 ただ、音楽イベントに出演するときのバーチャルYouTuberはそこまで配信者っぽくないというか、素人臭くないというか、真っ当にプロのアイドルをしているのでそこは安心していいです。むしろ一見の価値ありです。

 普段の音楽イベントの様子はだいたいこんな感じ。

 特に各日最初に出演する電脳少女シロと犬山たまきは、前者はテレビタレントやステージアイドルとしての活動実績豊富、後者はアニメ原作や声優、タレント事務所の経営などマルチな活動をしていて、両名ともひときわ業界人としての経験とプロ意識が強いです。きっと今回も、バーチャルYouTuberに詳しくない人でも思いっきり楽しめる高品質なパフォーマンスを披露してくれることでしょう。
 残念ながらこの2人でも好きになれないようなら・・・、まあ、無理に観ようとしなくていいと思いますね。配信チケット1日分あたり4800円と安いので、プリキュアのステージ1日合計165分だけでもこの手のイベントの相場分以上は充分ありますし。
 ちなみに、普段の配信活動は6人ともおそらく想像しているとおりのいかにも配信者らしい配信をやっているので、あんまりそういうのが好きじゃない人はチェックしないほうがいいでしょう。どう言い繕おうにもアニメとは文化が異なる世界、悪印象が補強されるだけです。音楽ライブだけならアニメ好きにも楽しめるコンテンツだと私は思っているのですが。

あしあと

 「またみんなと行きたいなあ。――そのときは私も、あの想い出の木も、今より大きくなってるかな?」

 この時期のプリキュアシリーズには少し珍しい、散文的な構成のエピソード。ストーリー全体の趣旨とバトルに盛り込まれたテーマ性とがそれぞれ違っています。

 ストーリーはましろがあげはと仲よくなった想い出の地をみんなで訪ね、その訪問自体がまた新しい想い出になったというもの。
 昔はあげはとふたりだけの想い出だったのが、今はソラたちも含めたみんなとの想い出へとひろがりを見せています。ついでにリスとも友達になれました。

 一方でバトルの核になったのは、ましろの一歩一歩堅実に前へ進もうとするパーソナリティ。友達との息の合った関係性もバトルの流れに取り入れられてはいますが、ゼツボーグを倒す決め手となったのはあくまでましろの性格のほうでした。
 これに対応する今話のストーリー描写はほんのわずかです。ずっとあげはと友達になりたかったのに最初は人見知りで声をかけられなかった、想い出の木できっかけを得て「友達になってほしい」と自分から言うことができた小さな一歩。どちらかというと第34話の絵本を10冊描いたエピソードで深く掘り下げられていた要素ですね。

 “友達の輪がひろがった”“ゆっくりだけど着実に歩みを進めてきた”。ラストのセリフで、このふたつの要素がどちらもましろの大きくなった証なんだと締めくくられる構成でした。

 ましろというキャラクターは何かと傷つきやすいソラを精神的に支える役どころであり、それゆえにガンコといえるほど安定した心の在りようをしています。
 初期は自分と周りを見比べて自分が劣っているんじゃないかと思い悩むこともありましたが、そんなふうに思っていたのはそもそも本人だけ。ソラやあげはからの評価は一貫して高いものでした。
 だから彼女の成長を描くためには、様々な事件を経験して変わっていくかたちではなく、自分が歩んできた道のりを確かめることで自己肯定感を高めていく、という形式になるわけですね。

 『ひろがるスカイ!プリキュア』自体、“憧れ”を原動力に努力していく個人の物語でありながら、根底にあるのが“憧れ”であればこそ人と人との関係性の上に成り立っている物語でもあります。

 「これって私たちが出会ったころの写真じゃない? 最初、ましろんってすっごく人見知りで、話しかけるとこんな感じだったもん」

 最初はただ「友達になりたい」という言葉すら口に出すのを躊躇していたましろ。

 「あ、あのね。私、本当はあげはちゃんと、お友達に――」
 「もう友達だよ!」

 だけどあげはが自分のために木登りをがんばってくれた姿に感化され、自分も勇気を出してみることにしました。
 このときあげはとうまく友達になることができたから、今のましろがあります。

 「騎士とか要らないよ」
 「え。・・・じゃあ、どうすれば」
 「えっと。そうだ! お友達からお願いします」
(第2話)

 やがて出会うことになるましろのヒーロー。
 相手が尊敬すべきヒーローであっても、もうましろは躊躇しません。友達になりたいなら素直にそう言えばいい。きっと受け入れてもらえるはずだから。

 「ダメ! あげはちゃん、痛い痛いだもん。病院行こ!」
 「・・・ありがとう。でも、ほらほら! 本当に平気だから」

 反対に、あげはを心配して言った言葉は受け取ってもらえませんでした。
 だけどどうやら喜んではもらえたようでした。

 「ここにいたんだね。おうちに帰ろう。お手紙出すよ。電話もするよ」
 「・・・ましろんは悲しくないの!?」
 「――悲しいよ。でも、私が泣いたらあげはちゃんはもっと泣いちゃうでしょ」
(第4話)

 素直に受け入れてもらえないことがわかりきっている言葉。
 それでもましろは伝えます。拒絶されることを恐れません。そんなことよりも、相手に喜んでもらえることのほうがもっと嬉しい。だから伝えます。

 「ダメだ。『友達』以外の言いかた見つからないや。『パートナー』とか『相棒』とか、そうじゃなくて、あなたは私の『友達』。あなたが心配だよ。助けたいよ。気持ちは同じ。それって、一緒に戦う理由にならないかな」(第5話)

 あげはとの出会いを経て、やがてソラとの友情につながり、言葉を伝えるべき相手が変わってもましろの在りかたはもう変わりません。
 自分がお願いしたとおり友達になってくれたり、反対に病院には行ってくれなかったりしたけれど、伝えた言葉のどれもが相手に喜んでもらえる結果になった。
 だったらいつでも伝えたい。相手のためを思うこの心を言葉にしたい。受け入れてもらえるかどうかはわからないけれど、きっと少しでもその人の救いになれるから。

 「最後にひとつだけ。――『ヒーローになれなかった』なんて言わないで。だって、ソラちゃんはとっくの前からもう、ヒーローなんだから!」

 「“ヒーロー”。今の私が口にできるような言葉じゃありません。でも、あなたがそう呼んでくれるなら――!」(第23話)

 そんなわけで、ましろはとんでもなくガンコな女の子に育ちました。
 もはやはっきりと拒絶されたって構いません。相手がどんな反応を見せるかとかもう全然関係なく、自分が相手のためになると信じた言葉ならどんなものでも躊躇なく、その人のために伝えるようになりました。
 その揺るがぬ心の強さがまた、誰かの心を支えられる力にもなって――。

 「――あのころは見ていることしかできなかった。けど。ゆっくりだけど、少しずつだけど、今の私なら!」

 人に歴史あり。ましろにあげはとソラとの友情あり。
 きっとましろの友達があげはやソラのように向けられた好意を素直に喜んでくれる子じゃなかったら、今のましろはここまでガンコな子にならなかったかもしれませんね。

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    コメント

    1. ピンク より:

      多分小学校高学年以下くらいで、5学年離れてるにしてはあげはが小さすぎるような……?
      今はスラっとしたお姉さんなのを見るに、あとから伸びたタイプなんでしょうか。あるいはましろんが昔は大きかったのか。
      まあこんなこと言ってる私はというと、生まれつきずーっとおチビのまま大人になりましたけどw

      近所の幼馴染にしては、回想シーンの時期が偏ってるとは薄々思ってましたが、本当にお互いある程度大きくなってから知り合ったんですね。
      そんな短い間(子供には充分長いのか?)に育んだ友情が、手紙や電話で今も続くとは、4話のあらすじを見る目が良い意味でまた変わりそうです。

      • 疲ぃ より:

         それは正直私も思いました。感想文を書いていて、ましろとあげはの年齢差たしか・・・2歳差くらいだったっけ? → いやいやいや! よく考えなくても中学生と専門学校生だったわ!! ってなりました。
         まあ、結論としてはあげはの成長期がちょっと遅れていたということで。(てきとー)
         ちなみに私の場合は中学時代に2年間12cmずつ伸びただけで翌年ぴたっと止まってしまいましたねー。

         あげはの2度目の引っ越しが決まった時点でましろは高く見積もっても小学校低学年くらいでしたから、ほんの2~3年間ってことになりそうですね。
         とはいえ、出会ってすぐ一緒に寝泊まりするくらい濃厚な付き合いだったわけで、そりゃまあ姉妹みたいな仲にもなるでしょうね。お互い尊敬しあっていたならなおさらです。

    2. 匿名 より:

      このところ、オトナプリキュアと含めてこちらも観ていますが、まさにプリキュアというのが、おっしゃるところの「夢の前借」であることを痛感させられています。
      もっとも、私の場合、それが岡山大学の鉄道研究会というサークルが、彼女らのプリキュアにあたるものであったということを痛感させられています。

      夢の前借ということは、いつかその「借り」を返していかねばならない。
      ~誰に返していくかというのはありますけどね。
      その前提として、その夢の前借で得たものがあるはずである。
      それを明らかにしていくことの重要性を、この回は暗に示していたのかもしれません。

      その視点から見るに、エルちゃんなどはまさに、中学生で大学の鉄研に通っていた私とまったく同じ位置取りにいるわけですね。
      ただ、ましろんはともかく、あげは君は、若干違う。
      彼女にとってプリキュアになるということは、近未来の夢の前借の要素もあると同時に、幼少期の夢の前借の返済のような側面もあるのではないか。
      あの年齢って、そういう要素のある時期ですから。
      まさにこの回は、そのことを明らかにしてくれたのではないでしょうか。

      そんなことを、徒然思いながら、自称プリキュア御意見番をやっておる次第です。

      へびのあし
      そういう自称プリキュア御意見番ですが、私自身がプリキュアに対して喝&あっぱれをやっているのは、ある意味、小学生の頃に夢を与えてくれたかつてのスーパースターであった野球選手(ここではOH砲=王貞治・張本勲両選手)への「夢の返済」のような側面があるように思えてなりません。

                       プリキュア御意見番・二代目喝御大

      • 与方藤士朗 より:

        あ、またやってしまいました。
        頭かくして何とやらになってしまいました(汗汗)。

      • 疲ぃ より:

         なるほど、返済。その感覚は私に無いものですね。
         その年齢で未だに親は子を扶養して当然と思っていたわけではありませんが、なんか早く親孝行しなきゃって意識にはならなかったです。

         夢を前借りした場合って実際誰に返済すればいいんでしょうね?
         そもそもが現実には起こりえない奇跡なのであんまり深く考えていませんでした。
         借りたものの所有者は未来の自分ですが、その賃借で未来の自分が何か損をするってこともありませんし。
         あえていうなら運命ですかね? 世界の道理をねじ曲げてもらっているわけで。

    3. 亀ちゃん より:

      前週の日曜のひろがるスカイプリキュアは写真を1番最初の手掛かりに思い出深い木を探す話でした
      後半になるとましろとあげはが子供の頃の回想の中で、
      「これからはましろんって呼んで良い?」
      と聞き求めたのにシックリ着ました!!☆☆♬
      キュアホワイトソックスもキュアアイドルギャンブラーに対して
      「これからは☆☆ちゃん(キュアアイドルギャンブラー)も私のことは必ず○○○(キュアホワイトソックス)って呼んで」
      と言い放ち切ったので、二重の意味でプリキュア的に感慨深かったです!!☆☆♬
      それからキュアプリズムがスキアヘッドに対して
      「何故私達を狙うの?」
      と聞き求めつけたのもシックリ着ました!!☆☆♬
      何故から始まるセリフは私が好きな漫画・アニメなどのいろんな二次元的に感慨深いセリフですね!!☆☆♬
      で、今月15日に広島県南東部のトイザらスに行っても、やっぱりプリキュアのお茶漬けは売っていなくて、本当に残念でした!!(汗)
      その代わり、プリキュアの水筒は20%引きが効きました
      で、次回はスカイランドの人々がたった一つのことをきっかけにプリキュアが全員ぐるみで救済する話ですね
      終わり方が読めないです

      >で、プリキュアとは完全に無関係なことで言いたい雑談は
      今は秋の地区大会が始まっています
      高校野球で秋の地区大会とは初戦から決勝までどこを相手に何対何で勝ったというのも、大きくモノを言う甲子園に向けて、すごく重要な大会でもあります
      初戦などでコールド負けしてしまった学校の野球部は、夏に気持ちを切り替えて練習なり何なり頑張って、地区大会で勝ち残っているチームは、神宮に出たいチームも意外と多いので、勝利を目指して頑張って下さい

      ★ピンクさん
      背が低いのは悪いことがすべてではありませんよ!!
      天井が低いと、背が高い人には怖さを感じることも大有りでしょう
      私はそういう男です
      話はズレますが私も小学校の時は背が高い方で、同小の学年で1番背が低い女子の同級生は、彼女のお父様よりも、同小の学年を通じて1番背が高い同級生(男子)の方がまだ背が高いということにまで発展することもありました

      • 疲ぃ より:

         スキアヘッドへの疑念がセリフになったということはそろそろ目的が明らかになるってことですかね?
         そこまで凝ったギミックは仕掛けてこないでしょうが、今からソラのヒーロー観を揺さぶるような展開ってどんなのがあるのかなと想像してみるのは結構楽しいです。

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